転地療養日記

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転地療養中です。

飛行機は遅れたものの、

無事転地先に到着。

普段引きこもりの生活をしているせいで、

パワハラで神経衰弱だから引きこもる訳です

自覚していたより、

体力が落ちていました。


ちょっと歩いただけで、

疲労で、めまいと吐き気が。


そうは言っても、

過去の転地療養経験を振り返ると、

転地先に到着して最初の5日くらいは、

毎回そんなものでした。

10日を過ぎると、

効果が感じられて来ます。


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さて、今回は、

最初の2日は、

定宿ではない宿を、新規開拓しました。


後日コメントします。



それも疲れた原因の、一つかもしれませんが、

体重が、

自分史上最高のデブ状態で、

重石をつけて歩いている状態、

というのも、あります。

処方されている薬の副作用かもしれません。

ひと月に5キロ太ったら、

服用中止、という薬のようです。

ひと月5キロって、凄すぎです。


私は5キロ未満ですが、

半年で二十キロは太ってます。

とほほ。


「ちゃんとした食事を摂る」、というのも、

転地療養中の、重要なミッションです。

食事処も、新規開拓してみました。


大当たり。

それも、後日コメントします。



ところで。

以下は、

pili好きさん以外には、どうでもいい話ですが。

ピリとは何か、というと、

台湾の有名な人形劇です。

霹靂、と、書きます。

霹靂台湾台という、専門チャンネルがあります。

11チャンネルです。


で、到着翌日の宿で、

piliを見ようとしたんです。

9時から二時間ほど掛り切りになる為、

食事もお風呂も済ませ、

タバコも吸い溜めし、

準備万端で臨みます。


9時になり、さあ観るぞ、と

テレビをつけたのですよ。

11チャンネルで、やっていないじゃありませんか!!

うわー!!!

マジで?


DVDを買えばいいんです。

でも、家のテレビより大きな画面で、

まだ持ってないシリーズを観て、

買うかどうか判断したいじゃありませんか。


と、まあ、つまり、

観られて当然と思っていた番組が、

観られなかった、衝撃!




あー、

これは、

私は初めての経験ですが、

人に聞いた事がある!

pili目的なのに、

ホテルでpiliか観られなかった悲しい事件!



ところで、その、私が初めて利用したホテルですが、

番組表に、しっかり霹靂台湾台も載っています。

ちなみに、ホテルの番組表に霹靂台湾台が載っているのを、初めて見ました。


大抵の旅行者は関心が無いから、

ホテルの番組表ではスルーされているんです。



もっと早くにテレビをつけていたら、

フロントに電話して解決を図れたでしょう。

が!

もう9時。

しかも、部屋の中は、荷物が燦爛して、

いや、産卵して、

いや、散乱して、

ホテルの人に入ってもらうには、

片付ける必要がある!


自力でとりあえずトライしてみよう。

と、チャンネルを変えるうち。


NHKが、
番組表と違うチャンネルで映った。

と、いう事は、

霹靂台湾台も、違うチャンネルで映るのでは?


と、一つ一つ、チャンネルを合わせてみました。

映った!

何と、65チャンネルで!

65回も、チャンネルを変えてみたんですね。


こういうのを、執念、というのでしょう。


まあ、こんな事をやっている間は、

パワハラの事も頭から消えている訳です。


ところで、今回は、

宮無后人形を同伴しています。

メンテは無し、

デジカメでの撮影も、

目的では無く、

撮影は、余力あったらするかも、という感じです。


単に、

「早く家に帰りたい!」と思わないように同伴した感じです。



そのほかにも、

小説のネタになるようなやり取りがあった為、

新婚旅行の予行練習として、

連れてきたのでした。














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# by leea_blog | 2017-09-16 19:31 | Comments(6)

馬鹿日記・台風

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台風接近中。


台風の影響で、飛行機のオンラインチェックインが出来ない!

明日は無事に飛ぶのか?


