実は、誤送信が得意である。書きかけのメールを、保存して閉じるつもりが、送信ボタンを押してしまったりする。慌てて「誤送信のお詫び」を書くわけだ。 誤削除も稀に行う。誤削除は、大抵「間違って削除した」意識が無い為、厄介である。「こんにちは」「お元気?」「その後いかがですか」等の件名で、差し出し人が女性名だとほぼ確実に開封せずに削除される。当家は一日100通前後の迷惑メールが来るのだ。 昨今は出す方も賢くなって、迷惑メールと間違えられそうな件名は避けるようになった。が、迷惑メールは迷惑メールで、受信者がうっかり開けてしまうような件名を工夫している。まことに迷惑である。 最近、誤削除が判明した件が二件有った。 待ち合わせの用件だったから、返事が無いのではなく返事を誤削除したのだろう、と見当がついた。その後、注意して見ると、その人からのメールが自動的に「削除済みフォルダ」に入っているのがわかった。「迷惑メールフォルダ」ではなく、手動で削除した物が入る「削除済みフォルダ」の方である。何かに反応してそちらに振り分けられたのだろうが、コンピューターの考えている事は、わからない。 私「ちょっと。なぜ勝手に削除するの」 Mac「寂しかったんです」 私「怒るよ?」 Mac「毎日同じ事ばかりで疲れたのです」 私「ごめん」 それはともかく、そんなささいな行き違いが、重大な人間関係を壊す事もあるのだろうな、と思う。それで壊れる関係なら元々無かったも同然。人間関係なんて本来、アナログにどっぷり頼る性質のものである。訪問→手紙→電話→メール、と情報量が軽くなるにつれて、関係性も軽くなる。 何日もチャットをした揚げ句連絡が取れなくなって、相手の連絡先も本名もわからない、という話を聞くと、思わず二、三歩後ずさってしまう。親しくも何ともない人を親しいと思ってるだけではないか? 親しいどころか、知人ですらないのだ。 パソコンに向かってしみじみ思うのは、人間の脳がいかに広大な宇宙を抱えており、思い込みに満ちているか、という事だ。人間は「アナログの関係」という、手間がかかって時間を食ってとかく大変なものを通じて、本物の兎と偽の兎、海と湖と蜃気楼の違い、餌と水の場所を知るしかないのだ。
by leea_blog
| 2009-02-03 21:42
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Comments(2)
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ミチル
at 2009-02-04 14:47
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>それで壊れる関係なら元々無かったも同然。
同感です。 以前はそんなことにならないように、神経張りつめてましたけど...考えてみれば、こちらがいくら頑張ってみても、相手の誤削除や未到着かどうかまでは管理不能ですもんね(^-^;)。 それで終わるってことは、そんな程度の関係なんですよね。。。 その人がある日この世を去ってしまっても、HPもメルアドも存在を続けていたりするわけで...希薄だからこその妙な存在かもしれませんねぇ、ネットって世界は。
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leea_blog at 2009-02-05 21:05
>その人がある日この世を去ってしまっても、HPもメルアドも存在を続け
人の命は尽きるとも 不滅の力〜、という、マジンガーZの歌詞を思い出しました。ネットの情報は予告無く消えたり、死後も存在したり、アナログ界とは違う世界が広がっていますよね。 お仕事の事になると「誤削除」はまずいですが、友人関係も神経はりつめると、糸が切れてしまいますよね〜^^ 受け取り側の「虫の居所」もこちらでは管理不能だし(^。^; ネット関係は私は普段の三割り増しで良い方に考える習慣がついてます。
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