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【ものがたりは どこから やってくる のか ―幻想文学などに関する断片―】




【揺蘭】で芯の太い幻想詩を展開中の、日嘉まり子氏が、
拙文【ものがたりは どこから やってくる のか ―幻想文学などに関する断片―】を紹介して下さった。

貴重なコメントも頂き、有り難い事だと思う。

この文章は、幻想文学を「ゆめみたいな物語」、「浮ついたファンタジー」と思う方にこそ、是非一読して頂きたい。

【ものがたりは どこから やってくる のか ―幻想文学などに関する断片―】。
これは、足利の写真家山田利男氏と、文筆家春山清氏が月刊で出していた、アートコミューンというメールマガジンに載せた物だ。


自分撮り・自己加工の写真も載せて、2005年6月に配信された。
  ↓
http://homepage2.nifty.com/ythp/artcommune/29.htm

幻想文学に縁の薄い読者層に、メッセージを送った物だ。

こうしたささやかな過去物も、目ざとく拾い上げて紹介する、日嘉まり子氏の濃厚なブログ、【蟹と章魚と烏賊のでりかっせん】

http://mari-00-mari.blog.so-net.ne.jp/
(コピーしてペーストして飛んでね)
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by leea_blog | 2010-09-26 21:07 | Comments(0)

困った時の箱根・宮の下富士屋ホテルの事

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【写真は本館二階の部屋から見た花御殿↑】



肩と腰と腕がもうバリバリでガチガチで眠れなくて頭痛と冷えがひどい。
そんな毎日を耐え忍ぶOLさんが、都内には沢山居るはず。

もう駄目だ、と思う時には、緑と温泉の有る場所に行こう。

山手線の東京駅方面にお勤めの方なら熱海、伊豆方面。
山手線の新宿・渋谷方綿にお勤めの方なら、箱根。
上野方面なら、栃木、群馬、茨城と選択肢は広い。

新宿方面勤務の私は、「もう駄目だ」の時は箱根に逃亡する。

今回は、小・中学生時代の同級生と、箱根に出かけた。

箱根、宮の下に有るクラシックホテル、「富士屋ホテル」に泊まり、
温泉プールで水中ウォーキングをして運動不足を解消し、
明治時代の美しい内装で疲れた心に潤いを与え、
箱根のあちこちに伸びる自然遊歩道で森林浴をするためだ。

あれこれしようとする必要は、本当は、無い。

ぼーっとして、心を空っぽにして、天然温泉で暖まれば、
そして美しい物、
建築家がこだわりを注ぎ込んだ建物、
職人が丹精を込めた内装の彫りや描画が目に入るだけで、
金銭に換算できない何かが戻ってくるのだ。
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by leea_blog | 2010-09-23 21:44 | Comments(0)

なぜ詩人が句会に出かけるのか。サムライカルチャー第五回 その2 


俳句、短歌は、一作品の字数に制限が有る。
無季語自由律の俳句や、非定型の短歌とて、四百字詰め原稿用紙一枚に渡れば、「俳句」、「短歌」と言えなくなるだろう。詩にはならないとしても、長歌になるのではないか。(門外漢が言っているので、一般論である。長歌にならず、あくまで短歌俳句での「長文型」もあるのかも知れない)

一方、詩は。短ければ優れた詩という訳ではないし、形や長さに制限も無い。叙事詩ともなれば、何巻にも渡る。

言い難いものを表すために、似た言語の重複や反復、一見意味の無さそうで実は緊密に影響し合う言葉を盛り込みまくって長文化しても、成立している。

散文と詩文の中間を求める私は、短い言葉とは逆方向に向いているわけだ。
が、たまには、短い言葉で成立する約束事のある文学ジャンルを訪ねる事で、リフレッシュするのだ。


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先週のサムライカルチャーでの自作。

事前に二十句程作って、一晩掛けて没や採用を決めた。

当日、ワタクシの作品は、まずは「没作品」からの披露となった。

なぜ没が披露されるのかというと、会話の流れで、没作品が例として適していたのだ。没も披露。

こうした、掟破りが可な所も、形式張らない会だから可能なのだろう。

没:足元を炙る  あすふぁると  熱の島
没:蘭月の  乱れ渡るや  果ての島
(蘭月は造語)

