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独演!俳句ライブ22 「心中天界の花闇(しんじゅうてんかいのはなやみ)」全文

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「独演!俳句ライブ22」で演じた物を下記にアップ。


さらわれたい天人と、人さらいの物語。


俳句の合間に、言葉が入る。


天人は、男でもない、女でもない。天人だから。

人さらいは、ずっと歳上の女性かもしれず、

壮年の男性かもしれない。

どちらでも、可。




最初は、素還真人形を紹介し、

素還真に、天人と人さらいの物語をする。


物語が進むうちに、りーあなのか人さらいなのか、

素還真だか天人だかわからなくなって行く。




上の画像は、ラストシーン、心中を表す。

人形の手に注目。りーあの髪を撫でている。




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心中天界の花闇(しんじゅう てんかいのはなやみ)


      西野 りーあ


最果ての 海に行き着け 二人かな

おまえには 私しか無い 夜ひらく

私には おまえしか無い 朝痛む

竜宮の 刃の痛み みごもりぬ

天界に 孤独の人が 待つ夕暮れ

吸血の女領主に さらわれたし。

血塗れの 御身が耽る 愛の夢

悩乱の 惑乱の刻 誘惑者

「待っていた、でももう遅い」夢での約束。

「連れて行って。無理にさらって」。天の花。

「駄目、嫌」と、すがるをさらう、闇夜かな。

縛り上げ 鞄に詰める 無垢の愛。

泣き濡れる 天人いとし 縄の痕

天人と 五衰を待たず 場末の宿

「これは夢か」「そうだ」と答えるさんまを焼く

月が出る、異様だ大きい。玉子の黄身

夜深し 虹だ。おまえは鮮血。

逃げようか 帰れない場所まで 花霞

あかつきの空開く 追っ手の 光が満つ

死んだあの人が 来る まだ愛してる

何百年も経った。それがどうした?愛している

千年の王国 海が 割れて冬

怖がる事は 無いよ おまえが欲しいだけ

仙境に おまえが消える 冬の薔薇

さらわれた 子を探しゆく 精霊郷

髪一筋まで所有されたい 地下の牢

閉じ込めて。離さないで。埋めて。愛ならば。

潤む闇。「殺して あなたの ものにして」

いたましや。「違う。無上の愛だから。」 

鉄の鎖 重いほど 愛しみ込む 七重八重

地下牢深く 鎖で繋ぐ 花冠

私は何度も死んだ おまえは生きよ。

翳りある貴人と探す 黄泉路かな

生きなおそう、取り戻そう、愛おしすぎる

天の戦士が なだれ降りる 日没の雲  

此の世では 終わりきらずや 物語。

闇が降る。花も降るよね。抱きしめる。

天界の 花いざなって 共に臥す。

眠れ眠れ 花降り注ぎ 満つるまで。


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by leea_blog | 2015-11-25 23:31 | Comments(0)
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