プロレタリアと娼婦と信仰と武士道

先日も書いたが、ワタクシが闘病中との事情は、意外と知られていない。

ウチはやんごとない家系でも何でもないが、
「尊厳にかかわる根本的な侮辱を受けた場合、
習慣にのっとって、相手を殺すか、抗議の死を選べ」と、
遺伝子レベルで刷り込まれている何かが猛烈に叫んでいる。

「殺害もせず自害もしないなら、お前は見下げはてた卑怯者だ」、と。

ところで、ウチの家系だが。
小学生の頃、親に
「ウチは平家?源氏?藤原氏か橘氏?」とたずねた。
日本人は遡れば源平藤橘のどれかが先祖だとものの本で読んだためだ。

大体、家系図が正真正銘か否かと言うと、昔の人は家系に箔を付けたがった為、
学者に依頼してそれらしい物をつくっちゃったのである。
「桓武天皇◎◎代の後胤で」などは
差し障りも有る為、
源平藤橘あたりに遡れば良しとしたようだ。

聞いておくれな、
親は何と答えたとお思いかぇ?
「ウチは平家なのよ」と言ってくれたか?

「ウチはプロテスタントだから家系は関係ないの!」
と、叩きつけるように言われてしまったのさ。
いや、プロテスタントは宗教だから、それじゃなくて、
プロスティチュート。
「ウチはプロスティチュートだから家系は関係ないの!」
世界最古の商売で有名な、アレですか。

違う違う。
プロ、プロ、プロがつくアレ、なんだっけ。
「立てバンコクの労働者」ってやつ。
タイの騒乱の話じゃなくて。
「万国の労働者」。

プロレタリアートだった。
歴史好き小学生のワタクシは、大変なカルチュアーショックを受けた。
ウチの両親は、
「労働者階級がカッコいい」という思想が流行った時代に青春を送った。
本当にプロレタリアとは何か、を理解していた訳ではなく、
完全に 【なんちゃってプロレタリアート】だった。

家事が嫌いな専業主婦の母が、
「働かざる者食うべからず」と子供に言っても、
小学生のワタクシですら
「じゃ、お母さんは食べちゃ駄目なのね」
と即座に突っ込みを入れられるではないか。

父にも聞いたが、
「プロレタリアだから」、と。
「平家の直系でね」とか
「由緒正しきイングランド王家の出」とか、
「先祖はアポロン神だ」とでも言うように、
実に誇らしげに言うのだった。

ワタクシにとって、
身近な「謎の思想」だった。
先祖が、中世の頃何をやっていたとか、
奈良時代には何をやっていたとか、
想像するとちょっと時間旅行をした気分にならないか?
親からみると、ワタクシの好奇心は、
過去の時代の啓蒙されていない時代遅れの考えに見えるらしかった。

「尊厳にかかわる根本的な侮辱を受けた場合、
習慣にのっとって、相手を殺すか、抗議の死を選べ」

これは、ほんの100年ほど昔なら、すべての日本人がそうだった訳ではないにしろ、
正しい行いと見なされていた。

現代だと、「心の病気」と見なされてしまう。

しかし、やはり納得がいかない。
桜の季節に花見に行きたくなるのと同程度の、
普段使わない脳の深部からの声なのだった。
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by leea_blog | 2010-04-22 01:51 | Comments(0)
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