自選採用

採:月の出は 身体に毒ぢゃ 籠もりおれ

採:囁くは 御身にあらず 闇の月

(「閨の月」も有効、との指摘有り。うむ。閨なら二人きり確定だから、闇に囁くのが相手ではない、という状況は、一層呪術的だ)

採:白銀の 鏡の刺さる 天の湾

(湾には椀もかけた。
「しろがね」と「かがみ」が重なる、との指摘有り。
昼の月である事を強調したくてしろがねを敢えて入れたのだが、確かにご指摘通りだ。昼の月の情景を描きたいなら、全体的に再考の余地があるだろう。ちなみに、臨海副都心で見た月である)
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by leea_blog | 2010-09-20 21:51 | Comments(0)

熱の島のフリー句会/  無手勝流句会 【寒軽5】 のこと  その1



先週の日曜、9月12日。

ようやく涼しくなったが、先週はまだまだ熱暑だった。


急きょ、ふらりと出かける事に決めた、無手勝流句会【寒軽5】。


参加者は、歌人の辰巳泰子氏、俳句をなさっている一寸氏、ジャズピアニストの板倉克行氏、佐野からお見えのお二人、相田氏、幻想詩人の西野りーあ、俳人の宮崎二健氏と、賑やかな顔ぶれだった。


句会のことは知らず、たまたま立ち寄った音楽家(という肩書きが正しいのか否か)の、花男氏も加わって、ますます賑やかになり、ついには板倉克之氏と花男氏のセッションが始まるという、文化的盛り上がりを見せた。

宮崎二健さんがコメント欄でセッションの動画を貼ってくれた。
雰囲気が伝わるので、ここに貼り直す。

コピー&ペーストして飛んでみて欲しい。

  ↓

板倉克行&花男 Kats Itakura(p) & Hanawo(per) Session 寒軽句会#5
http://www.youtube.com/watch?v=TWopGuiylW0
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by leea_blog | 2010-09-18 18:33 | Comments(0)

【揺蘭】2010秋号/完成

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おかげさまを持ちまして、
まれびと冊子【揺蘭】2010秋号、完成しました。

金の泊と蒼い遊び紙が効いています。

扉のコラージュは、
【めまいの宮居/薔薇のつるぎ】By西野りーあです。

内容は、以下。
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—YOURAN— 2010 もくじ
【西野りーあ】
薔薇冠 2010・・・・・・・・・・・・・・・・・・・02
猫少年と情死するひとさらい・・・・・・・・・3
星図の刺青・・・・・・・・・・・・・・・・04
あるいはスフィンクス・・・・・・・6
地散り花散りライウラ散る・・・・・・・・10
夢の中の不眠症・・・・  ・    ・・・11
此の世を通過する異形の翼・・・・・・・・・・・・・  ・・・・・・・13
【鳩宮桜城】
物語する魔—女人愛(2)・・         ・・・15
【日嘉まり子】
アリス館をさまようアリス・・・・・・・・・・・・・20
つたえさん・・・・・・・・・・・ ・・24
水縄旅館の地下墓地に棲むケルベロス(3)・・・・28
クローンたち(人間・ルナ産業勤務)・・・・・・・・・・・32
【天野清二】
深夜の舞台装置・・・・・・・・・・・36
【横山克衛】
海から・・・・・・・・・・・・38
雅歌の果て・・・・・・・・・・・・・・・・・・40
迷い船・・・・・・・・・・・・・・・42
人生のつかの間の時・・・・・・     ・・・・44   

 後書き/鳩宮桜城/天野清二・・・47
 編集後記/西野りーあ・・・47

表紙【めまいの宮居・薔薇のつるぎ】
 裏表紙【めまいの宮居・昼刻】
 コラージュ/西野りーあ
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by leea_blog | 2010-09-14 20:07 | Comments(0)

