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へいけうたのあかりのこと/前段の575コンテストのこと

そのようなわけで、
眉間に縦じまを刻み、顔も洗っておらず風呂にも入っているのかどうか怪しい風情のワタクシは、走ってサムライにたどり着いた。

前半は、「575コンテスト」という催しで、575のリズムで時事ネタか自由題であらかじめ投稿された作品を、作者名を伏せて、お客さんと審査員と隠れ審査員が票を入れるものだ。

投稿された8作品が紙面に並ぶ。

ワタクシは詩人からの票とのことで、隠れ客席審査員として3票を与えられていた。

こめかみに手を当てつつ、紙面に走らせる眼が真剣になった。

色々な感想と様々な観点の味わい、別の視点、「理」を優先させた批評視点が、同時に立ち上がったのだった。

このような催しは、俳句や短歌の世界では、それほど珍しくないのかも知れない。
が、詩の界隈では、そういう機会はあまり無い。

詩は、極端な言い方をすると、自分一人だけでも成立する。
孤城で作品の深淵を捉えようとする。
ある程度独自の構築世界を持つ人は、生の合評会に対し、
「そういう場は卒業した」
と言う傾向が強いのだ。
「自分は打たれ弱い」とあらかじめ宣言する人も多い。

ワタクシは、独自の世界を構築した詩人ほど、
他者の「生の感想」、社交辞令抜き、を「買ってでも求める」のがよろしい、と思う。

加工前の、生の感想は、朝取りの果実・野菜のようなものだ。
口に甘い加工物ばかり受け入れていると、
知らない内に、感受性が鈍る。

「あの人の初期の作品は凄かった」。
本人の居ない所で嘆くあなたも、ワタクシも、
「あの人の初期の作品は凄かった」くち、
かも知れませんよ?

おっと、余談が長くなってしまった。

8作品を転記したいが、済まぬ、手指の関係で、後日。

できるだけ社交辞令が入る前の、生の自分の感想を捕まえておいた。

眼を何度も走らせて思ったのは、
「時事ネタの575」が、なかなか難しい、ということだ。
時事問題の読者投稿欄系としては優れているが、文学作品になるには、
時事キーワードが、思いの外足かせとなると感じた。

5番、6番、7番に絞り込んだ。

5番は、時間や空間にぱぁっと糸を掛け、闇の中からそれらを引き寄せて収斂してゆく。
心情的には一番好みだった。気持ちとしてはここに3点入れたい。

穢れた世泣き泣き石を 陸奥の地の 積むお爺来な 着なよだれかけ(回文)

だが、まて。6番の、
 高速はいつのまにやら時価となり

これは優れものだ。短い言葉ですっきり決めて、足元の天国と地獄を力まず提示。
高級レストラン、寿司屋の「時価」。
素人のお客さんは、時価物は避ける。
「大将、時価って、今いくら?」
聞いたら最後、時価に対するリアクションが難しいのだ。
時価を問うには、相場変動の予備知識がいるわけだ。
時価いくら。先物取引の危険な誘惑。
高速料金という、庶民の生活の水域で時価!変動相場制!
高速という時事キーワードは、一気に限定的な枷を離れて、
同時進行している様々な事件の匂いを映し出す。
価値観も、良心も、いつのまにやら時価ですぜ。
安くなったと飛びつく人々、だが、時価だから、一発逆転の底なし地獄もどこで口を開けるのかわからない。
安全と思われていた企業の株がいきなり紙くずに!
時価操作の水面下では、ごっそり儲ける人々も居る。
「自己責任」とすべてを個人のせいにしてしまう魔法のキーワードも、いつのまにかあなた個人の生活領土を、危険な時価性にスライドさせている。

上記二作品はそうした理由でそれぞれ捨てがたいのだが、

7番の、
ばかばっかああばかばっかばかばっか

こ、これは。。。。。。。

575で何か作れと言われた非・文学系の人がとっさに作る、
まつしまやああまつしまやまつしまやの系統!
実はこの日こられなかったが、来る予定だった知人(「私は文学の世界とは無縁」と言っていた)がいた。
深夜電話で、知人が「こんなのでもいいの?」と即興で作って見せたのがこの系統。
「うん、こんな感じでもオーケーだし」と、私が作って彼女に聞かせたのも、
この系統。

「えぇぇぇ。やっぱりこういうの作る人が居た! これ、やっちゃうのかよ。」
が、全部平仮名にし、文字間を開けずに表現し、回文としても提示した事で、
さらに下から読んだ時の突き抜けたおかしみを加え、堂に入ったインパクト。
しかも時事。
時事を越えて、ぐいっと提示する骨太のなにか。
バカの危険を敢えて犯して、ひょうひょうと、
「生き抜け!いつの時代も苦難は果て無し!」と駆け抜ける奔馬。
おお。走り抜けて行くよ、たてがみを振り乱したなにか。

