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暑さのあまり食べ物がすぐ腐る事



先ほどの日記を書いていたら、

強烈な頭痛に襲われた。

パワハラを受けて寝込んでいる、という現実と向き合うのは、

物凄く心身を消耗させる。


暑すぎるのも原因か?


昨日は、東京は37度だったそうだ。

ウチのキッチンなどは、

45度くらいあったのではないか。



昨夜日本茶を淹れて、

今朝、急須に少し残っているのを発見。

普段なら、

昨夜の飲み残しなど、すぐ捨てて新しいお茶を淹れる所ですが、


暑いですからね、

何も考えずに、コップに注ぎ、

「変な匂いがするな」と

思った、でも、時すでに遅し、

既にひとくち、飲んでしまった!!!

酸っぱい! 腐っている!!!

いやぁぁぁぁ!!!!



すぐさまうがいし、

茶器を消毒液に漬けたが、

うっかり一口飲んでしまった後であります、

今日一日、お腹を壊さないかびくびくして過ごした。



ちなみに、

当家は、

夏は暑くて冬は極寒である。


キッチンには冷房が無いので、

恐ろしく暑い。

どれくらい暑いかというと、


茹でた南瓜が、二時間で腐って糸を引くようになるくらい、

暑いのだ!


一晩置いておいた日本茶が腐るのも、仕方が無い。。。。



冷房を節約すると熱中症になる危険があるため、

節約せずに稼働させているところ

電気料金が多額になってしまった、、、

請求書をみて、がっくり来ている。



↑ これは仕方が無い、、。

熱中症になっては、元も子もないからなあ。




それにしても、「食べ物が腐る」という現象は、

実にいまいましい。


何も、二時間や一晩で腐らなくてもいいではないか。




が。

よく考えてみれば、

「短時間で腐る」

→「防腐剤が入っていない」

→「まっとうな食品」

と、いうことだ。


昨今は、

腐りにくい、かびにくい食品が沢山流通している。


食品添加物がてんこもりなのだ。


便利と引き換えに、重大なものを明け渡しているのだ。



そのような訳で、

酷暑続きの毎日、

皆様も、

くれぐれも健康に気をつけましょう。







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by leea_blog | 2017-08-10 22:59 | Comments(2)

ハローワークでパワハラ・記事。「死んだら楽に」。全くだ。


ネットでニュースを見ていると、

どうしても、自殺関連の記事が目に入ってしまう。

「死ぬ前に転職しろ!!!!」

と、皆思うであろう。


転職能力がある人なら、

それも可能だろう。


正社員で転職するのが、どれだけ大変か、

ごぞんじであろうか。


百社、二百社、落されてもめげない、

鋼鉄のメンタルが必要だ。



「ブラックバイト」。。。

バイトなら、それで命を落としては、

なりませぬ。。。。

命と引き換えにするものではありませぬ。


ハローワークにでも行って、

ほかの求人をみてみる事を強力に推奨。




それはそうと、そんなハロワでも。

パワハラと闘う記事を見たので、

以下に貼付けます。


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ハローワークでパワハラ 被害女性が国など提訴へ 静岡

8/10(木) 13:14配信



 静岡県内の公共職業安定所(ハローワーク)で仕事中に上司から暴力を受けたとして、窓口で働く女性職員が慰謝料など計約630万円の損害賠償を国と当時の上司の男性に求め、10日に静岡地裁に提訴する。女性の弁護団への取材でわかった。

 ハローワークを管轄する静岡労働局は取材に対し、「パワーハラスメントと思われる行為があった」と認める一方、事態の把握から約2年半が経過する今も男性を処分しておらず、謝罪する機会も設けていないと明らかにした。