脳のリフレッシュ/フリーな句会に出かけてきます/サブカルとも違う




新宿、ヒートアイランド。


暑い。。。。。
台風のお陰で一時よりは涼しくなったのかも知れないが、
少し歩くだけで、汗だくになるのは大して代わらない。

そんな熱の島の中心地点、新宿で、自由な形の句会があるので、
出かける事にした。

寒軽句会。

なに、その寒そうな会名は、、、、。
いや、サムライという、12月の朗読イベントでお世話になったジャズバー、
サムライでやるので、サムライ・カルチュアーの略称がさむ・かるなのです。

サブカルとは、違う。

以下、転記。

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無手勝流句会 【寒軽5】 どなた様でもご参加ください。
2010.9.12(日)16〜18時 (15時開場・本番迄雑談タイム)
 …俳句持ち寄り、即吟、感想批評、雑談
 ※寒軽句会は普通の句会と違って、作品定数出句、無記名シャッフル、
  点盛り高得点句による序列評ではありません。

 題: 残暑・月、その他
 出句数: 任意
 俳句形式:不問、川柳可
 会費: 1000円(1ドリンク付)前金
 於: JazzBar サムライ Tel.03-3341-0383

http://maglog.jp/samukaru/index.php?module=Info&infid=22637

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いやぁ、「結社形式」に本能的な警戒感を持つ、【揺蘭の編集人】、ワタクシでも、
ふらりと行けそうではないですか。

「え、あんた、俳句もできるのか」、って?
いやいや、詩人ですけど、しかも幻想系ですけど、
切り取り方が全く違う表現形式で、頭をリフレッシュしようと思って。

使う脳の部分が違うんですよ。

一行詩と、無季語自由律俳句とは、一見、形は似ていても、
使う脳の部分が全く違う。

これは、やってみればわかります。

ちなみに、鑑賞のキモも違うのですが、
それらについて今はくどくどと述べまい。

報告、後日。
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by leea_blog | 2010-09-11 19:15 | Comments(2)

呪術としての日常・香辛料の塗布薬(再掲)


日本都市部のスパとの比較に、2004年の09月26日に投稿したバリ島のスパの様子を張っておく。
小奇麗だけど無難に管理された日本の施術と、人間の回復本能に訴える猛々しいスパイスの香。
私は後者で。。。。。。

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呪術としての日常

 バリからの帰国当日、九月の二十二日は。成田に降り立つガルーダのアナウンスいわく、地上温度は二十八度。九月の、朝の八時半というのに、三十度近いとは。留守にしている間に秋が深まると思いきや。まあ良い、朝方の寒気にやられるよりは。


 バリ島ではカマンダル リゾート&スパというホテルの、ガーデンヴィラに滞在した。川沿いの傾斜地に客室が建てられており、眺めを妨げない。庭を持つ独立した客室群の、藁葺きの屋根屋根が、ひそりと静まる村のよう。


 朝食から部屋に戻る途中、朝の九時、ふらりとスパを覗いてみた。ほの暗い入り口に立って奥に声を掛けるが答える人もない。香辛料の香が強く鼻を打つ。素晴らしい。挽きたての香料。スパの入り口と言うより、様々な香辛料を盛り上げたバザールの雑踏に立っている心地がした。再度声を掛けるが静まりかえっている。朝一番でスパを訪れる客もいないだろうと扉を開けるだけ開けて散歩に出たか。

 この香料に打たれ、私は強い欲求に襲われた。“これが私には必要だ”、という、動物的な欲求である。新鮮な花びらと香辛料、生薬にまみれて転げ回り、傷を癒そうとする野生の獣と化しかけたのだった。

 後で分かったのだが、これらの香は、ボレーというインドネシアの塗布薬の材料で、クローブ、シナモン、カルダモン、と、まさに香辛料そのものの香なのだった。

 ボレーは、バリのスパでは、ボディスクラブとして紹介される。美白も含んだ美容にはルルールを、どちらかというと治療に近い感覚ではボレーを使う。ボレーは外国人向けに deep healing body scrub と説明される。ディープ ヒーリングとは具体的にはどういう事を? という感じだが、体を温め血行を促し、疲弊した身体を癒すということらしい。スパ向けに開発された訳ではなく、昔から行われているという。