これはサムライのマスター、宮崎二健氏の作品だが、最初、ワタクシは二健氏の作品だとは気がつかなかった。二健氏の作品と知って、内心、驚いた。これに3点を入れると、マスターにゴマをすっていると思われかねない。
が、ゴマすってると思われる危険を承知で、これに3点を入れた。

他の作品を、大きく引き離したのは、
「こんなん文学じゃないだろ」と言われようが何だろうが、下馬評を無視して走り抜ける力が。もはや視点が違う。やられたぜ。

後半に続く
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by leea_blog | 2010-05-31 00:20 | Comments(0)

へいけうたのあかりのこと/八島と壇ノ浦/感想予告

うぅぅ、昨日ははじけ過ぎたかもしれない。

うん、まぁ、昨日は顔も洗わずともかく駆けつけた。

日常の雑事で疲労困憊、
先々日は知人に
「本当に体調悪いんだな、と顔見て思った」と
指摘されたのと同じ顔つきで、イベントに出かけるのはいかがか。

辰巳泰子氏のイベントには敬意があるので、
見る人を不快にするような顔つきは、化粧でもして誤魔化したい。
原因は、自宅のメールに放り込まれた、《腐乱した猫の死体みたい》な郵便物。
腐った臭いが、部屋まで届くぜ。

バッグに化粧道具を放り込んだけれど、
結局、すっぴんのまま帰宅した。


涙ぐんだ。
感想が新鮮なウチに、メモをした。

感想は、「理」が働いて調整する前の、
鮮度が重要だ。

しばし待て。

諸方面の皆様、メールのお返事が後になっておりますが、
手が痺れてキーボードを上手く打てず。
「感想」アップしてから書きまするゆえ、
どうぞしばしのお待ちを。
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by leea_blog | 2010-05-30 19:56 | Comments(0)

5/29日 へいけうたのあかりの事

平家物語の、辰巳本、
義理ではなくて本気でオススメできるイベントです。

   ↓

http://www.geocities.jp/tatumilive/index.html

世の中義理やおつきあいが沢山ある。
本気でオススメできるものがあるのは、嬉しい事だ。

土曜の夕方、4時。
開演の頃合いも、丁度よい。

お誘い合わせの上、お立ちよりを。

ワタクシも出かける予定です。
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by leea_blog | 2010-05-28 13:55 | Comments(0)

出会い喫茶・出会いカフェの謎。。。。。。フツーと真贋、自分探し・・・・・

高級コールガール・市長辞任事件を調べた時に、
関連記事で《出会いカフェ》なるものを知った。

職場の場所柄、世界に名高い「歌舞伎町」をしばしば通る。
風俗産業?   ワタクシは女性だから関心無いし。。。。とばかりは言っていられない。

老舗のタイレストランに入るにも、
風俗店の看板を幾つもやり過ごさねばならないのだ。


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「出会いカフェの中は 「人間水族館」だった
出会いカフェって何だ 」
         ↓

http://news.livedoor.com/article/detail/3147067/

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本文引用
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出会いカフェに実際に行ってみると、「ギャル」風は少なく、客のほとんどは、「フツー」に見える女性だった。来店の理由の多くは「暇つぶし」プラス「お小遣い稼ぎ」というのだが、それだけではないような雰囲気も漂ったりして・・・。
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衝撃的なのは、出会いカフェの実態ではなかった。
「フツー」に見える女性、という昔ながらの「まちがひ」にびっくりした。

フツーって何?

大体、客の男性も、「フツー」に見える人がほとんどと推測される。

「見るからにヤの付く業界」、「見るからに仕事帰りのホスト」、「見るからにドラッグクイーン」は、
わずかだろう。
フツーに見える男性が人口のほとんどであるのと同じく、
女性もフツーに見えるひとが人口のほとんどである。

芸能界、水商売を除く。
それらはキャラクターや夢を売るお仕事だから、フツーにしかみえない人は少数派だろう(推測)。

文句を言いたいのではなく、「ギャル」風はフツーじゃないのだろうか、等々、
日ごろうんざりしている「思い込み」をガンガン提示された事で、
考えてしまったのだ。。。。。。。

化粧っ気の薄い、地味な格好してれば「真面目そう」に見えて、
黒髪でカーディガンを羽織っていると「お嬢様」風に見える。。。。。。。

昔ながらの、「先入観」の展覧会のようである。

文学美術の呪いに掛けられているワタクシは、
まぁ、確かに、人々の先入観を逆手にとってキーワードとなすことに慣れている。
先入観や、象徴の重要さは分かっている。

けどさ、時事ネタの場合は、「いつまでも虚像の象徴から離れられない人々」には、
軽い驚きを感じる。いつも、だ。

異常な事件を起こすのは、高確率で
一見「普通の人」だし、
浮気する妻帯者は高確率で
「一見普通の人」だ。
闇金で借りまくって自己破産するのも一見普通の人だし、
業務上横領・公文書偽造するのも、一見普通の人。