 弁護団の西澤美和子弁護士は「(労働局は)パワハラ防止を啓発する立場なのに、対応がずさんで女性の苦痛を大きくした」と批判している。

朝日新聞社

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170810-00000046-asahi-soci


ーーーーーーーーーーーーーーーー



>「パワーハラスメントと思われる行為があった」と認める一方



あ、認めているのか。


認めるとは凄いな。


通常は、被告は事実関係を捏造しちゃうものだが。



例えば、どんな感じかというと。



原告「殴られました」


被告「原告の後を通った際、


持っていた書類が原告の座っていた椅子の背に触れました。


すると、原告が怒り出したのです」


こんな感じ。



「んな訳無いだろ!!!!」と絶叫したくなる嘘を


被告が並べ立て、


陳述では、演技までしてみせるのが、


パワハラ裁判。



きついですよ〜。


パワハラをするぐらいだから、


使用者及び上司は、


原告を人間とは思っていないし。








>事態の把握から約2年半が経過する今も男性を処分しておらず、謝罪する機会も設けていないと明らかにした。



それも、認めているのか。


凄いな。


普通、謝ってもいないのに、


「処分した」、「謝罪した」と、事実関係を捏造しちゃうものなのに。



それだけ相手が認めているなら、


裁判の先は、明るいのでは無いだろうか。


頑張れ。






それにしても、それだけ事実関係を認めているなら、


訴えられる前に、どうして対応しないのか、


つくづく謎である。。。。。




「パワハラ?したよ?それがどうした。


悔しかったら訴えてみろよ、バーカ!」



こんな具合であろうか???






ちなみに、私も、


周囲から弁護士に依頼する必要性を指摘されており、


元上司等も、


「裁判しか無い」と、言う。



それは重々分かっているのだが、


大きな金銭と鉄のメンタルが必要なのが、裁判である。



ウチの上部機関は、


私からの聞き取りと称して捏造発言を記録し、


担当者が判をついていたりする、


悪質な人たちだ。



それを思うと、



今すぐ、どこか遠くに逃げたくなる。


人生から逃げたい。



いままで逃げずに頑張って来たけど、


息をするように嘘をつく人たちに、


どうやって対抗したら良いのか分からない。




逃げたい!!


と、パワハラやセクハラで尊厳を粉々にされた人々は、


思うであろう。



実際に逃げるのは難しくても、


「疑似逃避」なら、可能である!


「疑似逃亡」、「プチ家出」、「疑似ドロップアウト」。



死ぬ位悩んでいる人は、


これまで拙ブログでお勧めし、


筆者も実践している通り、


予定を定めず、


いきなり何処かに逃亡してみるのである。


クレジットカードとパスポートさえあれば、


ビザ無しで行ける国は沢山ある。



ちなみに、過去日記で、


家族にも職場にも告げずに一ヶ月あまり逃亡した教員の記事を載せた。


よほど追いつめられていたと想像され、


命があっただけでみつけものだ。


が!


家族には「しばらく家を出る。探さないでくれ」と言い残し、


心療内科にはちゃんと掛かる事をお勧めする。



それをやらないと、


無事戻って来ても、


自殺したくなるような新たな問題が沢山発生してしまうからだ。



追記・動画です

https://news.yahoo.co.jp/pickup/6250078



静岡労働局のコメントも出ています。


パワハラを指導する立場でパワハラが発生したのは遺憾云々。



よく言うよ。。。



原告は、提訴するまでに、


ほぼ百パーセントの確率で、


繰り返し、労働局には事情を説明しているはずだ。


提訴しなかったら、


きっと、じりじりと自己退職するまで追いつめていただろうに。。。





















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by leea_blog | 2017-08-10 15:59 | Comments(0)

江戸川乱歩「百面相役者」 乱歩さんの語りの妙。



拙ブログでは、

幻想文学を中心に、

堅苦しさを排除して、

「偏った名作」を紹介しております。


通りすがりの方々にも、

文学の面白さに、触れて頂きたいと思う次第。



さて、

今日は、江戸川乱歩の短編、

「百面相役者」です。


人面を剥いで面とし、被り、役者をするという、

これまた極まった不気味な趣味の話です。


人面を剥いで被る、というと、

アメリカのホラー映画、

「悪魔のいけにえ」に出てくる、

レザーフェイスを思い出す方も多いでしょう。

アメリカに実在した、猟奇殺人鬼がモデルになっています。


さて、日頃様々な報道に接しておりますと、

狂っているとしか思えない事件が沢山あります。

(猟奇に限らず!)