去年、無后を迎えに行った時は、

無后の居る台南に行こうとしても、

台風で地下鉄も鉄道も新幹線もバスも、

止まってしまった。



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無后を持ち運び用の鞄に横たえた。

本当、牡丹の花のような人だなあ。



この黒い鞄は、

本来は、PILIの木偶の持つ武器の為の鞄だが、

木偶のサイズにも合うので、

持ち運び用として、

台南のPILI直営店が、

くれた物だ。


大きすぎるので、

機内持ち込みが出来ない。

空港で、

無后を機内持ち込み用の鞄に移す。




ちなみに、台南の直営店は、

今はもう無いとの事。

思い出の場所だったのに、

残念である。





りーあ「無后、狭いでしょう?

空港まで我慢してね。

空港で、機内持ち込み手荷物のバッグに移すからね」

宮無后「。。。。。」

りーあ「無后?」

宮無后「公主、しばらく話しかけないでください」

りーあ「ええ〜?どうしたの?」



宮無后「感慨に浸っているのです」



りーあ「か、感慨???」


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移動用カバンに入れられて感慨にふける図。

う、嬉しそう。。。。。



そうかぁ。

色々我慢させていたんだね。








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# by leea_blog | 2017-09-12 20:58 | Comments(2)

転地療養直前馬鹿日記・および雑談・「香港の試着室」の都市伝説



リア友、あるいはまれびと冊子【揺蘭】執筆人の皆様。

昨日の、「不在のお知らせ」は、お読み頂けましたか?

まだのリア友関係者様は、

昨日のお知らせをお読み下されたし。


以下は、馬鹿日記である。



今日は、転地療養の準備が出来ていない反省日記だ。

まあ、飛行機はいつもの便だし、

宿はいつもの宿だし、

湯治に通う場所も同じ所だし、

ゴッドハンドのマッサージの先生もいつもの先生だし。

目をつぶっても行ける。




極端な話、

スマホとクレジットカードさえ持っていれば、

あとは、現地調達をすればいいのだ。



パワハラ、セクハラで自宅療養に追い込まれた皆さん。

「もう駄目だ」と思ったら、

スマホとクレジットカードだけ持って、

電車に飛び込まずに、「乗る」のです。



私も、闘病者のご多分に漏れず、

転地療養直前は、

金銭の心配と、

効果が思うようでは無かったらどうしよう、と、

暗い気持ちMAXです。



しかし、これだけは断言出来る。

何も変わらないなら、

転地療養は、

今見えるものを変えてみる、重要な一歩だ。



アニメ版進撃の巨人のオープニングにもあるでしょ。

「何かを変える事ができるのは

何かを捨てる事ができる者

何一つリスクなど 背負わないままで

何かが変わるなど 暗愚の想定云々」




と、書きながら、

出掛ける意欲を自分で刺激しているわけである。




今回は、実は、宮無后を同伴しようと思っている。


正式な新婚旅行はその内やるとして、

今回は、新婚旅行の「予行練習」だ。




前回の転地療養では、

後半は、

うちで留守番している、

素還真と宮無后が恋しくなって、

スマホの写真に投げキッスをしてしのいだのだ。

頭がかなりやられているようである。、、、。




無后を連れて行くとなると、

その分、

荷物を大幅に減らさなくてはならない。


重いから、汗だく必至。


すぐ乾く材質の服を選ばなくては。








それはいいとして。



私が北投温泉に通ったり、

マッサージに行ったり、

食事に行っている間、

無后にはホテルで待っていてもらう訳だが。。。



稀に見る美人さんだから、

誰かに誘拐されたらどうしよう!



身代金目的の誘拐じゃなくて、

人身売買目的の誘拐に遭いそう。




りーあ「無后、私が居ない間、

知らない人に付いて行っては駄目ですよ」


宮無后「知らない人に? 付いて行く訳がありません」


りーあ「よくあるのは、

“お母さんが交通事故に遭いました!