 主原料を書きだしてみよう。

●ボレー
クローブ、ジンジャー、カルダモン、シナモン、サンダルウッド等が主な原料。粗めの粉末。溶いて体に塗る。暖まる。

●ルルール
サンダルウッド、ターメリック、お米の粉等が主な原料。細かい粉末を溶いてペースト状にする。黄色い。美白効果あり。

 原料的にはかなり重複するようで、体調により調合するらしい。ボレーとルルールの決定的な違いは、にわか知識の私にはよく分からないが、見た目と匂いはだいぶ違う。ボレーはいかにも効きそうな香辛料の強い匂いで茶色系、ルルールはお香に似たソフトな感じ、黄色系だ。

 カマンダルのスパの入り口で嗅いだ香は、その後何処で嗅いだよりも新鮮で生き生きしており、漂い包む香というよりも、もはや精霊の気配に似て猛々しく私を打った訳だが、使用する香料を朝一番で挽いてでもいたのであろうか。

 ちなみに、アロマテラピーも、当人が嗅いで「良い香り」と感じたものは、身心が求めている物だという。漢方薬も同様らしい。身体が求める効能を持つ薬は、匂いも味も良く感じられるという。漢方薬に関しては、かかっていた医者が、水と一緒に粉薬を流し込むのではなく、お湯に溶いて香りを嗅いでから飲むことを強く薦めた。
 こうした効果について医者は、猫などが体を壊した時、それに効く草を選び食べて快復を待つ様を例に出した。頭で必要な物を選別するのではなく、生き物の本能の一部が必要な物を欲するのだ。その考えは、ストレートに理解できる。
 というのも、私にとっての文学や美術は、理屈をすっ飛ばした欲求だからである。知識や理屈で理解し味わう物ではないのである。また、頭や理屈でしか味わえないなら、そうした文学はその人にとって本当に必要では無いとも言える。

 そうしたわけで、私がボレーに飛びついたのは傷ついた猫が薬草に飛びつくのとほぼ同様であった。ちなみに、今、部屋には購入してきたボレーの香に満ちている。部屋に入った客人は、「うっ、何、この匂い?」と思うであろう事も想像できる。粉末のまま保存し、使うときにはお湯でペースト状に練って塗るのだが、体に塗って五分から十分放置し、乾いたら襤褸布か何かでこすり取りシャワーで流す、その乾くまでの間南国の香辛料にまみれて本を読む姿も、ほとんど妖術師とまがう匂いであろうと思える。しかしそれが必要な本人は、貴重な香辛料を惜しげなく使った、良質のボレーの粉を持ち帰ったのを歓び、塗った部分が暖まるのに歓喜しているのだ。
 オフィスの冷房に苦しむ女性は試して欲しい。

 ちなみに今回私がバリから持ち帰った物は、マッサージオイル、ボレー、ルルール、生薬のジャムウ、塩、舞踏用ガムランのCDである。素人ゆえ目が利かず、品質に重点を置くなら名のあるスパで購入するしかない。安くない割には、土産として人にあげても歓ばれる確率が少ない代物ばかり買ったと気づき、笑った。粉末やオイルをこうして持ち帰ると、日常の呪術の道具である。

 骨や血に届く効果があるのは、呪術に近い物なのかも知れない。偽霊媒師のこけおどしの呪術ではなく、深淵に降りる虚心な、呪術である。

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by leea_blog | 2010-09-04 19:16 | Comments(0)

夏の疲れ対策/マンダラスパ・汐留

長期予報によれば、今年の残暑は厳しいらしい。

もう駄目です。
避暑に行きたくても、暑いと虫が沢山発生して、
山中には私の苦手な蛾が大量に活動している事だろう。

運動不足ですぐ息切れがする。
食べ物も食べたくない。
おまけに昼間の冷房と、外気の落差で、身体は鉄板のように硬い。
これでは食欲どころの話ではないだろう。

そういうわけで、急きょ出かけてきました、汐留のマンダラスパ。
もう、こういうのは医療費と同じで、
仕方の無い出費であります。
   ↓
http://www.rps-tower.co.jp/mandaraspa/