私も、若い頃は、

「現実の方が創作を大きく上回ってしまっているのではないか?

純文学に、今更何ができるのであろうか?」

と、思った事があります。


しかし、文学は、「文字を通して語る」あるいは、

「文字を通して語り直す」、という、「語り」の道であります。

テーマやアイデアがいかに優れていようとも、

文章が上手でなければ、読み進める事が出来ません。


逆に、文章が優れていれば、

目新しいテーマではなくとも、

読むに値する視点を提示出来ます。


例えば、「生きるとは、死ぬとは?」、

「愛とは?」、「美とは?」、「真実とは?」、

などというテーマは、大昔から世界中で繰り返し書かれたテーマです。

しかし、古くさいどころか、おそらく千年経っても、

くり返し問われ続ける事でしょう。


横道にそれました。

話は戻って、江戸川乱歩の「百面相役者」。


これは、オチが余りにつまらないのです。

しかし、再読してみると、

「オチ」を期待するべき作品ではなかったのです。


だましてくれてありがとう、と、

日常に良い意味での活気を注入してくれた、

語り手の中学時代の先輩、Rさんのような存在に、

感謝しなければならない話だったのですね。


さて、語り口の妙の一例として、

本当は冒頭から引用したい位ですが、

冒頭の次のページ位を以下に引用します。


ーーーーー

当時、日曜になると、この男をたずねるのが僕の一つの楽しみだったのだ。というのは、彼はなかなか物知りでね、それも非常にかたよった、ふうがわりなことを、実によく調べているのだ。万事がそうだけれど、たとえば文学などでいうと、こう怪奇的な、変に秘密がかった、そうだね、日本でいえば平田篤胤だとか、上田秋成だとか、外国でいえば、スエデンボルグだとかウイリアム・ブレークだとか、例の、君のよくいうポーなども、先生大好きだった。市井の出来事でも、一つは新聞記者という職業上からでもあろうが、人の知らないような、変てこなことをばかにくわしく調べていて、驚かされることがしばしばあった。

彼の人となりを説明するのがこの話の目的ではないから、別に深入りはしないが、たとえば上田秋成の「雨月物語」のうちで、どんなものを彼が好んだかということを一言すれば、彼の人物がよくわかる。したがって、彼の感化を受けていた僕の心持ちもわかるだろう。

彼は「雨月物語」は全編どれもこれも好きだった。あの夢のような散文詩と、それから紙背にうごめく、一種の変てこな味が、たまらなくいいというのだ。その中でも「蛇性の淫」と「青頭巾」なんか、よく声を出して、僕に読み聞かせたものだ。

下野の国のある里の法師が、十二、三歳の童児を寵愛していたところ、その童児が病のために死んでしまったので「あまりに嘆かせたまうままに、火に焼きて土にほうむることもせで、顔に顔をもたせ、手に手をとりくみて日を経たまうが、つひに心みだれ、生きてある日に違わずたはむれつつも、その肉の腐りただるをおしみて、肉を吸ひ骨をなめ、はた喰らひつくしぬ」というところなどは、今でも僕の記憶に残っている。流行の言葉でいえば変態性欲だね。Rはこんなところがばかにすきなのだ、今から考えると、先生自身が、その変態性欲の持ち主だったかもしれない。


ーーーーーーーーー


さりげなく、「「雨月物語」の中でも、

一番衝撃的な部分を引用してあります。

腐乱死体の肉を吸い、骨を舐めて、全部食べてしまう、僧侶。。。



語り手の話に登場する、Rという人物を語ることに依って、登場人物以外の作者や作品が語られる、という、

入れ子式の、私の好きな構造ですね。

読者はそこに挙げられる作品にも興味をもって読みたくなる。


で、その変な、偏ったことばかりを詳しく調べるRさんという人物、

わ、わたしの事か????

