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またやってしまった/【揺蘭】進捗状況など

ああ、またやってしまった。。。。。。

古本市に出くわして、またしても買いまくってしまったのだ。

今は、【揺蘭】入稿を最優先せねばならないのに。

作品の件だが、
「もう少し、時間を置いて、もっと推敲したい」。


編集人として心から申し訳ないが、
遅れている原因の一つがこれだ。

やはり、一文字でも変われば全体が変わる、文学の世界。
平仮名か漢字か、カタカナかでも全く違ってくる世界。
行間を空けるか空けないかでも、全く違ってくる世界。

さっさと印刷物にすれば、
見えなかった悪い部分、良い部分も明確になるのは知っている。

この往生際の悪さ。

それに加えて、
生活費、家賃を稼ぐ為の昼間のお仕事の、
怒濤のストレス。

仕事が大変なのは仕方ないが、
不正経理の捏造幹部オヤジどもが、もう、
一刻も我慢ならん。
不正するなら、自分で引き受けろ。
関係ないワタクシのせいにするなって。
ワタクシはやる事が山積しているんだから、
これ以上邪魔しないでほしい。

人間の醜悪さに、
食事をしても吐いてしまうのだ。
トホホ以外の何物でも無い。

いや、人間ではない、
人間の皮を被った害虫オヤジどもだ。

それらの事件を脇に押しやるのに、
全身全霊使い果たしてしまう。

ああ、すまぬ。
関係者各位よ、
七月には入稿予定。しばしお待ちあれ。
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by leea_blog | 2010-06-28 00:46 | Comments(0)

おかえり、はやぶさ/そして、報道の良心について

おかえり。
そして、ありがとう。
出会えて嬉しかったよ。



昨日。
赤葡萄酒の杯を手に、
パソコンの前に陣取っていたが。

はやぶさ帰還の、ライブ映像系は、どこも繋がらなかった。

貴重な瞬間をじりじりと待つ人が、沢山居る事にほっとした。

職場では、「だれが乗ってるの?」、「名前からすると、メイドインジャパン?」という反応だったからだ。


以下、教えてもらった、はやぶさ再突入の動画だ。

転載続きで、ゆりうたの存在価値が問われてしまうが、
これほどの出来事には、自分の意見など、まず後だ。

たとえば、ワタクシのような者が自分の感想を混ぜると。
「どれくらいの事件か、例えてみようか。
フェアノールが冥王モルゴスとその部下、サウロンを破ってヴァリノールに帰還し、
勢い余って神々を制圧、位の事件なのだ」。
ますますわかりにくくなる。

まさかと思ったが、本当に彼は戻ってきた!
「今週のはやぶさ君」をこっそりチェックしながら、
帰還予定があまりに先で、トラブルは多く、道のりは長く。
すまない、正直、醒めた眼で見ていた事も多かった。

御託は置いておけ、
まずは見よう。
  ↓
URLをコピー&ペーストして跳んでくだされ。
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HAYABUSA re-entry(NASA)

http://www.youtube.com/watch?v=xyCbiKIScKM


NASA Team Captures Hayabusa Spacecraft Reentry

http://www.youtube.com/watch?v=gfYA4f-AIL0

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それはそうと。

昨日、ネット上のライブ中継関係は、どこも繋がらなかった。
アクセスが集中しすぎていたのだ。

普段TVは見ていないが、手持ちぶさたぎみに、
TV報道関係もチェックした。

TV 、新聞等を信頼しなくなってから、長い。
それでも、あらためて、むっとせざるを得ない。

期待していなかったが、実態は想像を遥かに下回る。

そんなことも有ったんだね、との付け足しの為に、
J-CASTニュースのURLを貼っておく。


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「はやぶさ」奇跡の帰還に生中継なし テレビ局に失望と批判の声

http://www.j-cast.com/2010/06/14068754.html
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良心が無いのは知っている、が、「有る振り」位はしてほしい。

客商売の大人なのだから、「振り」は大切だろう、と言いたい。
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by leea_blog | 2010-06-15 00:24 | Comments(0)

おかえりなさい、はやぶさくん(T_T)

