人形怪談集 「人形レストラン」松谷みよ子他


子供向けの、「怪談レストラン」というシリーズ本の中に、
短編集、「人形レストラン」があります。

見開きには、以下のような文言が。

「怪談レストランへようこそ。
背筋がゾーッとするような楽しいお話を、どうぞ存分にご賞味下さいませ」

短編集の物語を、レストランのメニューになぞらえて、
編集してあるのですね。

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裏表紙。
髪が伸びる人形が洗い髪にドライヤーを当てています。

子供向けの本は、挿絵もたっぷりで、楽しめます。




過去に、江戸川乱歩の「人でなしの恋」、
梨木香歩の「りかさん」、
新井素子の「くますけと一緒に」、

など、人形小説を紹介してきましたが、

この本も、
とても面白かったです。


人形は、たしかに可愛い。

しかし、可愛いだけではなく、

怖さも持っています。


それは、人形が、

理屈や理性で割り切れない、

「ひとがた」としての力を持っているからでしょう。



この短編集は、

大人の人形マニアも「ほう、うまい点を突くな」と唸る、

お話が詰まっています。


原爆で死んだ持ち主の願いをかなえようとする人形、

病気で入院中の持ち主が治るように、

御百度参りをする人形、

持ち主の危機を予言する人形、

ほとんど妖怪の人形、


と、とりどりです。


私が一番印象に残ったのは、

「なぎさのフローラ」(森下真理)でした。


挿絵を除いて十ページの短さの中に、

怖さと愛おしさと不思議さが詰まっていました。

以下に、紹介します。

私は、妹のえみと、海辺を飛ぶように走っていく人形を見ます。

二人は人形の後を追います。

人形は小さな島の横まで来ると、海に入っていきました。

つられて私が海に入りかけると、

妹が、人形に手が無い事に気づいて泣きます。

振り向いた人形には、手だけではなく、両方の目もなかったのでした。

私と妹は悲鳴を上げ、必死で逃げました。

小さな家に飛び込み、助けを求めました。

優しいおばあさんは、その人形の事を知っており、二人に話してくれます。

戦争中の事。

妙という女の子が、貿易商のお父さんからもらったビスクドールを、

フローラと名前をつけて、とても大切にしていました。

ある日、妙はこの海辺に遊びにきます。

そこへ、5、6人の男の子、女の子がわーっと声を上げて妙を取り囲みます。

敵国生の人形を捨てるように、迫ります。

子供たちは人形の手足をもぎ、

妙を幾つも殴って、行ってしまいました。

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砂浜に、もげた人形の手足が散らばっている挿絵です。

人形好きなら、妙の心中を想像して、

胸が潰れる事でしょう。



妙は泣きながら、人形の胴とばらばらになった手足を抱き上げ、

引き潮になると歩いていける海の離れ小島に向かいます。


おばあさんは言います。

「ね、想像してみて。妙ちゃんの小さなうしろすがたと、

花びらのような人形のドレスを。

島について、白い鳥たちにかこまれて、

ほっとした笑顔になった妙ちゃんを。」
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戦争中の貧しい衣服と、
長い巻き毛の美しい人形の対比。
哀切な挿絵です。

人形の死体を運ぶ、戦時下の少女。


それからおそろしいことがおこります。

その日は大潮で、満ち潮どきには、島はすっぽりと海に沈んでしまうのです。

妙をなくしたおかあさんは、気が狂って死にました。

その前に、おとうさんも戦死していました。


おばあさんは言います。

「たいせつにされたフローラは、妙ちゃんをなぐさめたいのよ。

お友だちにしたい子をみつけると、

海の中のはなれ小島へさそうの」

ぞっとしたわたしは、ふるえだします。

あのとき、ついていったら、わたし、死んでいた・・・・。



以上が「なぎさのフローラ」です。



限られたページ数で、

愛しさ、不思議さ、怖さが一篇に濃縮され、

挿絵ともども、胸に迫ります。









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# by leea_blog | 2017-11-22 11:07 | Comments(0)

揺蘭14・ありがとうヤマト運輸さん

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揺蘭14が、無事出来上がりました。

「馬鹿日記」シリーズじゃないのに、

宮無后の画像かよ!

公私混同じゃないのか????