それが、現実だ。
一見、「ヤバそうな人」は、意外と地味な生活を送って終わる。

世間の人々は、わかりやすさを求めているのだ。
「どう見ても犯罪者」「どう見ても痴漢」「どう見ても悪代官」「どう見ても不正役人」、
「どうみてもエグゼクティヴ」「どう見ても文豪」。

そうした、先入観は、象徴を求める。
目印が欲しいのだ。

狂人なら笹を持っていて欲しいし、女官なら十二単を着て欲しいし、
武士なら大小を差して欲しいし、官軍なら錦の御旗を風になびかせてもらえばすぐ分かる。

あのさ。
身分で服装が異なった時代は、急速に去りつつある。
破れたジーンズにTシャツ男が、天文学ですか、という丸の数の金を動かす。
ブランド物で固めた人が、サラリーマン家庭のニートだったりする。

真の見る目が必要な時代は、私が子供の頃から始まっている。
真の見る目は、他人に対して、世の中に対して放射される必要があるだけではない。
自分自身に対しても、容赦なく要求される。

自分探しが流行ったが、自分探しには、真贋を見極める姿勢が必要だとは説かれなかった。

一方「人間だもの」という毛筆キャッチコピーもはやった。
ワタクシが詩人と知ると、世間様は「相田みつを」が好きだ、と言ったものだ。
頑張って共感を示そうとしてくれているのは痛いほど分かるが、トホホである。
話を合わせてくれようとしている相手に、「それはブンガクではないですね」とは言えない。
「ああ、あれいいですよね」と虚偽の相づちを打つ事もできない。
戸惑いの沈黙が、重く立ちこめてしまう。

そう、人間だから、いいじゃない?と、一方では皆言いたいのだろう。
真贋なんかわかるわけないじゃん、人間だもの。

黙ってしまうと相手を傷つけてしまうので、
自作の一部を提示する。

以下。


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なびきわたる 草原に
    血の色の 愛がある

  あなたを嫌いなわけじゃない
    月のひとみを恐れるのなら
       おうちへ お帰り
          ただ それだけだ 

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そう。ただ、それだけだ。
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by leea_blog | 2010-05-25 23:26 | Comments(0)

殺された自分が、毎夜報復を迫りに訪れる話

文学的な比喩だが。

よごと、数年前に殺されたワタクシが、ワタクシを訪れるのである。

そして、加害者への報復は義務である、と詰め寄り、
世の為人の為である、と、根拠を延々と、映像付きで展開するのだ。

睡眠誘導剤をコニャックのストレートで咽喉に流し込み、
眠るのは良いとして、眠っている間は、理性や社会性も眠っている。

昼間押さえ込んだ、理不尽への怒りが、理性の眠っている時間に地上に噴出する。
眠っているから、制御は不能なのだ。

昼ごろほうほうの体で起きだすわけだが、寝ている間に歯を食いしばりすぎて、
首と顎が鉄筋化している。

まずい。鏡で見ると、何本もの歯に、縦のひびが入っているではないか。

歯を食いしばりすぎて歯が破損したら、インプラントにしなくてはならないが、
一本の施術が、たしか、五十万以上九十万未満だった。

殺された人格は、裸足で、髪を解き放ち、長いネグリジェを着ている。
彼女がいうのが正しいのは、百も承知だ。

だが、「人を殺してはいけない」という幼児期からの擦り込みが、
鋼の爪のように身体に食い込むのだ。

いつの日か、死んだ彼女を納得させて、もしかしたら生き返す事が出来るのかも知れない。

最近のお気に入りの妄想は、法廷で「殺害動機」を聞かれ、
憑き物が落ちた晴れ晴れとした顔で、動機を語るシーンだ。

被害者が加害者と転じる、シーン。

傍聴席で被害者の遺族が「死ね、きちがい」と悔し涙に駆られて叫ぶ。
その声を聞きながら、
「そうだ、彼らは私の言いたかった事を代わりに叫んでくれている。
私は理性の為に、それらの言葉を押し殺し続けた。
私の代わりに、もっと泣き叫び、髪をかきむしり、殺してやる、ウジ虫野郎、と罵るがいい。
何と爽快な事だろう」
と、高く澄んだ空を仰ぐような眼で、聞いている自分だ。

殺された自分は、今夜もやって来る。
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by leea_blog | 2010-05-22 01:10 | Comments(0)

【吸血ヤマビル生息拡大】、の話。四面楚歌の体験

うぅぅぅ、睡眠誘導剤がちっとも効かぬ。

ニュースで、よく「殺害事件の被害者から睡眠誘導剤が検出された」、と報道しているが、
素人の皆さんは、酒にソレを混ぜられただけで、昏睡してしまうんですか?
コニャックのストレートと一緒に流し込んでも、まるで効かないワタクシはどうしたらいいのか?