おかえり。
待っていたよ。
最後までよく頑張った。


酒と薬が良い具合に効いてきたので、
今夜はちゃんと寝よう。


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JAXAのサイトから、



# <6月14日 00時05分(日本時間)発信>ヘリコプターでカプセル本体を捜索した結果、WPA内において、目視により確認しました。 7分前 webから

# 分離したカプセルからのビーコンが確認されました。 8分前 webから

# みんな、ただいま!! 約1時間前 webから

# <6月13日 22時57分(日本時間)発信>地上からカプセルの発光(火球)を確認しました。これにより、カプセルが大気圏に再突入したことを確認しました。 約1時間前 webから

# まもなくはやぶさは地球の影に入ります。そしてその数分後、カプセルといっしょに地球に突入します。ありがとう、はやぶさ。たのんだよ、回収チーム!バトンは確かに渡したぞ!!(IES兄)

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by leea_blog | 2010-06-14 00:27 | Comments(0)

おかえり、はやぶさくん/その方角に彼は居る

肉眼では見えない。
だが彼が、上空にいる。
まさに「行きて還りしものがたり」。


JAXAサイトからの転載。
以下。

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トピックス

2010年6月12日
「はやぶさ」のカプセル再突入計画実施決定

「はやぶさ」の軌道評価を行った結果、正常に推移していることを確認いたしましたので、お知らせいたします。
 これより、大気圏再突入に向けた計画を実施します。

探査機の状態は良好です。

大気圏再突入に向けた主な計画は以下の通りです。
・6月13日 19時51分(JST)頃:カプセル分離
・6月13日 22時51分(JST)頃:カプセル再突入

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2010/06/13 15:39 JST: 「はやぶさ」日本南方上空に到達
Category: Location_jp
Posted by: HayabusaLive
【8時間前】
6/13 午後3時。再突入まで残り8時間です。残り距離は約16万km。
はやぶさは南南東に80度見上げた方向にいます。
はやぶさの位置が根室の南方上空にかかりました!ついに「はやぶさ」が日本に帰ってきたのです!!!(IES兄)

皆さん、これから「はやぶさ」が日本を東から西へ横断します。1時間かけてゆっくり横断します。ほぼ真南、ほぼ天頂方向、「はやぶさ」が凱旋飛行します。願い事を3回言う時間は十分にあります。願い事を言ったら、はやぶさに「おかえりなさい。もうひと頑張りだ」と言ってあげてください(IES兄)

鹿児島の皆さん、「はやぶさ」は午後4時頃に母港内之浦の南方上空を通過します。残念ながら人の目で見ることは叶いませんが、肝属郡肝付町の内之浦から旅立った彼を暖かく迎えていただけると嬉しいです。(IES兄)
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by leea_blog | 2010-06-13 17:37 | Comments(0)

とりあえず/はやぶさ君 の帰還間近、の事/やる事山積、を押しのけて

小惑星探査機「はやぶさ」君が帰ってくる。

ああ、わかっている、私はやる事が山積している。
しばしまて。

毎日がストレス度高くて、医者に処方された薬がまるで効かず、
もしや医師は薬のふりして小麦粉を練った物を投与しているのでは?と
思う位にしんどいが、



その前に、「はやぶさ」帰還間近の知らせを再度語らせておくれ。

残業中、「はやぶさがもうじき帰ってくるのを知ってる?」と話題を振った。

誰も、知らなかった。

「小惑星探査機なのだけれど。。。。」

反応。「誰が乗っているの?」、「名前からすると、メイドインジャパン?」


なんという事だ。

知らないと、人生の損失でございまするぞ。

13日に帰還予定、じっと待つのも、後わずか。

JAXAのサイトに、わかりやすい物がアップされていた。
前から有ったのか最近アップされたのかよくわからないが、
以下。

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はやぶさ君の冒険日誌

http://www.isas.jaxa.jp/j/enterp/missions/hayabusa/fun/adv/index.shtml
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by leea_blog | 2010-06-11 23:58 | Comments(0)

