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こがねのひつじが群れなしてやってくる

新年おめでとうございます。


ひつじの年の子(ね)の刻(こく)の、しんと押し静まった、いつもと変わらないと思おうとすれば思えるけど、やはり新しい年の、真新しい絹に触れるような感触があって、それは暮れから、ずっと静かに2002年と2003年の境を待っていたからのような気もする。


年末、赤塚の駅から細く伸びる商店街には、正月用のお飾り、大小の手で丸めた鏡もち、おせち料理用の食材が並んだ。鏡もちのぽってりした形は、かわいらしく、心を澄まして新年を迎えるようにうながされるようだった。あの形も厚みも、絶妙だ。


おおみそかに小さな鏡もちを一つ買った。それを眺めながら静かに過ごした。
塩を溶かした湯で身を清めた。果物を食べた。
そして、2003年になったので、あたらしい硝子杯に酒をそそぎ、「おめでとう」と言ってみた。計れない時間が、性別不明の姿をして家の扉を、叩くので。
by leea_blog | 2003-01-01 01:42 | Comments(0)
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