病院に連れて行ってあげます!”というやつ。

子供は付いて行っちゃうのよね」


宮無后「それは。。。」


りーあ「無后は世間擦れしていないから、

悪い人に騙されそう」



素還真「公主。

ご心配はもっともですが、

端から見れば、無后さんは人形にしか見えません。」



りーあ「それはそうかもしれない。

    と、いうか、忘れていたわ」





私の心配は、

特に心配し過ぎ、という訳でもない。


転地療養先は治安が良いが、

日本は特別に治安の良い国であり、

よその国に行く時は、

しっかりそれを認識する必要が有る。



都市伝説で、デパートの試着室、というのがある。


ある日本人が、

香港のデパートに、友人と出掛け、

衣類を試着した。

友人が、試着室からなかなか出て来ない。

みると、試着室はからっぽで、

デパートの人も知らないという。

友人の行方は、杳として知れなかった。

実は、

試着室の壁に仕掛けがしてあって、

友人は人身売買組織に誘拐されたのだった。

友人は、後に発見された。

が、手足を切り落とされて、

物乞いをさせられていた。

、という都市伝説。

最後の部分は、

手足を切られて、までは同じだが、

外国の金持ちに買われて囲われていた、とか、

特殊な趣味の人向けの売春宿の奥の室で見つかった、とか、

いくつかバージョンがある。

場所も、香港以外に、色々な国になっている。





私が若い頃よく放浪した地域は、

心が痛む事に、

一般旅行者は危険で行けなくなった国も多い。



しかし、日本人がよく行くタイにもリピートしたが、

安宿という訳でもない、

ちゃんとしたホテルに泊まった時。

今ならカードでキャッシングが出来るが、


当時は、現金、トラベラーズチェック、カードと、

行動資金を分散させておいた。

万一の場合に備えて、

日本円一万円札を、

荷物の、着替えだけ入っているカバンの、一番下に、忍ばせておいた。


短い時間の散策から帰って、荷物を調べると。

カバンの、服の下に隠しておいた一万円札が、無いではないか!

やられた。

上に重なった服は、乱れた様子も無いのに、

見事な腕前だ!

おそらく、従業員の仕業であろう。




あとは、

何枚かある札のうち、一二枚を失敬された事もある。

札の枚数をしっかりチェックしていないと、

盗まれた事に気がつかない。



アメリカでは、

長時間のフライトで疲労し、胃の具合が悪くなった。

知人と車で、ドラッグストアに胃薬を買いに行った。

知人は、店の前に車を止め、

「薬を買ってくるから待っていてくれ。

誰かが車の窓をノックしても、決して開けてはいけないよ」と言った。


店の前に車を止め、胃薬を買いに行くわずかな時間にも、

犯罪の危険があるのだった。。。




私が若い頃、アメリカ旅行のガイドブックには、

犯罪者に「金を出せ」と言われたら、抵抗せずに渡すように助言が書いてあった。

持っている現金が少ないと、腹を立てた犯罪者に殺されるおそれがあるので、

現金をある程度持ち歩くように、とも書いてあった。



当時、一般的に、日本の旅行者がいかに海外旅行に不慣れだったかを示す一例だ。

今はそんな事がガイドブックに書いてあったら、

該当国に抗議されそうである。



書いてなくても、気をつけたい事だ。



私が初めて出掛けた海外は、インドだった。

しかも、女性二人の個人旅行。


行きたい場所に行くにも、

リキシャやタクシーだと、

一向にたどり着けなかったり、

あらかじめ話し合った料金の三倍吹っかけられたりが、

普通にあった。



一向にたどり着けないとはどういう事かと言うと。


ホテル名を告げて、料金の交渉をする訳だが、

リキシャの運転手は、感じよく私たちを乗せて、

延々と、自分の知っているホテルを連れまわすのだった。

ホテルからバックマージンをもらうためだ。


私たちは目的のホテルに予約をしてある由、

ほかの宿は全く考えていない由を繰り返し強調した。

(本当は、予約などしていない)