小惑星探査機「はやぶさ」帰還間近、の事

6月の上旬は、黄金週間にならって、真珠週間なのですが。
本年は、ワタクシの誕生日より凄い事がございます。

6月の13日に、あの、はやぶさ君が、地球に帰還予定なのです。
あと4日です。
地球上に帰還するのは、投下されるカプセルだけで、ハヤブサ君の本体は燃え尽きてしまうのですが、
それもミッションのひとつ。

「後で知った!」という人を少しでも減らすべく、
とりいそぎ、お知らせいたします。



「一行の詩を求めて異国を彷徨うお話」、帰還編。

還って来なかったとしても素晴らしいのに、還ってくる。

出発が昔で、もう彼が誰だったのか覚えていない、というあなた、

はやぶさ君って、誰?、というそこのあなた。

   以下、URLをコピー&ペーストして、跳んでくだされ、JAXAのサイト。

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JAXA 宇宙航空研究開発機構の、「今週のはやぶさ君」

http://www.isas.jaxa.jp/j/enterp/missions/hayabusa/weekly.shtml

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「何これ、よくわからない」と言う方は、
わかりやすくCGでまとめた以下の動画をぜひ見てたもれ。
   ↓
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探査機「はやぶさ」の軌跡 舞-HaYABUSA ~Falcon of phoenix ~前編

http://www.youtube.com/watch?v=me-kYu-ikKw

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コピペして飛ぶ、などと面倒くさい、という方のために、
JAXAのサイトから「ミッションのシナリオ」と達成度をコピペしておこう。
JAXAのサイトは、結構わかりにくい。

   ↓

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ミッションのシナリオ

探査機は2003年5月9日にM-Vロケット5号機によって打ち上げられ、小惑星「イトカワ(1998SF36)」に向かって出発しました。 2004年5月に地球スウィングバイを行なって、2005年9月に小惑星イトカワに到着しました。 2005年11月26日には小惑星イトカワへの降下着陸を行い、試料採取のためのタッチダウンに成功しました。その後のトラブルにより地球への帰還を3年延期することとなり、現在は2010年6月の地球帰還を目指した運用が行われています。地球帰還時には再突入カプセルが、探査機から分離されて地球大気に突入します。

ミッション達成度
【達成!】電気推進エンジン 稼働開始(3台同時運転は世界初) 50点
【達成!】電気推進エンジン ある期間(1000時間)稼働 100点
【達成!】地球スウィングバイ成功
(電気推進によるスウィングバイは世界初) 150点
【達成!】(自律航法に成功して)イトカワとランデブー成功 200点
【達成!】イトカワの科学観測成功 250点
【達成!】イトカワにタッチダウンしてサンプル採取 275点
カプセルが地球に帰還、大気圏に再突入して回収 400点
イトカワのサンプル入手 500点


http://www.isas.jaxa.jp/j/enterp/missions/hayabusa/scenario.shtml
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「はやぶさ物語」の、ナレーション付き映像だが、別の意味で印象的だ。
文章系表現者なら、ナレーションに盛り込まれる表現の、あまりの臭さに、ハンマーで連打され続けるような拷問の時間を体験できるのだ。
この文章センスは、一体なんなのだろう。

    ↓

http://spaceinfo.jaxa.jp/hayabusa/index.html



とりあえず、キーワード「はやぶさ 探査機」で動画検索を強くお勧めしたい。
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by leea_blog | 2010-06-09 22:36 | Comments(0)

【魔術師のたいこ】/珠玉の神話伝説/呪術としての日常

書物との出会いは、運と縁だ。

出会ったら、勘に物を言わせて、入手しろ。
さもないと、すれ違いざまに眼を見交わしただけでの、永遠の別れになるかも知れない。

が。
大型書店で立ち読みして以来、購入時期を辛抱強く待つ本もある。

その一冊が、レーナ・ラウヤイネン著、荒牧和子訳の、
【魔術師のたいこ】だった。

帯文は、以下。

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息子の心はライチョウの足、
イワナのひれ、白いトナカイの角とともにあり、
息子の胸にはヨイクがあふれている。
おまえのように
たった一つの歌では満足できないのだ。

百年に一度だけ、魔法のたいこが、ふしぎな物語を語りだす…。
フィンランド民話を題材にした静謐なファンタジー。

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帯文だけで、眼を剥くような吸引力である。

急いで目を背け、本を棚に戻し、呼吸を調える。
そして、入手する時期を待つ。
熟した果実が自然に枝を離れるように、
私の手元に来るのを、待つ為だ。


ファンタジーなのか?
訳者後書きを読む限り、ラップランドのサーメ人の間で語り伝えられた物語、ではないか?

