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プークが丘の妖精パック/キプリングのファンタジー

ラドヤード・キプリングのファンタジー、「プークが丘の妖精パック」を再読している。

パックは、ケルト神話の妖精プーカが元になっている。
丘の住人達、つまり妖精族がイングランドを去って久しいが、パックはとどまっている。

少年少女の為の、血わき肉躍る、冒険が語られる。少年少女だけでは惜しい。大人が読んでも充分心躍れる一冊だ。

登場人物達の、何と生き生きしている事。

何より、妖精族が蝶の羽を生やしていたり、ガーゼのペチコートをはいていたり、髪に星がきらきらきらめいていたり、悪い子を罰して良い子にご褒美を上げるという、陳腐な妖精族のイメージを、きっぱり否定して見下しているあたりが、安心して読める。

つまり、ディズニー的妖精やおとぎ話を頭から侮蔑しているのである。

そうだ。妖精は、神々と人間の中間、強大な力を持った、恐ろしくも美しい存在である。

的確で劇的な描写をご覧有れ。

下に、パックが主人公の少年と少女に語る妖精族の渡海描写を引いてみよう。

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「おれは、ユオン卿の率いる軍隊が、ティンタジェル城からハイブラジル目指して旅立ったのをこの目で見たんだ。南西の向かい風でさ、城に波しぶきが襲いかかって、丘の馬たちはおびえて暴れたけど、風が凪いだ時を見計らって出発したんだ。カモメのようにかんだかい声をあげてね。そのあともたっぷり五マイルは吹きもどされたけど、また風に向かって進んでいった。あれは蝶の羽なんかじゃない。魔法だよ。マーリンが行うような黒い魔法だ。海全体が緑に燃えあがって、白い泡の中で人魚たちが歌っていた。丘の馬達は、ひらめく稲妻をたよりに波から波へ渡っていったんだ! むかしはそんなふうだった!」

(「プークが丘の妖精パック」キプリング作/金原瑞人・三辺律子訳)

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マーリンとは、アーサー王を補佐した魔法使いの老人である。

冒頭に出てくる、北欧の神、ウィーランド。
かつては生け贄をささげられたウィーランドは、没落して北欧にも帰れず、沼に潜んで蹄鉄を直す小仕事をわずか1ペニーで行っている。
その描写の、生き生きしている事。

パックの友だちの騎士などが現れては、子供たちにかつての冒険の物語をしてくれる。

義務教育があってよかった。
中世の欧州では、王侯貴族でも読み書きが出来ない人は多く居た。
子供たちは義務教育のお陰で読み書きが出来るし、騎士達が賢い鉄と呼ぶ、悪霊のついた針が磁石だということも知っているし、本などを読んで中世の学者並みに賢い。
そうした対比も鮮やかだ。

子どもに読ませるよりは大人が楽しめる、そんな骨太ファンタジーである。
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by leea_blog | 2011-02-25 20:12 | Comments(0)

三寒四温と落とし物

寒かったり、暖かかったり、三寒四温。

春の足音がひそひそと近づいてくる。

冬の防寒重装備も、解除されつつある。

重装備を解いて、バッグに入れると、困った事に落とす危険が生まれる。

やってしまった、昨日は毛皮のマフラーを紛失。
今日は革の手袋を紛失。

お気に入りの物を無くすと、身を切られるように感じる。

駅の落とし物センターや、立ち寄った店などに電話を掛けまくるが、出てこず。

質の良い物なので、誰かに拾われて誰かに使われていてくれれば、と祈る。

踏みつけにされてごみ箱に行くよりは、誰かに引き続き可愛がってもらって欲しいものだ。
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by leea_blog | 2011-02-24 20:05 | Comments(2)

聖バレンタインデーとチョコレート

バレンタインデーだ。

今年は職場の義理チョコも虚礼廃止。

いい事だ。

菓子メーカーの商業戦略に乗る事もない。

が、個人レベルでは別だ。
この時期は、デパートなどで、普段はお目にかかれないチョコレートが手軽に手に入る。
チョコレートは幸福ホルモンを出すというではないか。商業戦略に乗ろう。

仕事帰りに自分用に買った。

ベルギーの、カラボーチョコレート。
ゴディバの隣で売っていた。
リーフレットを見ると、「世界一のチョコレート職人カラボー氏がこだわりと独創性で作る最高級のチョコレート」、とある。