散々交渉して、漸く目的のホテルに連れて行ってもらえたと思ったら、

何と、リキシャを拾った場所のすぐそばだった。

すぐ側のホテルにも拘わらず、

それを教えてくれないばかりか、

自分がバックマージンをもらえる宿に連れ回したのだった。



このような事は、特に珍しい話ではない。



まあ、殺されて身ぐるみ剥がれる事だってあるから、

可愛い話だ。


ゲストハウスでは、

散歩に行ったきり戻らない客の写真と情報が沢山壁に貼ってあった。


荷物は置きっぱなしなので、

何らかの事件に巻き込まれたと心配した主が日本大使館に相談に行っても、

「お前が殺したのだろう」と言われるしまつ。



インターネットが普及して、

海外の情報に接しやすくなった現在では、

多くの人が、自分の身を守る姿勢を手に入れていると思う。























   

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# by leea_blog | 2017-09-11 17:27 | Comments(2)

業務連絡・少しの間、不在のお知らせ

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↑撮影・西野りーあ



業務連絡です。


職場の対応が悪くなるばかりのため、



転地療養に出掛けます。


(私に無尽蔵の資産があれば、

庶務課や局とのやり取りはすべて弁護士に任せるのに。。。

転地療養して心身の状態が良くなっても、

庶務とのやり取りで、帳消しだ。。。)




13日から27日まで、

パソコンが見られません。

御用とお急ぎの方は、

携帯メールにご連絡くださいまし。



「りーあの携帯メアドを知らないが、

急ぎの用が!!!」という方は、

ここのブログのコメント欄に書き込んで頂ければ、

二日に一回はチェック出来ると思います。



緊急性が高いのは、

まれびと冊子【揺蘭】の原稿でしょうか。

締め切りを9月30日に設定してありますが、

到着日を、

27日以降に設定して下されたし。



宅配便など、

受け取りのサインが要る発送方法ですと、

受け取れなくて、

保管期限が来て返送されてしまう恐れがあります。









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# by leea_blog | 2017-09-10 19:17 | Comments(0)

馬鹿日記・要するに小学生の頃の願望が、この歳になってかなったということだ



さて。

谷崎潤一郎の名作、「少将滋幹の母」を、

二回にわたって紹介し、

まだ終わらないのである。

滋幹の、母恋いの濃密さが描かれているのである。


「その三」を書くのは後日になるが、


ここでちょっと気分転換。




左大臣時平が、老大納言・国経から、

宝物の若妻を奪う場面は、

前半のクライマックスで、

引用していても、

その筆致にくらくらとした。



小学生の頃、

この場面に感動した。



私も、このようなかさ高な罌粟か牡丹のような人を、

抱きかかえて館に連れ帰りたい!!!!!

   ↑

えっ、そっちかよ!

類い稀な美女にうまれて、

権力も胆力も頭脳も政治力も財力も美貌も兼ね備えた大貴族に、

退屈な日常から連れ出してもらう方じゃなくて???



違うの。

感情移入したのは、左大臣時平の方なの。






ははは。

実は、その願望は、かなったのだ。


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この人。
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男の子だけどね。

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まさに、かさ高な罌粟か牡丹のようではないか。



素還真の衣装は、

薄地なのでかさ高と言うほどでもないのだが、

宮無后の衣装は、

生地に張りがあるので、

かさ高。



この人を初めて抱き上げたとき、


私の脳裏を、

前回に引用した「少将滋幹の母」の一節が、

よぎったのでした。




小学生時代の夢が、

台湾の人形でかなうなんて。



と、ノロケてみたかっただけです。。。。






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# by leea_blog | 2017-09-07 22:55 | Comments(2)