今は詳細は置いておこう。


すべての頁に、素朴で美しい音が満ちていた。

頁をめくる度に、本を閉じて、読み終えてしまうのを、先延ばしにする。

久々に、そうした本を得た。
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by leea_blog | 2010-06-09 00:39 | Comments(0)

八眼八足、蜘蛛との同盟宣言/夏に付きもののアレとの戦闘

閑話休題。

突然ですが、
本日よりワタクシは、八眼八脚の同居人との同盟を、宣言いたします。

書物の山が無数の蟻塚状態と化している部屋。
その片隅から、茶色のあれが飛びたった。

あれ。そう、幼虫時代は綾錦、絹やウールを食い荒らし、
夏になると光に吸い寄せられて来る、あれ。
粉を振りまく、禍々しい、あれ。

口に出すのも忌まわしい、あれ。

ワタクシは悲鳴を上げて部屋の反対側に飛びすさり、緊張のあまり筋肉が一挙に収縮するのを感じつつ、それを目で追った。

掃除機は、キッチンにある。
掃除機を取りに行けば、戻った時は、あれがどこに着地したのか、分からなくなっているはずだ。
そして、予想もしない時に予想もしない所から、現れるはずだ。
どの辺に行ったのかだけは、確認しなくては!

それが着地した辺りは、舶来物の絹が集積している。
気持ちの悪い鱗粉が、タイシルクにこびりついてしまう。

部屋の隅で、ワタクシは手を組み合わせて祈った。
助けて! あれを部屋から追い出して。

ああ、ヤマネが居てくれたら。
蛾を食べてくれるのに。
ヤマネを呼び寄せる呪唄は、どういうんだっけ。
お願い、ヤマネ。山の向こうから助けに来て!



こんな街中にヤマネはいないが、
蛾と同じくらい生理的に受け付けなかった蜘蛛なら、居る。
巣を張らない、ハエトリグモだ。
餌が有りそうにも見えない我が部屋には、
でっぷりと成長した黒い蜘蛛が同居している。

部屋のどこかに居る、アラクネたちよ。

今からお前と同盟を結ぼう。
蛾を退治してくれるなら、
お前とお前の一族を、掃除機で吸い込むのを止めよう。

恐怖のあまり、電気を消さずに一夜を過ごす事になりそうだ。
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by leea_blog | 2010-06-08 00:58 | Comments(0)

天冠/しゃらしゃらと、音が上半身を揺さぶる事/表層と深淵の奇っ怪

閑話休題。
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ストレスが高じて買い物をしまくっている。

書物に関しては、
書物の山が崩れてドアが開かなくなる事態が頻発している。

書物以外は。
謎の呪物が多数。

この天冠だが。

耳のすぐ上辺りから、細かいしゃらしゃら音が降り注ぐ。
髪や頭皮を伝わって、細かい振動が脳を揺さぶる。
巫女さんの振る鈴の音が、立体音響で響き渡る心地。

猫背にしていると冠が傾く為、
背をまっすぐにしなければならない。

宅配便のおじさんがチャイムを鳴らすと、
必ず差し出し人を確認した後、
画像のような人が細目にドアを開け、
荷物を下に置いて立ち去るよう言うのだ。

「ハンコかサインお願いします」
「サインでいいですか」
チェーンのかかったままのドアのすき間から手だけが伸び、
配達記録をひっ攫って、サインして返す。
骸骨の手が硬貨を攫う、黒い貯金箱が有ったなぁ、と思い出す。

リアル鳩宮桜城ワールド。


都市部では、これくらいは「変」、「エキセントリック」に入らない。
団扇状の太鼓を打ちながら地下道を後ろ向きに歩き続ける年配女性や、
五体倒地している人など、派手な奇っ怪は日常である。

