これに先立って、呪術的な朗読を安徳帝と建礼門院が聴きに来る、という夢を見た。 ゲリラ的路上朗読をする初老の男性詩人達と遭遇する。思い思いの服装だが、全部黒だ。 ビラを配って裏通りで朗読を始め、終わると脱兎のように次のスポットに向かう活動らしい。私はビラを手にした。気になったが自分の朗読会場に向かう。 誰もいない大理石の広間が会場だった。大理石のつなぎ目は純金だった。控えの間で、用意されていたローマの貴族のような衣に着替えた。髪もローマ人のような髪形に、金細工の髪飾りで結われた。 朗読が終わって大理石の広間の南を見ると、広間の端に薄桃色の垂れ幕が。 垂れ幕を透かして向こうに座っている人らの笑みが見えた。誰なのかすぐにわかった。私はずんずんとそちらに向かい、垂れ幕を押しやって対面した。垂れ幕の向こうは、光が溢れる緑の庭で、畳が敷かれて急ごしらえの観覧席になっていた。左右に華やかな衣の女官らが並ぶ。無上の笑みを浮かべる放ち髪の安徳帝に、私は髪に挿していた造花をとって献上した。紫の小さな造花で、それしか手元に無いのが残念だった。白い指が受け取った。 広間に戻ると、黒服のゲリラ朗読の人がいて、共に活動しないかと言う。お誘いは嬉しいが、活動内容がわからない。付いて行くと、黒いスーツ姿の熟年詩人が合流し、「あなたもあの人たちの朗読と同じか。それだったら自分には向かない」と心配げに聞く。彼も最近誘われて、訳がわからないまま参加していたのだった。 彼らとはぐれ、安徳天皇の指示が降りて、海際の修験の地に行く。黒スーツ詩人もついてくる。黒木の門で修験者が宿坊の割り当てをしている。運良く宿坊が取れた。 宿坊とは名ばかりで、海に面した岩棚に、人一人が手足を縮めて横になれる程度のスペースを、線で描いただけのものだった。既に、沢山の人が自分のスペースに横になっている。私が割り当てられたスペースは、岩棚の突端で、寝返りが打てる程度に広い。寝ていない時には海を見晴らせる。幸運を喜ぶ。黒スーツ詩人もスペースが取れたらしい。黒木の門の辺りで、人ごみに揉まれて何か叫んでいる。 吉夢すぎるほどの吉夢だった。 これほど自分に都合の良い夢は、そうそう見られるものではない。
by leea_blog
| 2009-10-20 23:58
|
Comments(2)
|
カレンダー
HOME
最新のコメント
最新のトラックバック
以前の記事
ライフログ
検索
ブログパーツ
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||