谷崎潤一郎「少将滋幹の母」あらすじ・その二。北の方略奪の美




谷崎潤一郎の名作、「少将滋幹(しげもと)の母」のあらすじご紹介、二回目です。

一回目を先にお読み下さいませ。

http://leea.exblog.jp/26027729/

(拙ブログは、セキュリティーの観点から、直接リンクを貼れません。URLをコピペして飛んで下されたし)

前回に引き続き、

やや下ネタな話も含まれますので、
苦手な方は今回も飛ばして下され。


舞台は平安時代。
年齢70歳を大分超している老大納言は、二十歳ばかりの、たいそう美人の若妻を娶っていました。

北の方が曾祖父のような年齢の夫を愛していたか否かはぼかされておりますが、

老大納言の方は、この世に類いない若妻を、宝物のように愛しておりました。

二人の間には、幼い男の子も生まれております。
その、男の子と言うのが、

タイトルの、「少将滋幹」なのですね。
つまり、滋幹の母、というのは、この、老大納言の宝物である若妻のことです。

古典を紹介しながら、ゆったりと展開する、谷崎の王朝絵巻。

谷崎の好んだテーマの、「母恋い」、「悪い美女」、「美女に翻弄される男」、「闇に垂れ籠める高貴の女性」、「老人の性欲」、「日常の中の異常な体験」、などが、絡み合って、円熟の筆致で物語は、クライマックスに至ります。

前回は、当時活躍した有名な色好みの平中と、意地悪な美女の、侍従の君のお話を紹介しました。

今回は、
老大納言と北の方(奥さん)の物語を中心にご紹介します。

色好みで名高い平中は、この北の方とも、二度ほど逢瀬を遂げています。

平中は、美人が居る、と噂を聞けば、言い寄らずにはいられないのです。

そして、菅原道真を太宰府に流した事で有名な、左大臣、藤原時平は、平中とは色恋の話をするのを好みます。

そして、時平は、大納言の美しい北の方の噂を聞き、平中から「世評通りの美人に違いないかどうか」、を聞き出します。

「あれだけの顔立ちのお方は、ちょっと外に見当たらない」と聞き、時平は、北の方を奪うため、老大納言に近づきます。

そのあたりの、老大納言の心中、老人の目を盗んでその妻と密通する事に良心がとがめて遠ざかっていた平中の心中、なども、その揺れ動く様が、語られています。

老大納言の北の方への執着も、凄い。

老大納言は、北の方のゆたかな頬に皺だらけな頬を擦りつけて、寝物語をします。

以下、引用。

「老人は、北の方が黙ってうなずいたのを自分の額で感じながら、一層つよく顔を擦り着け、両手でうなじを抱きかかえるようにして彼女の髪を長い間愛撫した。二三年前まではそうでもなかったのであるが、最近になって老人はだんだん愛し方が執拗になり、冬の間は毎夜北の方を片時も離さす、一と晩じゅう少しの隙間も出来ないようにぴったり体を喰っ着けて寝る。そこへ持ってきて、左大臣が好意を示すようになってからは、その感激のせいでつい酒を過ごし、酩酊してから床に入るので、なおさらしつっこく手足を絡み着くようにする。それにもう一つ、此の老人の癖は、閨の中の暗いのを厭うて、なるべく燈火をあかるくしたがるのであった。と云うのは、老人は北の方を手を以て愛撫するだけでは足らず、ときどき一二尺の距離に我が顔を退いて、彼女の美貌を賛嘆するように眺め入ることが好きなので、そのためにはあたりを明るくしておくことが必要なのであった」


女性からみれば、
五十も歳の離れた老人が、隙間も出来ないくらいに毎晩密着してきて、閨のうちでも明るくして若妻の美貌を舐めるように見る癖がある、となると、

「恋愛結婚でもないのに、

幾らなんでも気持ち悪過ぎる!!!