そんなワタクシは、マクドナルドに本を読むべく立ち寄るが、
テーブルに小さなジグゾーパズルを広げては崩すスーツのおじさんや、
「疲れちゃったぁ!」と大声で独り言を言い続けるOLなど、
一見地味な奇っ怪には、
恐怖を感じてしまい、さりげなく席を移動するのだ。

向こうは向こうで、
「コ、コスプレ?????」とびびっているかも知れぬ。

ワタクシとて、ファーストフード店でカフェラテを喫しつつ、
「おお! まさしく!」
と本を振り上げ、
テーブルを扇で打って叫んでいるかも知れぬ。

お互い様である。

上記「奇っ怪」は、表層の奇っ怪である。

真の「奇っ怪」は、表に現れない部分に流れている。
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by leea_blog | 2010-06-03 23:14 | Comments(0)

「へいけうたのあかり」八島・壇之浦/消失と顕現/亡霊らが泣きながら聞く物語/

消失と顕現。


注。
今回は感想にたどり着く前に、どうでもいいような私事メモを記述している。
それは、箱に入れて真空で保存した《生の感想》を、取り出す呪術行為の一つである。行きつ戻りつして、生の場の真相に迫る為だ。

形としてまとまった評形式の感想は、「知」、「理」の作為が働く。
評形式の読み物の方が面白いのは百も承知だ。
が、今回は特に、知や理の介入をできるだけ防ぐ事にする。
理由は(既に「理」の力が働くが)、今回は、いかなる評も、生の場の生の感覚を貶める事にしかならないためだ。まとまった評なら、いつでも書ける。



ワタクシは、確かに平家の亡霊の一人として客席にいた。

前半が終わった辺り、中休みの雑談のざわめきが低く満ちる会場に、ざわめきに混じってゆく形で、歌声が流れた。
ざわめきを沈めようとはせず、ざわめきに混じりながら歌い、やがて、襦袢に伊達締め姿の辰巳泰子氏が現れた。





事前のワタクシの反応は。
八島と壇之浦を、一回でまとめるのか?、である。


自分用のメモが介入する。
ワタクシがりーあ本平家をやる場合、一の谷以降が、延々長くなる。
延々。その必然性が、自分の中には有り余る。全体のバランスを敢えて無視した、序破急の急の部分が半分を占め、安徳天皇八岐大蛇説を力を込めて歌い上げ、後の世の二次創作の予感も大いにはらませて。
   ↓↓
桜井 好朗氏の、
太平記を児童向けに語り直したと見せて実は、怨霊譚・中世の人々にとっての語り・先の世と後の世を同時にはらむ軍記物の世界、に関して、私の代わりにこの人がやってくれたんだ、と感涙にむせぶ提示の仕方。(メモ状態・これは別の話となる)



子供の頃、琵琶法師の女性版、琵琶尼さんになりたかった。次は、厳島神社の巫女。デルフォイの巫女。バッコスの信女。実際は、アラブの吟遊詩人の言葉にあるように、「物を書く手の奴隷」となった。

振り返れば、昔から、個というものを、「代替の効くもの」として捉えた。「何者にも替えがたい自分」、ではない。世界中にいる、「物語する魔の奴隷の一人」なのだ。自分より優れた人がやってくれるなら、その方が良い。が、かわりにやってくれる人が居そうで居ないから、仕方なく自分がやるのだ。
揺蘭に書けばいい事を、こんな所に余談として入れてしまった。これは伏線である。



話は戻る。
八島・壇之浦を一回でまとめてしまうのか?

いやもう、実際は、まとめても短くはなかった。それは、辰巳泰子氏が見事に抽出し織り直した物語が、
幾重にも「語られなかった部分」を背後に現出させた為だ。


一人一人が、セリフの一つ一つが、精彩を放ち、限られた時間の器を溢れて空間を生気で満たした。

辰巳泰子氏のへいけうたのあかりは一貫して、なすすべもない、個人の力量ではどうにもならない、それでも精一杯に今を生きる登場人物達の、いとおしさに満ちている。

無垢で純真で、何かを信じる力が、駄目な登場人物にまで照射されている。氏の現出する個性たち。羨望、嫉妬、殺意、そうしたものをどす黒く描き出すのではなく、世故に長けた腹黒系描写をすっとばして、その奥の純な感性を、大抵の大人が置き去りにしたものを、さらりと描き出す。そして、現実の残忍さ、個を押し流してゆく無残さを、力む事なく提示するのだ。