いやいや、乱歩さんじゃないのか?


偏った、変な、おどろおどろしい話をもっともらしく話して人を惹き付ける、

一昔前は、散見された、貴重な人種であり、

また、扱うテーマはそれぞれ違えど、

物語の書き手は、

はたからみれば、そのような人種でありました。


もっと身近な、多くの人が体験しているであろう、例は、

幼い子供に、寝る前のお話をしてくれる、親。


あるいは、小学校などで、

妙に怪談や犯罪の話や、戦争の話などに詳しい子が、

周囲に、語って聞かせる、とか、

昔は学年に一人二人はいました。

今はどうなのかな。

ちなみに、私も、幼少時、

自分の読んだ本を周囲に布教していました。

古典とか、神話伝説、幻想文学が守備範囲でした。




「語る」、「語られる」。


その醍醐味を、わかりやすく語った短編であります。


オチにがっかりするかもしれませんが、




つまり、Rが事件として調べている百面相役者の話が、

Rの作り話だった、というオチですが、


がっかりする所ではなく、

怖い話を作って友人たちに聞かせる子供みたいな、

子供心を濃厚に持ったまま大人になって、

周囲に影響を与えているRさんに、感嘆する所なのです。






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by leea_blog | 2017-08-08 22:28 | Comments(0)

江戸川乱歩「押絵と旅する男」あらすじ。日常が異界と交わる時空。二次嫁?


江戸川乱歩の作品を紹介して来ましたが、

今日は短編、「押絵と旅する男」を紹介します。

大変名品です。

蜃気楼、誰も乗車して来ない列車、異国渡りの双眼鏡、乱立する見せ物小屋の中に現れる浅草十二階、覗きからくり、恋煩いでやつれて行く兄、

と、並べただけで、妖しい心持ちにされるようです。

大変良く練られた短編で、幾層にも、仕掛けが施されており、

再読する度に、感嘆します。

とはいえ、私は江戸川乱歩を、

子供の頃に知った為、

乱歩の真の味わいは、

再読して初めて感嘆するに至りました。

というのも、「人でなしの恋」で触れたように、

子供にとっては、

乱歩の世界の登場人物は、

「よく居るタイプ」「ごく普通」に見えたのです。


「押絵と旅する男」は、

以下のように始まります。

ーーーーーーー

この話が私の夢か私の一時的狂気の幻でなかったなら、あの押絵と旅をしていた男こそ狂人であったに違いない。だが、夢が時として、どこかこの世界と食い違った別の世界をチラリとのぞかせてくれるように、また、狂人が、われわれのまったく感じえぬものごとを見たり聞いたりするのと同じに、これは私が、不可思議な大気のレンズ仕掛けを通して、一刹那、この世の視野の外にある別の世界の一隅を、ふと隙見したのであったかもしれない。

いつともしれぬ、ある暖かい薄曇った日のことである。それは、わざわざ魚津へ蜃気楼を見に出掛けた帰り途であった。私がこの話をすると、お前は魚津なんかへ行ったことはないじゃないかと、親しい友だちに突っ込まれることがある。そういわれてみると私はいつの幾日に魚津へ行ったのだと、ハッキリ証拠を示すことができぬ。それではやっぱり夢であったのか。だが私はかつて、あのように濃厚な色彩を持った夢を見たことがない。

ーーーーーー



魅惑的な語り口で語られ始める、魚津への旅。

夢にしては、これから語られる話は、細部に至るまで明確です。

魚津に行った事が有るのかないのか、

語り手が忘れているだけで、

実際行ったことはあるのか、

あるいは、話そのものが、細部に至るまで語り手の妄想なのか。

その、妙にリアルで細部も辻褄も明確だけれど、妙に曖昧な記憶、

その感覚は、誰しも、多かれ少なかれ、経験があると思います。

そうした感覚を、はじめから提示されると、

読者としても、

何か足元がぐらぐらと揺れてくるような心地で聞き入ります。


まずは、語り手が観に行った蜃気楼が詳細に語られ、

帰りの電車のシーンになります。

二等車両には、語り手ともう一人の客の二人きり、

夕闇が迫る時刻、外には誰も乗り降りしない、

車両の中。


もう一人の客は、

一見四十前後、

よく注意して見ると、六十くらいにも見えます。

大切そうに何か平たい物を、

表が窓の外に向くようにして、

立て掛けているのですね。

一体何をしているのか???

