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日本人なら「みずら」でしょう/べっ甲の簪、螺鈿の櫛

怒濤の新年度。

ストレスがこうじて買い物に走っている。

買い物に出る時間も体力も無いので、もっぱらネットショッピングである。

明治時代の珍しい細工、本べっ甲、との触れ込みの簪を買った。

現代の作で、べっ甲ではなく「べっ甲風」だったとしても、お買い得な値段で競り落とせた。
仕事や温泉に行く時に使っている、黒にラインストーンのプラスチックの髪飾り、これだって半額セールで3500円だった。プラスチックですぜ?
金属にラインストーンをアンティーク風にちりばめた鶴のくちばし状の髪留め、これなんか海外免税店で半額でも一万円位した。
だいたい、スワロフスキーが一粒いくらか知ってますかい?

そんなこんなで、どう見ても量産品の品でさえ、私の感覚では「安くない」。

手作業で作られた代物、しかもうまくいけば本物の職人芸作品かも知れない物には、一万は安いと考えている。

届いた物を見れば、櫛と飾りが、ティアラのような具合になっており、素敵である。本物のべっ甲か否か、明治時代の作か否かは、私にはわからないが、手作業で作られた物である事は間違いが無かった。

みずらに結って、櫛をさしてみた。
鏡に「可愛い!」と言いたくなる程可愛かった。
私が、ではなく、「みずら」という古い伝統のある髪形が、である。

みずらと言っても、多種多様、様々なバリエーションがある。
古墳時代の男子に多い、髪を二つに分けてそれぞれを耳の前、あるいは後ろで、輪が縦になる形でまとめる結い方。これは、かなり髪が長くなくてはできない。

輪を一つだけにして、残りの髪先を垂らす結い方。
輪を一つだけにして残りは垂らさずに輪にした根元に巻き付ける結い方。

うむ。これは、やってみると現代人でもかなり似あう。

日本伝統の髪形という本を引っ張り出してきて、奈良時代風もやって見た。
現代人でもバリバリにいけます。
むしろ、推奨。
盛り髪よりも可愛い。

これに勾玉を連ねたネックレスがあれば、さらに良し。

ところで。
アンティークの髪飾りを探してわかったのだが、結構怖い。
アンティーク好きなので、「古いものには怨念が籠もっていそう」とか「気持ちが悪い」とか「祟りが有りそう」とかは思わない。むしろ、違う時代の人の暮らしを思い描き、違う時代にどんな思いで細工されたかなど、アンティークには現代物には無い深みがある。

にもかかわらず、画像をざっと見るだけで、「これはちょっと」とひるんでしまう物が結構有った。
素晴らしい細工、でも、無料でも辞退します。もしもらったら供養に回すしかない物、というのがやはり有るのだった。
by leea_blog | 2010-04-07 01:08 | Comments(0)
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