独演!俳句ライブ19 その四 俳句ライブという試み


独演!俳句ライブ19の感想の続き。

休憩を挟み、後半となる。

四番手は、哀愁と滑稽の俳優、神山てんがい氏。
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「チカちゃん 新宿の夜」。

てんがい氏入魂の女装で登場。

長身に朱のロングドレス、金髪のウィッグが映えていた。

バーのオカマさんが俳句川柳を披露するという設定。

オカマさんの、「こういう所が嫌なんだよね〜」という部分がよく再現されていた。

どういう所が嫌かって、騒々しさ、なぜか攻撃的、自分の話を周りが聞いてくれて当然と思っているらしい話っぷり。権威ある者にはへいこらで、裏表が激しい(笑)そうした特徴をよくとらえた舞台でした。

オカマさんの騒々しさって、男性の攻撃性や自己顕示欲をそのまま女装と女性の口調でやっているだけだと思うんです。

勿論、そうではないオカマさんも沢山いるだろうけれど、オカマバーの女装男性にはそういう方が多いです。

「二丁目と一緒にされたくない」と言うチカちゃん。
こだわりが有るようです。

ところで、独演!俳句ライブの会場には、出演者の俳句が長半紙に毛筆書きされ、滝のように垂れ下がっています。

作者名が書いていないから、誰の句か想像しながら観戦するのも楽しみの一つです。


今回、一番印象に残ったのが、
「シナチクに囲まれナルト沈みけり」という、時事ネタ句。


うわっ、何て過激な。
こんな公表を憚られる句が、舞台の袖の目だつ部分に掛かっているのも、俳ラらしい。


えっ、ラーメンの事じゃないかって?
問い詰められたら「何いってるんですか、ラーメンの事ですよ」と言い逃れが出来る句です。


シナチクは、漢字で書くと支那竹ではなく支那畜。
ナルトは、クルクルパー振りを発揮している日本外交の事か、はたまた渦を捲きつつ沈んでゆく尖閣諸島か、島国日本そのものか。


誰の句かと思っていたら、てんがいさんの句だった。


「娼婦が屏風にシュールに情婦の絵を描いた」

口に乗せると語感が大変良い。言うまでも無く坊主が屏風に、の早口言葉のもじりです。

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五番手、最後が、俳ラの女王ギネマさんの「蝿の唄」。
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赤目蝿の妖精、という設定!

過去、新宿南口で詩集を売っている狂気の女性や、丑の刻参りなど、人々が「関わらない方がいい」と避けて通る対象を演じて来ました。


赤目蝿という、やはりうっとうしがられる存在を、赤い布に身を包み、細やかな両手両足を剥き出した扮装で演じきりました。


「ニュータウンに引っ越しても首吊り坂があり」

これも会場に垂れ下がっていた句ですが、これはキネマさん以外には作れないから、作者を推測する楽しみは無いですね。


新品感漂うニュータウンにローンで引っ越し、過去からおさらばして明るい未来が待っている、はずが、ここにも首吊り坂があった。どこまで行っても逃げられない土着的呪物、ぴかぴかの隣の絶望、一転した明日の自分。


「風鈴の中に咲きます兄妹心中」

はかなくて悲しくて毒のある作品。こういう句を見ると、俳句川柳は面白い表現だな、と痛感します。散文で延々と描く所を、一行で表現。


そんなギネマさんの「蝿の唄」ですが、殺虫剤を掛けられて何度も死にそうになる赤目蝿の妖精。


ぶりぶりぶりっという擬音。
「う○ち」かと思いきや、「死ぬ前に卵を産まなければ」とセリフ。

ぶりぶりぶりっと卵を産むのか!
その繁殖力、恐るべし、赤目蝿。
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蝿という憎々しい対象を、一見毒があるようで実は、可憐ではかなげに演じた舞台でした。
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by leea_blog | 2012-10-18 20:45 | Comments(0)
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