「押絵と旅する男」というタイトルから、

読者はそれが「押絵」だろうと推測出来ます。


が!

なぜ絵の表を窓の外に向けておくのか????

つまり、男から見ると、絵の裏側しか見えない訳です。


なぜ???なに?   何をしているの??・


と、読者も想像がつかず、話の続きを欲します。

何をしていたのか、最後に分かります。


語り手は、

その客が異様に思え、恐怖のあまり、逆に、男に近づきます。

男は語り手に、その扁平な荷物を示して、言います。

「わたくしは、さっきから考えていたのでございます。あなたはきっとこれを見にお出でなさるだろうとね」


うひゃー。

そして、男はその荷物を見せます。

それは、押絵でした。

押絵とは、飾り羽子板などで見ることが出来る、

わずかな立体感を持たせた、工芸ですね。

それが、語り手のこれまで見たことがないような、

精緻を極めた、名人の作であり、

異様な気配を発しております。

美しい娘が、白髪の洋装の男の膝にもたれかかっている図ですが、

髪の毛は人毛を使い、小さな指先には貝殻のような爪まであります。


その押絵が語り手に与えた衝撃は、押絵が生きている感覚を与えた事でした。

ーーーーー

文楽の人形芝居で、一日の演技のうちに、たった一度か二度、それもほんの一瞬間、名人の使っている人形が、ふと神の息吹をかけられでもしたように、ほんとうに生きていることがあるものだが、この押絵の人物は、その生きた瞬間の人形を、命の逃げ出す隙を与えず、とっさのあいだに、そのまま板にはりつけたという感じで、永遠に生きながらえているかと見えたのである。

ーーーーーーー

ほお〜。

はいはい、今の私にはよーく理解出来ます。

台湾人形劇、piliにはまって、

「人形を操る芸」に見とれていたのが、

つまり、人間が演じたらこういう味わいは出せない、


「人形が演じるからこそ素晴らしい芸」を観ていたのが、


「人形」だという事を忘れる、あの魔術的な感覚。

その結果、ウチにはpiliの木偶が二人おりますが、

どうにも、「人形」だという事を忘れまくります。

鉱物の生命体や、ガス状の生命体が宇宙にあるとしたら、

「人形」という、人間でも物でもない、存在。

その男にとって、その押絵は、そのような、

いいぇ、もっと直接的な、存在だったのでしょう。




そして男は、

肩に下げていた、異国の船長が持っていたという由来の、プリズム式双眼鏡を取り出し、語り手に、それを通して押絵を見るよう言います。

双眼鏡で観てみると、裸眼で見た時と全く違う世界が開け、押絵が、

真実生きているようにしか見えないのでした。

男は言います。

「あれらは、生きておりましたろう」

「あなたは、あれらの、本当の身の上話を聞きたいとはおぼしめしませrんかね」

そして始まるのは、

男の兄の身の上話。

兄、二十五歳の事でした。

その双眼鏡を手に入れてから、兄は、やつれ、引き籠もるようになります。それなのに、毎日欠かさず、つとめにでも行くように、何処かに出掛けるようです。

心配した母から言いつかって、男は兄を尾行します。

兄は、浅草十二階として知られる、「凌雲閣」のてっぺんに上がり、双眼鏡で必死に何かを毎日探しているのです。

双眼鏡で偶然見た、美しい女性に、一目惚れして、恋煩いになってしまっていたのです。

偶然見ただけですから、何処の誰かもわからず、また双眼鏡に映ってくれるありそうに無い可能性にすがって、

毎日凌雲閣から探していたのです。

そして! 見つかりました!