(人形とのバカップルな日常をつづった、
ヒンシュク日記のシリーズが「馬鹿日記」です)


いやいや、今回は、

特別です。

作品執筆を応援してくれたのです。



表紙の印刷色が、思った通りに選べなかった。

背景がカンボジアなので、

熱帯の、むっとする熱気を色彩でも表現したかったのだが、

涼しげな色を選んでしまったようだ。



実は、インクの色選びは、

紙の色と重ねた時どう出るか、を想像しながら選ぶ。


紙の色は、

12号の時のように、

発色の美しい紙を選ぶと、

出費が大変な事になってしまう。

予算とすりあわせながら、

ぎりぎりの選択をしている。






ところで、配送。

20時から21時の受け取り時間指定なのに、

21時になっても配達されない。


21時10分くらいまで待って、

「今日はもう配達されないだろう」と、

ドラッグストアに薬をもらいに出掛けた。


帰宅したら、

不在連絡票が入っていた。

21時23分の記録になっている。

「遅刻するなら、電話の一本でもくれれば、待っているのに」

と、内心思いつつ、


不在連絡票に記載されているドライバーさんに電話を掛けた所、

今日これから配達してくれるというのだ。


配達は21時までのはずなのに、

大変だろうなあ。


明日でもよかったのだが、

本心は、早く出来上がりを見たい!!!!


到着が22時10分頃。



無事受け取った。

残業お疲れさまです。



大変若いドライバーさんだった。


うーん、昨今話題の、

重労働超過勤務の職場、

時間内に配達しきれない量を受け持ったか、

慣れていないかだが、

遅れても使命を全うしようとする姿勢に、

感動した。



配達人は、

物を届けているようで、

実は、心を届けているのだと思う。


ネットで注文した品が届くのを待つ時も、

何度も時計を見たり、

他の仕事が手につかなくなる。


玄関のチャイムがなると、

喜色満面に出て行く。


心を届けるのだと言っても、

実際のところ、

大変な仕事だ。


郵便局、佐川急便、あとはマイナーな配送業者。

どこも頑張って届けてくれる。


配達業務の、仕事環境が改善して行く事を祈る。

今日はありがとう、ヤマト運輸さん。











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# by leea_blog | 2017-11-18 22:40 | Comments(2)

揺蘭通信・横山基地から出荷



まれびと冊子揺蘭、14号。

本日、横山基地から出荷されました。

各地の執筆人諸氏の元に、

間もなく届きます。

編集人の所には、

明日か明後日の晩に届くでしょう。




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# by leea_blog | 2017-11-17 21:48 | Comments(0)

揺蘭通信・まれびと冊子【揺蘭】14速報。もうじき出荷



一年に一度。

不定期に発行される揺蘭の最新刊が、

印刷所から、

詩人で画家の横山克衛さん宅に届きました。

横山基地から、各地の執筆人に、

近々届くと思われます。


編集人としては、

どうぞ無事に編集が出来ていますように、と、

緊張する瞬間でもあります。



有ってはならない、

例えば、ノンブルの貼り間違い。。。。

何度も見直したけれど、

そういう重大なミスを、どうかしていませんように。。。。


表紙の絵柄と印刷の色が、うまくマッチしていますように。。。

写真の網かけも、

うまく出来ていますように。。。











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# by leea_blog | 2017-11-16 22:00 | Comments(0)