眠れないよ、と、ニュース関連を徘徊していたら、以下の記事を見つけた。
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5月20日10時43分配信 読売新聞
吸血ヤマビル生息拡大、観光客の被害相次ぐ

 ヤマビルに吸血される被害が観光客に相次ぎ、自治体や観光業者が頭を悩ませている。

 群馬県中之条町の四万温泉地区では、新たなヤマビル駆除策を採用する方針で、夏の行楽シーズンを前に、効果に期待を込めている。

 県自然環境課などによると、ヤマビルは湿り気のある場所に生息し、4〜11月が主な活動期間。気温18〜25度で雨や雨上がりに活発になる。人には、靴をたどるなどしてズボンの透き間に入り込み吸血する。気づくと、衣服が血に染まり驚くことが多々あるという。

 県が2009年に行ったアンケート調査では、「被害報告あり」と回答した沼田、富岡、安中、中之条、みなかみの5市町のうち、過去10年間でみた生息状況は、4市町で「拡大」と回答した。指標となるデータは特にないが、安中市では、碓氷峠付近の集落で頻繁に確認され始め、富岡市では、宿主のイノシシやシカなどの有害鳥獣が山のふもとにまで移動していることから拡大と推測しているという。

 中之条町の四万温泉では、約30年前からヤマビル被害が問題視されてきた。町によると、観光客が被害を受けるケースは把握分だけで年間30件前後だ。

 四万温泉協会では、これまでもヤマビル駆除に知恵を絞ってきた。塩が有用だが、1匹1匹に直接まぶす必要があり、広範囲での対処には効率的でない。炭が効くと知ると、遊歩道に散布してみたが、「ヒルが炭の上をはっていた」と、効果は確認できなかった。

 こうした中、町は、酸性に弱いというヤマビルの性質を突いて今年から酢酸や塩化カリウムを用いた新たな駆除策を採用する方針だ。

 散布物の分離を防ぐ安定剤を遊歩道にまき、その上に薬品を散布して駆除する。安全性を確認すれば、今月中にも実用化し、夏の行楽シーズンを迎えたい考えだ。

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ああ、四万温泉。
積善館に湯治滞在しましたわいなぅ。
あれは凄かった。

>観光客が被害を受けるケースは把握分だけで年間30件前後だ。

事実では無いだろうな。
客足減を心配して、恐ろしく低めの把握数にしているはずだ。

四万温泉は周囲に観光名所というほどの物もないため、滞在客は滝でも見ようか、とか、散歩でもしようか、と山道に分け入る。大抵が、ヒルなど見た事も無い人たちで、事前にヒル情報を得ておらず、シャツを血だらけにして帰ってきて、大騒ぎをする。

温泉地なだけに、温泉に入ろうにも、背中の穴が塞がらず、血が流れていて、ホラー映画の如き光景になるのだ。

ワタクシも、四万温泉でヒルに血液を提供しました。
ニコチンとアルコールと、医者から処方された薬物が大量に混ざった血液で、死んだヒルも居るかも知れませぬなぁ。

腹が立った事は、地元の人は観光関係者・旅館関係者も含めて、ヒル被害を知っていたのに、客に情報提供をまったくしていなかった事だ。
一言事前に教えてくれれば、被害に遭っても、ショックは軽かったはず。

まるで、民話のワンシーンのような体験だった為、以下に記す。

さて、当時ワタクシは、暇を持て余して、裏山の滝を見ようと、旅館に置いて有った観光地図を見ながら、山道に入って行きましたのさ。山道と言っても、獣道ではなく、コンクリートの柵もある、【遊歩道】でござんした。

道の途中で、車を洗っていた作業衣のおじさんが「どこに行くのか」聞いてきました。
地図を示して、滝に行くのだと申し上げますと、その格好じゃむりだ、とのご指摘。

ローズピンクの、ロングのフレアワンピースこそ着ておりましたが、裾を撒くって、【ウォーキングシューズ】を履いているから大丈夫だ、と示しました。

「こういうのがいるよ」と、言葉少なにおじさんが示す先には、ミミズ状の生き物が。
「ミミズですか?」「ヒルだよ」

ぅおおおおお。これがあの有名な、ヒル。
はじめて見るワタクシは、熱心に凝視しました。

おじさんは頑丈そうなゴム長で、ヒルをにじり潰そうとしましたが、ミミズと異なり、ヒルはにじられた位では死にませんでした。

「どうしてもいくのか。なら、これを持っていきなさい」
おじさんが手渡してくれたビニール袋。塩が入っておりました。
おじさんは自分のゴム長に塩を擦り込み、私にも同様にするよう言いました。
靴に塩を塗り込むと、ヒルが登ってこないというのです。