兄弟は、凌雲閣を降りて、浅草の雑踏を走ります。

しかし! 幾ら探しても、遠めがねで見た娘さんが見つかりません。

そしてやっと見つけたのですが。。。。

何と! 覗きからくり屋の、覗き眼鏡の向こうの、押絵の女性だったのです!!!!

ーーーー

兄が申しますには『たとえこの娘さんがこしらえものの押絵だとわかっておても、私はどうもあきらめられない。悲しいことだがあきらめられない。たった一度でいい、私もあの吉三のように、押絵の中の男になって、この娘さんと話がしてみたい』

ーーーー

やがて、兄さんは一計を思いつきます。

双眼鏡を逆にして、弟に自分を覗いてくれるように頼みます。

双眼鏡を逆にして覗いた兄さんは、小さく見えます。

どんどん小さくなり。。。

一尺くらいになったところで、姿を消してしまいます。

そして!

なんと、兄さんは、押絵の中の人物になって、うれしそうに娘さんを抱きしめていました!!!

「でもね、私は悲しいとは思いませんで、そうして本望を達した兄の仕合せが、涙の出るほどうれしかったものですよ。」


弟は帰宅して一部始終を両親に告げますが、気でも違ったのかと信じてもらえません。

そして、兄はこの世からは姿を消すのでした。

弟は親にねだってその押絵を手に入れてもらい、

兄と嫁さんを、こうして旅行に連れ出して、電車の外の景色を見せてやっていたのでした。


うわー!

不気味な筆致で描かれているのに、

実に良い話ではありませんか!

この、人間以外との相思相愛は、「人でなしの恋」に共通します。

人でなしの恋では、嫉妬した新妻に、人形が壊されてしまい、人形と相思相愛だった男は、自殺してしまいます。

が、「押絵と旅する男」では、弟が祝福してくれ、旅行にまで連れて行ってくれます。



一つ、悲しい事があるのです。

もともと押絵だった娘は歳を取りませんが、元は人間だった兄さんは、

押絵になっても、歳を取り、今は白髪の老人になっているのでした。



そして、語り終え、男は今夜の宿泊場所に下車していきます。


語り手は、その男の後ろ姿が、押絵の老人そのままの姿に見えたのでした。

おしまい。


もしかしたら、押絵の中に居るのは、

兄さんではなく、

男その人なのかもしれませんね。

あるいは、

そうした狂った話を作って、

押絵を持ち歩いて人に聞いてもらうのが好きな、

変な人なのかも知れませんね。

(乱歩の登場人物が多くの場合、行き過ぎていたように)

あるいは、

狂っていたのかもしれませんね。

あるいは、

語り手の作り話かもしれませんね。

色々な含みを濃厚に描いても、

これは、

困難な恋を成就させた、

しかも、人間と押絵という、大きな壁を乗り越えた、

という、

仮に妄想の中であっても、

実に、良い話であります。




現代日本では、

二次元のキャラに惚れ込んで、

人間と色恋せず、

「二次嫁」と称している男子が増えています。

女子も、増えていますよね、

そういう人。



「押絵と旅する男」を、

「良い話だなー」と思う人も、

人ごとならず思う人も、

多いのではないでしょうか。













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by leea_blog | 2017-08-05 22:57 | Comments(2)

日常雑記・アップ予定の本の紹介・湯治は実は心の病にも効くと感じている


八月だ。

転地療養から帰ってから、

手の平の温度が常温になっている。

元々冷え性で低血圧の私は、

体温が低く、

人と握手すると、相手から大抵、

健康を気遣われる位に、手が冷たい。


さらに職場のストレスが重なって、

血管が収縮し、

ますます末端は冷たくなる一方だった。



が!

手の平が常温になっている。

凄く画期的な事だ。



おそらく、

脳の血の巡りも良くなっている事だろう。



理由はいくつかある。
転地療養先では、以下の事を実行した。


●源泉に湯あたりするまで通った。
●ゴッドハンドのマッサージを受けに通った
●栄養のバランスのいい食事を続けた
●無理の無い範囲で沢山歩いた


この調子で仕事に復帰したいものだ。



が!!!!

