そのようなわけで。
さきたま県の実家を、一人でこつこつと最終整理していた訳だが。 書物の間に挟まった貴重なメモ類のの多さに、感動した。 パソコンの無い時代、携帯も無い時代、 降ってくるインスピレーションは通勤電車の中であろうと職場の給湯室であろうと、 授業中であろうと、すぐさま書き留められた。 今で言うなら、 携帯で自分宛にメモして送信、といったところか? いや、実際は今もアナログメモだ。 紙がない時はレシートの裏に、ボールペンが無い時は、まゆ墨で。 深い奥底から突然地表を破って噴出するそれらは、 書き留めないと三分も持たずに消えてしまう。 言っておくが、それらは「思いつき」ではない。 これは、地下の鉱脈で、長期間掛けて朝昼晩と手間ひまかけて育てたシロモノなのだ。 私は、それらの鮮度を捉える。 昼間目覚めている脳でやる事は、「散文」だ。 散文も重要な仕事だ。 それはそうと、 そうしたメモ類は、書いた後再度見ないとやはり忘れる。 「うわぁ! すごい。こんな続きが有ったのか!!!!!」 と心中叫びながら部屋の整理をするから、進む訳が無かった。 エアコン無し、体力無しだから進まないだけではない。 これらがデジタルだったら。 MOに乱雑に入っているメモ類を、 一つ一つ見るか? いや、どちらかというと、見ないままMOが破損してしまう気がする。 アナログは、他人様から送られた小冊子、挟んである手紙に至るまで、 (業者にどっさり捨てられるのをまぬがれたものは)読み返す事が出来る。 ありがとう、アナログ。 便利さと引き換えに、デジタル文章は「読み返し」を促さない。 「まて。俺を捨てるのか。捨てる前に読み直せ。そして判断しろ」。 紙は、そう言ってくる。 デジタル文書は、そっけない。 誤クリック一つですべてが消える。 大体、デジタルは、ソフトの存在が消えて、二度と開けない作品も多いんだよ。 手間と金を惜しまずに、アナログを見直そう。 私はそれしか取り柄が無いのだし。 というわけで、【揺蘭】2010、入稿完全に終了。 九月初めにはでき上がる。 遅れに遅れて、申し訳ない。
by leea_blog
| 2010-08-16 23:22
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