ECCOのワインレッドのウォーキングシューズは、レザー製、塩を擦り込むと革が痛むなぁ、と思いつつ、同様にしました。

おじさんは山の巡回視察員でした。
途中まで車で乗せて行ってくれ、道の分かれる橋のあたりで降ろしてくれました。

塩を片手に、朽ち葉を踏んで、いざ、森林浴。。。。。。

私はまだ山の恐怖を甘く見ていたのでした。

持参した紅茶を飲もうと立ち止まった時!
靴をはい登るヒルに気がつきました。
塩を塗っても、ヒルだけにひるみません。
ソックスとスパッツの間から何匹か入り込んで、しっかり吸血中では有りませんか。
取ろうとすると、ゴムのようにびよんと伸びて、取れません。
満腹したヒルは自分からコロリと離れるのですが、血を吸われた跡は、思いの他大きく、深く、血がだらだらと流れ続けます。

靴に追加の塩を塗る為、屈みこんだ私の目に飛び込んだのは!!!!!

八方から私に進軍中の、おびただしいヒルの群れでした!!!!!
立ちすくむ間に、想像以上の早さで、包囲の輪を縮めてきます!!!!!

貴重な塩を撒きながらの、対ヒル戦、山中の死闘が始まりました。

こちらを撃退すれば、あちらから足をはい登られ、引きはがしたり煙草の火を押し付ける間に、別の足をはい登られ。後から後から、ぞくぞくと押し寄せてくるのでございます。強敵です。踏みにじっても、相手はゴム製ですから、潰れません。

塩の袋をくれたおじさんは、実は「山の神様」だったに違いない。

ようやく、おじさんが降ろしてくれた橋まで戻ると、体中の力が抜ける心地がしましたのさ。

あちこち噛まれた丸い傷跡から流血しながら、黄泉の国から戻ったイザナギのように身を濯ぎました。

宿泊客の大半は、ヒルも知らなければ塩も持参しておらず。気がついた時はシャツの内側まで凄い被害になった人が沢山おりました。ヒルに血を吸われても死にはしませんし、昔は肩凝りの治療に使った位無害です。
が、気がついたら背中にヒルがビッシリ!という精神的ショックは、トラウマ級でござんすよ。

本当にお客の信頼を得たいなら、言いにくい情報ほど出して欲しい物です。
口コミとリピーターが無ければ、その場限りの商売になってしまいましょう。
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by leea_blog | 2010-05-21 01:28 | Comments(0)

『壇ノ浦夜合戦記』の事/江戸時代の二次創作のことなど

辰巳泰子氏の『へいけうたのあかり』壇ノ浦篇も近い事だし。。。。。。

と、やはり触れておこう、本題には全然関係ないが、
『壇ノ浦夜合戦記』。

陽の有る内の戦は終わった。
夜の合戦がこれから始まる、というお話だ。

現代では『二次創作物』、つまり既製の物語の熱烈なファンが、
噴き上げる愛情の使い方を思いきり偏らせて、
本編では語られなかったストーリーを勝手に作成した代物、が流行っている。

それらの大半は、H系である。

昔の人も、大いにその手の事を喜んだ。
壇ノ浦で平家が滅んだ。いやちょっとそれで終わらせていいのか?
良くない!
ということで、例を挙げれば竹田出雲の『義経千本桜』。

いやもう、凄いんです。
そのぶっ飛び方といったら、ゆりうたでも過去言及しているが、
死んだと思われていた知盛や安徳帝や維盛や教経が、
実は身をやつしてお家再興の機会を狙っていたりするんです。

そこまで砕けなくとも、謡曲も、二次創作の範疇に入るだろう。
『創作』ではなく、歴史上の人物を語り直すのだ、って?
歴史と言っても、「物語」の一つだ。

史実と仮説と定説と、「と、推定される」、「と、考えるのが妥当」の話の堆積なのだ。

大体さ、卑弥呼が魏志倭人伝の創作だったらどうすんの?
役人が取りあえずやっつけ仕事に資料の辻褄合わせしたのだったら?