部長と庶務課長が「西野の話は兎に角無視を続行」しているだけではなく、

係長レベルでも「無視開始」であるようなので、

折角投資して健康に近づいても、

例によって、またストレスで寝込んでしまうのであろう。

どうやったら「鉄のメンタル」が手に入るのであろう。



それは置いておいて、

心の病気で引き籠もっている人に、

私の体験を参考までにお伝えしたい。



心が病んでしまったとしても、

心は要するに、脳、

脳は身体の一部である。



湯治は、身体に効くので、

体の一部である脳にも良い効果が見込まれる。


心の病は、回復に時間は掛かるわ、

目に見える効果が無いわ、

手術したり菌を殺したりして治るタイプの病ではないわ、

で、闘病は、実は、かなりしんどい。


自殺しかかって精神病院の閉鎖病棟に入れられそうになった私としては、

「閉鎖病棟で良くなるのか?

ならない。

じゃ、ベッドに縛られるのは断る!」

ということで、

転地療養を実行している。


もちろん、心療内科に掛かるのは、必須で、

通院中だ。

それ以外に自分で出来る事を探した訳だ。




過去日記にも、

「湯治日記」をアップしているが、

重要なのは、

「温泉の質」だ。

「源泉掛け流し」、これは必須なので、

しっかり調べて転地療養しよう。




ちなみに、私は、

費用の関係で「通い湯治」にした。

それでも、効果がある。


体が冷たくこわばって、筋肉が鉄のようで、

触っても肉か骨か区別がつかない状態だった。

それが。

源泉に入り、何時間か経っても、

肩や頚を触ると暖かくて、

自分の体ではないような驚きを感じた!

びっくりする程の効果である。



勿論、寝込む程重症の人は、

腰を据えて、

何日も繰り返し入っては休み、入っては休みしよう。


大体10日から長くて二週間が1サイクル、

大体それくらいで湯当たりが出る。

一度日常に帰って、

また湯治、の、繰り返し。

すると、徐々に、

「前より良くなっている」のが実感出来るだろう。


勿論、経済的に余裕があれば、

一々自宅に帰らずに、

まとめて一ヶ月とか、三ヶ月とか、滞在しても良い。

湯中りしたら、温泉に入らず休養する期間を作れば良いのだ。


ただね、

「長期滞在の湯治」は、

それなりに地味にしんどいですよ。

温泉につかる、休む、食事、の繰り返しで、

大抵の人は、そればかり続くと、気持ちが滅入って来ます。



そして。

源泉と言っても、

温泉の種類で効果がかなり違う。

自分に合った温泉を見つけよう!



心の病で寝込んでいる人は、

食事の味も分からなくなって、

食が細くなっている場合が多いと思う。

源泉に繰り返し浸かるうち、

一週間ほどすれば、

「食事の時間が待ち遠しい』くらいに、

お腹がすく。



 何かの魔法のように、効いた。

身体の治癒能力も、アップする。


一回の湯治だけで何とかなる訳ではないが、

繰り返すうち、

「どん底から徐々に這い上がって来ている」実感が出ると思う。





さて、再読も進んでいる。

紹介したい本も、山積みである。


江戸川乱歩は、これまでいくつか紹介して来たが、

「押絵と旅する男」、これは外せないので近々紹介。


若い頃に読んで、今ひとつ心を動かされなかった横溝正史、

再読したら、これも偉才だなあ、と痛感したので、

「蔵の中」や「鬼火」を紹介予定。


テレビ人形劇、「新八犬伝」の人形で有名な、

人形師・辻村ジュサブローの随筆も読み直している。

人形愛にハマった現在読み返すと、

とても良く伝わってくるので、

人形とラブラブの「馬鹿日記」は程々にして、

本の紹介もして行こうと思う。












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by leea_blog | 2017-08-04 17:43 | Comments(0)