気付けば、泣いていた。当惑した。
平家物語は一時は暗記していたのだ。大抵の再話では、泣く事は無い。


「耳無し芳一」の物語を、ご存知だろう。
平家の亡霊が、琵琶法師に語らせて、皆泣くのだ。
ワタクシは、子供の頃から、その部分はいかがなものか、と思った。
当事者の平家の皆さんなら、
「そこはもっとこうだった」
「これこれこういう話がもっとあった」
「事実と違うぞ」と
盛んな突っ込みが入るはずで、泣くばかりで厳しい突っ込みが入らないのは、現実味が乏しいと思われた。
亡霊たちから指摘を受けて、さらに物語が補足されるのが、古来の伝統ではないか。

亡霊を呼びだして事の真相を語らせる話は、世界の各地にある。
亡霊は、この世の人間の限られた力を補ってくれたり、知る事の出来なかった真実の扉を開けてくれたり、音楽や美術・文学の力を与えてくれる。無論、呼びだした方には、死と破滅の危険が伴う。

「耳無し芳一」の亡霊たちは、世間が作り出した「亡霊のイメージ」でしかない。

何百年も前から現在に至る、際限なく生み出される平家物語のヴァージョンも、私を涙ぐませる事など無かった。


「どんな話にするのか」料理の腕前を楽しみにする訳だが、氏の大阪弁の語り口の、音楽的な魔法も有り、それは料理の腕前では無かった。連れ去る魔である。いや、現世の者らを連れ去る、生身の歌人。

語られる人々の、いとおしさ。

いや。今回は、辰巳泰子という個人、歌人が消失していた。消失した事によって、聞き手である平家の亡霊は、突っ込み所を失った。

平家の亡霊は、ダセェ!と義経に罵られる梶原になり、義経になり、くっさい雑巾女と嘲笑される常盤御前となり、差し招く海上の女官となり、必死にお父さんお母さんに祈る那須与一となり、射殺される老武者となり、入水を決意する二位の尼となり、共に海底に沈む剣、神璽となり、何故か安徳帝にはならなかったが(理由があるはずだが今は置いといて)、知盛となり、能登守教経となり、泣き叫ぶ女官達となり、抱きしめた腕から身をもぎ離して失われるいとしい人たちの体温となり。

どんな話になっていのるかと、耳を傾ける亡霊は、どんな話かはもう忘れて、自分が誰だったかを忘れて、死んだ事も忘れ、生きている事も忘れ、様々なものに目まぐるしく憑依し、また憑依されるのだった。
腕の中の生身の命が、濁流に攫われる。体温が残っている。

泣いている自分に驚く。

まて。
これは、今、書いている内に思い出したが、あれだ。【闇はぬばたま抄】(拙著参照)の、再体験だ。
何千という他人の中から、何百年も前に生き別れ死に別れた、例の、あれを探して泣き叫ぶ、繰り返し西野りーあの中で滾り落ち奔流となって呑み込む、あれの再現だ。

なんと、自分でもしばらく忘れていた、あれを、個が消失した「へいけうたのあかり」の空間で、再び見いだした。

辰巳泰子氏が消失した事によって、客の「我」も消失した。そして、様々なものが顕現した。そして、人々は入水した。一部の者たちは生き残った。


このあたりで、今は語る事を終えよう。

このように感想を語っても、言葉の上の事でしかない。
もはや言葉による感想は、干からびた木の葉が舞う様に似ている。


深淵の鍵を手渡し、私が砂に埋めた扉を再び提示したのは、辰巳泰子さんの姿をした、衵姿の女性だった。
いや、女性の衣をまとった、美しい少年だったかもしれない。彼、または彼女は扇をひるがえし、陽炎を呼び寄せると軍船を降りて、女達の物語を聞き取りする為に大原や別の戦場に向かうのだった。



終わり。
そして、最後にめまいの都を自分用メモとして次回にアップする。
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by leea_blog | 2010-06-02 00:32 | Comments(2)