遺跡発掘の「神の手」事件を思い出すまでも無い。

おっと、話がずれた。

そのような訳で、二次創作は昔から愛された。

H系の二次創作作品は、現代限定の事ではないのである。

話を戻すと、『壇ノ浦夜合戦記』という江戸時代のHな二次創作物が有る。

壇ノ浦の合戦で、一門の人々は海に身を投じた。
安徳天皇の母、平清盛の娘、建礼門院、平徳子というお人がいて。
この人も海に身を投じたのだが、源氏の船に引き上げられた。

源氏の大将軍、源義経という、有名な男がおり、夜になると捕虜の建礼門院に関係を迫る、という、
実にありがちなお話だ。

期待して読むほどの物ではない。。。。。
設定やシチュエーションに無理がありすぎて、萌えない。

ケチをつけるだけではつまらないので、良いところを書こう。

江戸時代の『二次創作物』を、現代人が更に創作して『三次創作物』と化している本が家に眠っている。
昔、古本屋で買ったのだ。

原文の次に現代語訳が掲載され、上手いとは言いがたいH な挿し絵がふんだんに盛り込まれている。

実家から引き上げた本の中にこれを見つけ、再読してみた。
「壇の浦夜合戦記」 林春海訳(多分)。

現代語訳をざっと読んでいる内、ワタクシは
「ちょっと待て! そういう話では無かったはずだ!」と叫んだ。

もっと、「無理、無理、無理。んな訳無いでしょ」な設定だったはず。

慌てて、原文を読んで見れば。原文にはそんなこと全然書いてないようなストーリーが、
【現代語訳】として、涼しい顔で長々と語られているのだった!!!!!!

現代語訳部分だけ読めば、立派な「三次創作」だったのだ!!!

訳したふりして、しっかり新たな創作をしてしまっているのである。
コミケで売っている同人誌かぃ!

良かった点がある。原文の、「無理な設定」を、頑張って「ありそうな設定」に直している事だ。
そして、平家物語への、「愛」があった!

さて、『壇ノ浦夜合戦記』の無理な所は、まずは、高貴な虜囚、建礼門院の心の内であろう。
一門を滅ぼされて、海に身を投じたのに引き上げられて虜囚の身、わが子安徳帝も海の藻屑となった夜に、酒を飲んだからといって敵将で思いきり身分の低い、義経と楽しくやれますかいな。

そう、強姦に及んだのではなく、合意の上のHという話なのだ。
無理だろ。
気が触れた所をショック療法のつもりで強姦してしまったとか、そういう話ならまだしも。
おまけに、建礼門院の侍女達も、義経の部下たちとよろしくやっているから、余計無理。

さて、現代語訳の方は。
入水した平知盛(平家の実質的な総大将である)の妻が、建礼門院に囁くのである。
我が一門は皆泳ぎ達者、だれが東の山猿どもの手にかかりましょうぞ、と!!!!!

平宗盛父子(平家の名前だけ総大将。足は引っ張っても役に立たない)が入水後もしばらく泳いだあと囚われたのも、敵の眼を引きつける為だったというのだ!!!!

そして。安徳帝その他一門の公達は、源氏方に偽装した味方の船で落ち延びて、生きている、というのだった!!!!

そして、このさいは、いかなる恥を晒そうとまず生き延びなければならない、お家再興の為、と、建礼門院を励ますのでありました!!!!!

マジですか〜。
林春海さん、平家の皆さんに生きていて欲しかったんですね?????
といいますか、これ、「現代語訳」と言いながら、訳じゃないじゃん。
全然別の話を作って、「訳しました〜」と言っている訳ですよね。
なんといういい加減な! いい加減というより、「嘘八百」ではないか〜。
こんな大胆な事が許されるのか。。。。。。。

うむ。しかし、これなら、建礼門院が義経との合意の××を致すのも、まぁ、有りそうである。

ワタクシとしては、その後の平家一門の話が読みたい。
「義経千本桜」とはまた違った展開を、林春海氏に期待する。
「平家一門の逆襲」とか、「復活の平家」とか、「無敵超貴族/平家ファイブ」とか、馬鹿馬鹿しくも愛に溢れた作品が出来そうだ。

敵の、悪の組織が鎌倉幕府で(笑)
頼朝が、死ね死ね団のテーマまがいの音楽をバックに登場する、とか。
危機に陥った安徳天皇が草薙の剣をかざして歌うと、海の底からモスラみたいなのが助けに現れる、とか。
いいなぁ。ロン毛の幼帝、安徳さまの祈りに答えてやってくる怪物。映像的にも素晴らしい。



さらに、ところで!
ポルノ映画にも、確か、むか〜し、『壇ノ浦夜合戦記』というのが有った。
見に行ったのかどうか、憶えていない。
がっかりした記憶があるから、何かできっと見たのだろう。
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by leea_blog | 2010-05-18 22:54 | Comments(0)

地デジ化反対/と、いうまに、。。。。。

地デジ化が進んでいるらしい。

当家のテレビは、不調も無いし、地デジ対応テレビに買い変える気無いもんね〜、と、
日々を過ごしているわけですが。。。

いきなり、ケーブルテレビ会社さんから、
佐川急便で「地デジチューナー」が送り付けられて来ました!!!!