昔の女性は大変だなあ」

としか思えません。、。

それに加えて、老人は耳が遠く、自然夫に対しては言葉数が少なく、分けても閨に入ってからは殆ど無言で過ごす、と続きます。

コミュニケーションもほとんど無いのだな。。。

閨で無言、それは、北の方に取ってひたすら黙って時間の過ぎて行くのを待つしかない苦行だからであろう、と、読書は推測します。

さて、右大臣、藤原時平は、この老人に事あるごとに贈り物をし、老人に感謝感激の念を起させます。

老人が感謝し、時平の求めには、物惜しみしない、という気持ちになるまで、追いつめます。

そして。
老大納言の館で開かれた宴の席で、
時平は、引き出物に、
「私の館には勿論、やんごとない九重の奥にさえないもので、ご老体のお手もとにだけあるもの」、と、老人の宝物を所望します。

「殿、物惜しみをしない証拠に、これを引出物に差し上げます。お受け取りください!」

と、御簾の奥に居た妻を。

この辺りの描写は、大文豪の筆力が遺憾なく発揮された、読者をくらくらとさせる文章で、

小学生の頃に読んだ私も、
脳裏に焼き付いたシーンです。

以下、引用。

「最初、国経が御簾の蔭へ手をさし入れると、御簾のおもてが中からふくらんで盛り上がって来、紫や紅梅や薄紅梅やさまざまな色を重ねた袖口が、夜目にもしるくこぼれ出して来た。それは北の方の着ている衣装の一部だったのであるが、そんな具合に隙間からわずかに漏れている有り様は、万華鏡のようにきらきらした眼まぐるしい色彩を持った波がうねり出したようでもあり、非常に嵩のある罌粟(けし)か牡丹の花が揺らぎ出たようでもあった。そして、その、人間の大きさを持った一輪の花の如きものは、ようよう半身を現したところで、まだ国経に袂をとらえられたまま静止して、それ以上姿を現すのを拒んでいるように見えた。国経はやおらその肩へ手を廻して抱きかかえるようにしながら、もっとその人を客人たちの方へ引っ張って来ようとする風であったが、そうされるとなおその人は、御簾のかげに身を潜めようとした。顔に扇をかざしているので、目鼻だちは窺うよしもなく、扇を支えている指先さえも袂の中に隠れていて、ただ両肩からすべっている髪の毛だけが見えるのであったが、
「おお!」
と叫んで、時平は恰も美しい夢魔から解き放たれたように、つと御簾の傍へ走り寄ると、大納言の手を振り払って、自分がその袂をしっかりと掴んだ。」


「さあ、御一緒に、わたくしの館へ参りましょう」
彼はいきなりその人の腕を取って肩にかけた。女は引き立てられながらさすがに躊躇するらしく見えたが、でもしなやかに少し抵抗しただけで、やがてするすると体を起こして行くのであった。

屏風の外で待っていた人々は、急には出て来ないであろうと思えた左大臣が、忽ち恐ろしく嵩高(かさだか)な、色彩のゆたかなものを肩にかけながら物々しい衣ずれの音をひびかして出て来たのに、また驚きを新たにした。左大臣の肩にあるものは、よく見ると一人の上臈、この館の主が「宝物」だと云ったその人に違いなかった。その人は右の腕を左大臣の右の肩にかけ、面を深く左大臣の背にうつぶせて、死んだようにぐったりとなりながら、それでもどうやら自分の力で歩みを運んでいるのであったが、さっき御簾からこぼれて見えたきらびやかな袂や裾が、丈なす髪とよじれ合いもつれ合いつつ床を引きずって行く間、左大臣の装束とその人の五つ衣(いつつぎぬ)とが一つの大きなかたまりになって、さやさやと鳴りわたりながら階隠の方へうねって行くのに、人々はさっと道を開いた。」



と、このようにして、老大納言国経の宝物の若妻は、左大臣時平に、連れ去られてしまうのでした。


続く。

次回は、北の方の幼い子供の、「母恋」の濃密な部分を紹介します。















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# by leea_blog | 2017-09-07 22:19 | Comments(0)