うわっ、な、何をするんだ、き、君たち、や、やめなさい、自分が何をしているかわかっているのか!!! やめなさい、やめて下さい、お願いします、や、めて〜!!!!! と、叫びたくなるのだった。 何が起こったって? 心配していたらやっぱりだ。 シリアの件でございます。 YaHoo!ニュースをみたら、これでございますよ。 以下引用してみます。 ------------------------------------------ シリアの戦闘、歴史遺産にも被害 ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト 8月20日(月)13時45分配信 シリアの古都アレッポで戦闘が激化するなか、先ごろ中世から残る城塞が砲撃を受けた。少なくとも1発の弾が塔を貫通し、数百年前の扉を破壊し、石造りの通路に穴をあけたという。砲撃後、インターネットに投稿された動画には、門をくぐる歩兵たちの姿と、城塞の周辺をパトロールする装甲車の姿が映し出されている。 戦闘で攻撃を受けたシリアの歴史遺産は、アレッポの城塞だけではない。2011年に始まった戦闘は、2万人以上とも報じられる多くの犠牲者を出しているほか、ローマ帝国時代の史跡、ビザンチン教会、イスラム教徒の要塞、オスマン帝国時代のモスクや住居など、シリアの遺跡にも深刻な被害をもたらしている。 今も数多く残る建造物や遺物は、シリア5000年の文明を物語る。「人類文明の主要な時代のほぼすべてにシリアが登場する」とロドリゴ・マルティン(Rodrigo Martin)氏は話す。同氏は、武力衝突の勃発以来、シリアの遺跡が受けた損傷を調査しているヨーロッパとシリアの考古学者グループ「危機に瀕するシリアの考古学遺産(Syrian Archaeological Heritage Under Threat)」の広報担当者だ。 バビロニアもギリシャもペルシアもみな、アジアとヨーロッパの交易の要所であったこの地域の覇権を争った。シリアからは、アレクサンデル・セウェルスとピリップス・アラブスという2人のローマ皇帝も出ている。21世紀の考古学者にとっては、シリアはほぼどこを掘っても重要な遺物を発見できる場所だ。(後略) http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120820-00000000-natiogeo-int --------------------------------------------------------------- いやもうね、シリアだけではないんですが、本当にお願いします。 シリアから遠い国で見守るだけしかできない私が、頭をかきむしった所で、何も変わらない。 遺跡は未来への遺産だ。 大昔、NHKで「未来への遺産」と題する遺跡紹介番組をやっていた。 実に詩的なタイトルだ。内容も良かった。 遺跡は自国の財産であるだけではない。世界の人類の財産なのだ。 戦争は人の心を狂わせる。 「何が遺跡だ、バカヤロー。ぶっ殺すついでにぶっ壊してやる」なのか? 「まずい。遺跡を破壊するのは、取り返しがつかない」と思ってくれているのか? このまずさを例えるなら、乳児を抱いた丸腰の女性を殺すくらいに、まずい。 次は略奪だ。 以下、同じ所から引用してみよう。 ------------------------------------------------ 「略奪はこの先、さらに大きな問題を引き起こすだろう」とイギリス、ダラム大学の博士課程に在籍する考古学者エマ・カンリフ(Emma Cunliffe)氏は予想する。同氏は5月に公開された報告書の中で、シリア当局が予防策を講じていたにもかかわらず、ホムス、ハマー、アル・ラッカーの博物館で略奪が発生しており、他の場所もその危険があると指摘している。考古学的遺跡の警備が手薄になり、略奪者がやすやすと侵入できる状態になっている。「多くの物品がこのような形で盗まれ、二度と戻ってこない」。 現在もなお、シリアの博物館や遺跡から略奪された品々は国境を越えている。アラブ圏のテレビは4月、シリアとレバノンの国境で税関職員に止められた車両から、貨幣、彫刻、モザイク画、アンティークの宝石など、1000点を超える遺物が見つかったと報じた。 ------------------------------------------- 博物館の物は、遺跡と違って移動できる。 いっその事、まとめて国連に預けたらどうだ? 略奪された遺物は、大切にしてくれる人が買うのだろうから、まぁやむを得ないといえるかも知れない。 シリアには二度と戻ってこないかも知れないが、人類から失われる訳ではない。 当事者の皆様。破壊するくらいなら、遺跡ごと競売にかけて、軍資金を得てはどうだろうか? 大切にしてくれる人が買うだろう。 更にイギリス、ダラム大学の博士課程に在籍する考古学者エマ・カンリフ(Emma Cunliffe)氏の言葉を引用しよう。 ---------------------------------------------- 「そこに住む人々と、そこにある考古学遺産、どちらか一方にだけ目を向けるべきではない。人々がそうした場所を作るのだ。この結果はすべて人々に返ってくる」。 ----------------------------------------------- 全くである。
by leea_blog
| 2012-08-20 19:22
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Comments(2)
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RYOU
at 2012-08-21 23:55
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以前のタリバンによるバーミヤン石窟仏陀の像破壊、昔日のアンコールワット破壊もそうだが史学部出身の身にはイデオロギー対立など以前に「あなた方こそ滅んでいただきたい」、と。
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leea_blog at 2012-08-22 21:04
長い年月引き継がれて残ってきた、貴重な遺跡。タリバンの仏像破壊は酷かったですね。一時的に狂って居たのではなくて、理性的に破壊したのだから、酷い物です。
とてつもない傲慢さ以外の何物でも有りません。 破壊するぐらいならどこかの金持ちに売って〜、と真剣に思います。 RYOUさんは史学部ご出身でしたか。私は史学科中退です。そういえば以前そうしたお話もした記憶が甦ってきました。暑くて脳が煮えていて失礼しました。
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