で、箱には「お電話下さい」と電話番号が書いてあるんです。

四月にアナログ放送打ち切りのはずだったのに、
なんやかやと遅れて、六月から全面デジタルになるそうなんですが、、、

誰もチューナー欲しいとは言ってませんのに、
かなり強引でございますなぁ。

うん、サービスのつもりだろうけれど。

宅配便の箱を眺めながら、
「どうしてもテレビが必要な時代は終わっているのでは。。。。」と、
痛切に思ってしまうのです。

気分転換には良いかも知れないけれど、
情報蒐集やエンターテイメントなら、インターネットがあるし。


天気予報や災害・時事問題は、テレビよりネットの方が早いし。
海外事情も翻訳ソフトで見られるし。。。。
それに比べて、テレビのニュース類の胡散臭い事。

唯一のメリット。
ケーブルテレビに加入していると、
「自分の興味が向かないモノへの、窓が確保されている事」だ。
それの為に、今まで一カ月四千円も払ってきたのだった。

自分の興味だけを追うのは、たやすい。
しかし。
自分の興味が向かない所から、
様々な刺戟が放射される、という窓口は、必要だ。

興味が向かなかったもの=見落としていた良いものへの、通路なのである。

うーん、地デジチューナーを、どうしたものか。。。。。

その前に、揺蘭編集。
そちらが先である。。。。。。
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by leea_blog | 2010-05-17 00:32 | Comments(0)

命は地球より重いか?/子供と偽善/王様は裸だその2

ワタクシが小学生低学年の頃は。
今もそうなのかも知れないが、
先生達は、
「人一人の命は、地球と同じくらい重い」と教えたがったものだ。
もっと過激に、
「人一人の命は、地球 “よりも“重い」と言う先生もいた。

子供は正直だから、
「理論的に無理」、「物理的に無理」、すなわち、
「嘘ばっかり」と閉口したものだ。

大人になれば、
「人一人の命は、地球と同じくらい重い、、、、と信じたいですね」とか、
「、、、、、だったらいいですね」とか、
「自分が死んだら世界を認識する自分は居なくなるから、地球も自分と共に消滅する」とか、
「自分と、自分の親しい人たちの命は重いが、それ以外はまぁ、うん、言わなくても分かるだろう?」とか、
【言葉の余白】の部分を補って聞く事が出来る。

先生達の言いたかった事は、まぁ、わからないでもない。
が、子供は現実的で残酷で単純で正直だ。

「ああ、こんな嘘にも、“先生の言う通りだ”、と言えば、良い点をもらえるんだな。
でも、事実と違う事を言って点取っても仕方ないでしょ?
◎◎ちゃんったら、感動したような演技して、中々世渡りが上手いな。
あとで良い子ぶるなよ、と言ってやらなくちゃ」

なんぞと思いながら聞いていたのであった。

「職業に貴賎は無い」とも同時期に強調された教育だった。

これも、子供的には
「現実と違う」で終わった。

現実はこれこれである、だが、理想はこれこれだ、あなた方はどう考え、どう解決して行くか?

そうした道順が思いきり省略されて、理想部分だけを「断言形」で語られると、
子供時代のワタクシは「思想の強制」に感じられて苦痛だった。
だって、現実はそうじゃないじゃん? 日本は戦争してないけど、他の国では人が沢山死んでるし。
地球と同じくらい重かったら、地球が何億有っても足りないよね?

私はけして、非人道的な差別的な子供だったわけではない。
子供の世界は、腕力が強かったり、気が強かったり、一芸に秀でていたり、多芸多才だったりする子供が、意思表示が苦手な子供や、泣き寝入り体質の子供より、上の階級に居たりする。
派閥があったり、我が道を行く無派閥の子供がいたり、派閥を転々とする子供がいたり、パシリをさせられる子供が居たり。
まぁ、理想や理屈抜きに、ワイルドな日々を生きているのが子供なのだ。
一言で言うと、「子供は残酷」。

今でも、やはり思うのだ。
「理想」を「事実」であるかのように断言形で語るのは、よろしくない。
事実を把握する能力を先に育成しないと、バカな大人になってしまう。

自分自身で考える力を養うことの重要さ。
色々な考え、色々な正義があり、色々な価値観がある事を知れば、世界は地球よりも広くなる。

そして、文句や愚痴は、大人になれば日常茶飯事となるのだから、
文句や愚痴を、「では、どうしたらいいのか?」に繋げる回路を養うことの重要さ。

それらに必要なものは、
先生に褒めてもらう事ではなく、
「王様は裸じゃん?」と取りあえずは認める作業から始まると、昔も今も思っているのだった。

うむ。ワタクシは「嫌な子供」だった事だろうなぁ。
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by leea_blog | 2010-05-14 22:28 | Comments(0)