ゴディバは、寅屋の羊羹のような物だ。
美味しいが、値段ほどの価値は感じられない。
贈り物に、外したくない時に買うシロモノだ。

カラボー氏のチョコレートは、世界一の根拠がどの辺に有るのかは不明だが、美味だった。
一枚200円以下のチョコレートとは、全く別物の味だ。

ベルギーでは、チョコレートを名乗るにはカカオの含有率など、一定の基準が有るそうだ。
それに比すると、日本のチョコはチョコとは名ばかりのものも多数だそうだ。

普段接しない高級チョコに、お酒で、今日は良い気分だ。
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by leea_blog | 2011-02-14 20:09 | Comments(0)

ディズニーシーでの妄想/日常からの離脱

雪片が大きくなって、空気の中でひらひらと舞う動きを見せている。

電車が止まるのを恐れて、夢の山手線周遊読書は諦めた。
台所で、ラフカディオ・ハーンを読んでいる。


先週、知人に誘われてディズニーシーに出かけた。

知人と彼女さん、知人の所のイケメン若い衆と謎の熟女のワタクシ、の四人である。

ディズニーシーはほぼ二年ぶりだった。
そんな所にワタクシを誘ってくれる人が居なかったのである。

ディズニーランドは、ハイテンションでアトラクションに乗りまくるのだが、
ディズニーシーは大人の散策所となる。

灯台で「ここに住みたい」から始まって、「ここは家賃が安そうだ」など、
ディズニーシー内の建物に住む妄想を交わしあった。

石の建物は、その堅牢さにおいて、心をくすぐる。

ワタクシは、レオナルド・ダ・ヴィンチの城、フォートレス・エクスプロレーションに住みたい。
研究と美術、文学に明け暮れ、給料は東京オリエンタルランドからもらうのだ。

石の建造物は、木造に比べ、歳を経るごとに味わいが出てくる。
改修の必要が少ない点が魅力だ。

書物にまみれた今の生活にも適している。

湿気や寒気の問題も有ろうが、壁につづれ織りを掛けて暖炉にガンガン火を燃やして乗り切れそうだ。

夢中になるあまり、レストランの終了時間を過ぎ、危うく夕食を食べ損なう所だった。

楽しかった。

こういう所に住みたい、は、永遠の楽しい妄想である。
生きているからには、実利で住居を選ばなくてはならない。

実利は、心を寒くする。

そうした心を解放してくれるのに、ディズニーシーは、細部にまでこだわった虚を提供してくれる。

雨の中で見た打ち上げ花火の美しかった事。
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by leea_blog | 2011-02-11 16:45 | Comments(0)

初雪

寒い。

外は雪が舞っている。

今冬最初の雪景色だ。音を吸い込む雪の景色。
舞い落ちる雪片。

外出には不向きな天候になるほど、遊びに行きたい虫がむずむずする。

温泉に行きたい。
雪の降る中、露天風呂に入りたい。

仕方ない、家の風呂に重曹とアロマオイルを入れて入るか。
アロマキャンドルも灯して。

しんしんと雪の降る昼間に浸かる、湯船。
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by leea_blog | 2011-02-11 10:24 | Comments(0)

節分/恵方巻など

節分だ。

明日は、立春。

デパートの地下、食品売り場は、恵方巻の販売で賑わっている。

商売戦略に簡単に乗せられるのには抵抗が有るが、縁起を担ぐ意味で、買ってみた。

食べ終わってから調べると、恵方を向いて食べるだけではなく、目をつむって、願い事を思い浮かべながら食べなければならないらしい。

目もつぶらなかったし願い事も思い浮かべなかった。信じていなかったし、まぁ、いいか。

恵方巻より、やはり豆まきの方が風情がある。

子どもの頃からの記憶。
窓を開けると外には二月の、森閑とした闇。
窓からこぼれる明かりが心細げに吸い込まれる闇に向かい、
「鬼は〜外、福は〜、内」と抑揚をつけて豆を巻く。

節分は、闇と寒気と、独特なあの、「鬼は〜、外」の声音の記憶。

鬼も内、と唱える寺社も有るという。

鬼神は、神の使いであり、強い霊的なものに、「悪」や「鬼」という言葉が使われた。
「前鬼後鬼」「悪源太」「鬼夜叉」など。
現代人が思う程、マイナスイメージだけではない。

今年は福以上に強い者を味方にしたい。
「福は内、鬼も内」で行こうか。
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by leea_blog | 2011-02-03 20:13 | Comments(2)