マンダラスパファンの間でも、日本のマンダラスパは海外と比べても一番良いと、評判のスパであります。

以前も書いたけれど、そうはいっても、所詮はビルの一室を異国情緒的に改装した物。
空気の良い、長めも抜群、スパイスも朝挽きたてのバリ島やタイランドの高級スパと比べて、
本当にそう言えるのかと申しますと、まぁ、微妙な所であります。

サービスとテクニックは劣らず。ラウンジのジンジャーティーとお風呂が付いてくるのが、日本人的にはくつろげて最高です。

コースと、セラピストさんによって当たり外れが有るのはどこも同じ。

今回は
『ストレスセラピー~オータムバージョン、夏のダメージを脱ぎ去れ!~』

期間
2010年9月1日(水)~9月30日(木)

【ストレスセラピーボディ 60分】 
通常価格19,740円(税込) ⇒ 特別価格20%OFF 15,792円(税込)
内容:インド式ヘッド・マッサージ、レッグトリートメント

で、ございました。

感想は、うーん、まぁ、悪くは無いけれど、「今までのは一体なんだったのだろう」と驚愕するぐらいの前回の施術に比べ、「値段相応・やや割高感」でございました。

それでも、いざという時に電車で行ける距離に上手で雰囲気の良いスパが有るのは、有り難い事です。
さもなければ、
「首と背中が痛いよー、腕が上がらないよー」と、
冷房を効かせた部屋で寝てるだけになってしまうのですから。
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by leea_blog | 2010-09-04 18:36 | Comments(0)

異国日本/明治初期の、英国女性一人旅

【日本奥地紀行】 (イザベラ バード 著、高梨 健吉訳/平凡社ライブラリー) を読んでいる。

主に電車の中でのため、少しずつしか進まない。

一気に読み飛ばすより、視点や表現をじっくり味わい、まな裏に明治初期の、初めて外国人の目に触れる日本の光景を広がらせつつ読む本だ。

裏表紙の紹介文。
【文明開化期の日本…。イザベラは北へ旅立つ。本当の日本を求めて。東京から北海道まで、美しい自然のなかの貧しい農村、アイヌの生活など、明治初期の日本を浮き彫りにした旅の記録。】

江戸時代から明治になり、欧米に追いつこうと急ピッチで改革が行われている最中の、日本。
条約で開かれた港はまだわずか。

ラフカディオ・ハーンの文学性抒情が溢れてこぼれる文章と異なり、
イザベラ・バードの視点は冷静沈着、上から目線である。

あまりにありのままの感想を書き過ぎて、当時の日本人や日本支援者が、「陳謝を要求したい」と思うだろう点も、理解した上での記述である。

初めの方に出てくる日本食の記述を引用しよう。以下。


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「日本食」というのはぞっとするような魚と野菜の料理で、少数の人だけがこれを呑み込んで消化できるのである。これも長く練習を積まなければならない。
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江戸〜明治初期の日本食が、現代日本の日本食とは大きく異なっていたとしても、
露骨なまでに「自国中心」の視点である(笑)

イギリスは、私は出かけた事が無いので評する権利は無いのだが、
ヨーロッパ文明の中でもとりわけ、「味覚」が鈍感でイギリスの料理はまずい、と名高い国である。
そんな英国の女性から上記のような失礼な日本食評を頂いては、むっとするより、
むしろ斬新な気分になる。

一方で、当時の日本人達は、様々な文献にもあるように、大変誇り高く、外国の文化水準をうらやましく思いつつも習慣は蛮習と考えていた。

さて、現代ならともかく、当時の日本を、ガイドブックも無しに「人の通らぬ道」を敢えて選びながら、
観光地より「奥地」を旅するご婦人。

彼女の眺める物、考える事、美しいと感じる事が綴られた分厚い新書判のこの本が、面白くない訳は無い。

そうした視点に同道する事は、すなわち、【現在の日本】を平坦な視線で見ない事につながり、自分たちが見る事の無いであろう未来の時間まで、照射する力を得るのである。
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by leea_blog | 2010-09-02 22:28 | Comments(4)