夢の対価/出会いサイトのサクラの事/人の世の不思議

誰もが日々腹を立てているであろう、迷惑メール。

メールソフトに触れない日が二、三日有ろうものなら、
開けた時が大変、迷惑メールの山、である。

コレは、怪しいサイトにアクセスした事が無くても、
誰にでも来る。
女性のワタクシにも、お金持ちの人妻や、
欲求不満のおばさんを名乗る架空の人たちからメールが殺到する。

勿論、開封せずに「件名」だけで削除、である。

女性と性的関係を持てて、さらにお金がもらえる、、、、、、
ンな訳ないだろう。

まぁ、ホストクラブというものも有るが、
それなりの感情労働が要求されるのだ。

「こんなのに引っかかる男性、つまり、
俺もまんざらではないな、とうっかり思っちゃう男性」なんて今どき居るのか?????

ネットをやっているという事は、
「出会い系サイトのサクラの体験談」も高確率で見ているはず。
大昔と違って、詐欺被害の情報もたやすく手に入るのに?

いや。。。。。。。。。
それが、結構居るらしいのである。

その根拠は、出会い系サイト(対応はサクラ)が、よく摘発されており、
売り上げも記事に盛り込まれているのだ。

サクラ体験記で、あまりに面白いサイトがあったので、
以下に紹介しよう。
例によってコピペして飛んでね。

http://www.geocities.jp/boss_bee2004/ism/menu2.html

サクラは、女性より男性が向いていると言われる。
理由は、「男の願望・弱み」は男の方が詳しいからだ。

ワタクシは生活費を稼ぐお仕事場所が繁華街にあり、
繁華街ではティッシュを配っているバイトさんが沢山居る。
配るティッシュには、以下の文句が。

「パソコンの入力。
誰にでもできる簡単なお仕事です
問い合わせ先電話番号」

事務のパート募集と思うか?
否。ほとんどは出会い系のサクラ募集である。

知人の知人が、事務と思って応募したとの事。
そして、わずかな間だが、サクラをやったとの事。
上に紹介したサイトの体験記のように、
色々な人物の設定を憶えて演技をしなくてはならないので、
憶えられずにすぐ辞めたとの事。

上記サイトで、感心した記事は。

【客Aと億万長者】だった。

日ごろ「これに引っかかる男性って居るのか?」と嘲笑していた迷惑メールの件名、
その手のものに引っかかったお客と、サクラの攻防戦だったのだ。

ワタクシは言おう。
「鉛筆一本で世界を変えろ」というCMの、アレの方が前向きで良いよ。
「CM見たのも何かのご縁」とさわやかに迫ってくる姿勢も良い。
金持ちの女性とHしてお金をもらえる確率より、宝くじに当たる確率の方が高い。

それは置いといて。

サクラは、一斉送信メールだけではなく、客に個別に対応しているのだった。
相手に返信を続けさせる為に、愛想の良い演技のメールを考えてくれるのだ。
これなら、夢を買ったと思えばいいじゃん?
一通150円で、自分向けに気のある振りをしたメールがもらえるんだよ?
「嘘つき。騙したな」と怒る前に。

見知らぬ人が自分の方向性を把握して、それに応じたメールをくれるのだ。
ありえない内容の、感情労働をしてくれるのだ。
自分だけの為に「踊りを見せてくれる」のだ。

嘘のコミュニケーションでも、一通150円なら、安い、と思うのだ。

心療内科系のカウンセリングがいくらするかご存知かえ?
弁護士と一時間話すといくらかご存知かえ?

騙されたひとよ、
怒る前に、感情労働が肉体労働よりキツイ事を考えてみよう。
根拠の無いうぬぼれに付きあってもらったのだ。
内心は「くそ野郎、殺す!」と思っても、サクラは演技してくれるのだ。
勿論、サクラはバイト代の為にやっているわけだが、金で一時でも夢を見られるのだ。

生身の素人女性なら、
「このキモ男!」と五文字で永遠に終わる所を、
サクラは返信が欲しくて見ず知らずの貴方を構ってくれるのだ。

金さえ払えば、サイトが潰れるまで夢を見せてくれる。

一方。ワタクシは幻想文学の範疇に住んでいる。
幻想文学は、「夢を見せる」物とは異なる。
表面をなぞっているだけではたどり着けない深淵の真実をのぞき見る、手伝いをする装置が、幻想文学なのである。

夢を見る事に倦んだら、原初のエネルギーの沈殿する幻想文学の扉をたたく事をオススメしたい。
まずは「まれびと冊子・揺蘭」でもめくることだ。


良い事か悪い事かは置いといて。
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by leea_blog | 2010-05-12 20:59 | Comments(0)