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秘密の朝帰り/表と裏と真の顔

土曜の朝にこれを書いている。

「りーあさんが絶対起きていない時間帯」である。

盗みに入るなら早朝を狙え。
と、言われるほど、不眠症で、一度寝たら地震が来ても起きないワタクシのはず。

この時間帯に起きている理由は、「昨夜は寝てない」「完徹」しかない。

昨夜は都内某所で行われた、謎のプチオフ会に出かけたのだ。
裏の顔で。
オールナイト、朝帰り。

文学とは全く関係が無い。
全く無いかと言われると、そうでも無いのだが、取りあえずは、
文学関係者は皆無の場所だった。

注)文学はあらゆるものと関係している。メシを食べるのも、喧嘩をするのも、不倫をするのも、
バカ話するのも、行きたくない散歩に出かけるのも、すべて、「文学と関係ない」と線引きは出来ない。
文学から見れば「関係ない」ものなど皆無である。


大人になると、ほとんどの人は、
表と裏の顔、真の顔を使い分けなくてはならない。。。。。。
それは、大抵の場合、利害がどうのの為ではなく、要らぬ面倒を避けるためだ。

裏の顔で死の商人をしていたり、闇の仕置き人をしているというようなドラマティックな話ではない。

ところで、真の顔が、このブログを書いているワタクシである。
幻想詩がどうのこうのと言っているのが、余計な物を取り払った真の人格だ。
真とはいえ、ネット上に公開しているわけだから、
真の顔も「世間様」向けに、愛想の良い事を(これでも)書いているわけだ。
真の顔も、裏と表を使い分けているのだ。
大人とは面倒なものである。

表と裏と真は、人によってそれぞれだろう。
だが、一個の生身が受け持つ以上、互いに侵食しあわない訳には行かない。

生活費を得るための表の顔が、「文学よりも尊厳が大事」と詰めよって、
真の顔から文学を奪う、あるいは命をも提供させる事がある。

表と真が「確かに作品は来世でも書ける、尊厳は大事だ」と合意しているぎりぎりの時点で、
裏の顔が、「尊厳? うん?後でね」と外出して、
裏の知り合いが、歌と酒とフェティッシュなもてなしをさりげなく提供して下さったりする。

「尊厳の話をしている時に、それどころじゃないんだよ、この愚か者」と、
怒り心頭の表と真は、朝帰りの裏を絞め殺そうとするのだが、
裏が受けたもてなしと裏の知人らの善意に呆気にとられ、
「そ」と「ん」と「げ」と「ん」が解体して意味を成さなくなり、
一瞬空中に散ってしまうのだ。

ちなみに、裏の顔は鷹揚な女主人の人格である。
呆気にとられている表の顔に、まず言う。

「こら、表。そなたは国家の奴隷の最下層、奴隷上司に発言や人格までも捏造されてしまう立場、つまり、“お前には人格など無いんだよ”、と公僕に宣言されて“そうだったのか”とようやく気付く愚か者だ。わらわを罵る立場には無い。ごちゃごちゃ言う前に、骨董屋で本物の日本刀でも手に入れなさい」

今度は真の顔に向き直り、

「こら、真。そなたは領土の主を名乗りながらも、同時に物を書く手の奴隷であると宣言している。文学はそなたにとって神なのだろうが、所詮そなたは物語の魔の奴隷でしかない。おっと、口答えは許さぬぞ。偉そうな口をきく前に、わらわがどのような物を見聞きしたのか伏して拝聴せよ。この度の話は、献身についてだ」



不思議な物だ。

人によっては、裏が真や「表」を破滅させる事がある。
表が大事な人は、裏や真を殺しても「表」を守ろうとする。
表も裏も真も無い人も、無論居る。

三界火宅というが、火の粉を傘で防ぎつつ、
思わぬ所から
「ちょっとご免なさいよ、今日も大変な火焔の渦だね。
どこもかしこも炎の中なら、余計、
気晴らしのお誘いに参りましたよ」
と声が掛かって、言葉の意味を違う角度で考えさせてくれるのだ。
by leea_blog | 2010-08-28 10:15 | Comments(0)
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