女子会。台湾茶普及委員会。採算度外視など。



今日は、埼玉県まで、出掛けた。

無添加食品体験パーティー(怪しい会ではない)と、

台湾茶パーティーのためだ。


幼なじみ宅に集まり、

女子会になった。

台湾茶パーティーは、

台湾茶の美味しさに感動した私が、

香りと味を是非楽しんでもらいたい、と、

茶葉と茶道具を持参して、行っている。

茶葉は三種類くらい持参している。



台北のお茶屋さんに通って、

淹れ方、香りと味の楽しみ方を習ったが、

日本で自分で淹れると、どうにも再現できず、

また、台湾に行く時は更に習う、を

繰り返して、ようやくどうにか納得できる香りと味を再現できるようになった。



お茶を飲みながらゆったりと時間を過ごす。

これは、現代の日本に必要だ。

時間を秒単位で切り売りするのでは、

もう立ち行きませんのえ。



と、理屈は置いておいて、

楽しく和やかに時間は過ぎた。



「出張お茶会を仕事にしたら?」と、

冗談を言われた。


ははは。

自分の好きな物を紹介する仕事は、

きっと楽しいだろうな。



でも、お金を取る事にしたら、

絶対、裏では楽しくないだろうな。



お金で割り切れないからこそ、楽しいのだから。



一度は、

文学で食べていけないか、真剣になった事もある。


子供の頃、将来何になりたいかを聞かれると、

「小説家になって自分で挿絵を描く」と、

即答したものだ。




しかし。夕食の卵と納豆を買う為に、

書きたくもない事を書かなくてはならないとしたら、

しんどいだろうな。



そう。

生活の為に、「本来は譲れない事」を、

譲りまくらなくてはならないのは、

辛い事だ。



今パワハラで休まざるを得なくなっている仕事は、

確かにブラックだけれど、

「採算度外視」のお仕事である。

だから務まっていると言える。

だんだんと「採算化」の波は押し寄せて入るけれど、

良心のある人たちも多く、

採算度外視だから出来る仕事を行っている業界だ。



「りーあさん、それ、ブラック企業の常套手段。

やりがい詐欺ですよ。

こんなにやりがいがあります、と謳って、

劣悪な条件で働かせるんですよ」

と指摘されそうだ。

多分、そうだ。




話は戻って、昼間のお仕事以外にも、

私が真剣に自分を投入できる事は、

大抵、採算度外視である。



「りーあさん、今こういうのが流行っているから、

ここをこう変えて下さいよ」、的な指図を受けないで済むなら、

構想もたくさん湧くし、工夫も色々出来るし、

挑戦も出来る。



そういうわけで、

結局、コピータイターでも小説家でもなく、

自腹で自分の自由を買って書く「詩人」におさまったのは、

水が上から下に流れる如くに、

自然だったのかもしれない。


自分で金を払っているのだから、

妥協はしないし、できない。



それゆえ、

たまに詩人同士で交される、

「詩人はこれこれこういうものを書くべきだ」という論調には、

賛同できないのである。





























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# by leea_blog | 2017-11-16 21:19 | Comments(0)

馬鹿日記・毛皮のビーナス


朝夕が寒い!

10度以下です。

毛皮の季節が近づいてきた。


ちなみに、

当家では毛皮は室内着&夜具である。

昔の日本、昭和の初め頃まであった、
「かい巻」とか「丹前」というものと同じである。



当家は室内温度が「外より寒い」と評判で、
なおかつ暖房の性能が悪く、
天井が高い為、暖気がみな天井に逃げてしまうのだ。

毎年、マンモスがのし歩きそうな寒さの中、
「今年も冬を越せるのだろうか」と心細く思っていた。


が!

毛皮を着ると、驚くほど暖かい事を知った。

そして!

寝るとき、布団の上から毛皮のコートを掛けると、
今までに無い暖かさだと、去年発見した。


冷え性・低血圧に悩んだ人生、
もっと早く知っておきたかった。


毛皮の暖かさは、
いかなる人工物とも異なる。

人体の動物磁気が整う感じがあるのだ。


昔は、冷え性で寒くてなかなか寝付けず、
タオルケットと毛布の上に、
綿の布団を二枚重ねて寝た。

大して暖かくないし、重くて胸が圧迫され、
悪い夢を見たものだ。


羽毛布団の軽さ、暖かさを知ったのは、
自分史の中で革命的だった。
毎日干す必要が無いし!


そして。
最近、毛皮効果を知ったのだった。


はははは。
湯たんぽと毛皮があれば、
もう冬が怖くないぞ。





それはそうと。

しんどくて寝て居ると、
宮無后が囁いた。

宮無后「公主。お辛い時は、無后で遊んで」。


「無后と遊んで」じゃなく、
「無后で遊んで」。


なんて優しい子でしょう。
と、びっくり。



りーあ「ありがとう、無后。実はね、経済面が、、、」

と言いかけて、いわないように飲み込む。


宮無后は今までの人生、労働で生活費を得た事が無いので、
彼の考える事といったら、

「上着を売る」
とか、
「山奥に逃げて野菜を植え、獣を捕って生活する」
とか、

「金が無い愚痴を言った私が悪かった」と、
速攻で後悔する助言ばかりなのだ。



彼に愚痴を聞かれ続けると、

そのうち私に内緒で、

「暗殺のバイト」か、

「お色気系のバイト」に

こっそり出掛けそうで危ない。


りーあ「無后にゃんと素還真は、
    居てくれるだけで癒しになっているから、
    心配しなくていいのよ」





そのようなわけで。
冬の気分転換として、
無后に毛皮を着せた。


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うわ〜、悩殺系。。。。。


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宮無后 IN 毛皮。

眼差しまで色っぽくなっている。

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黒目がちの目つきが可愛い

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きめの細かい肌に、
毛皮がよく似合う。

谷崎潤一郎の時代の中国辺りには、
こういう蠱惑的な人、居たかもしれない。


























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# by leea_blog | 2017-11-13 18:35 | Comments(0)