呪術としての化粧とけわい・日常編

*コールで縁取った目は災いを遠ざける

モロッコのフェズ。市場にコールを買いに行った。
アラビアの、粉状のアイライナーである。象牙の棒(もちろん木でも可)に付けて目のふちをなぞるようにして付ける。いわゆる化粧品だが、女性だけではなく、子供や、中には男性も付けていた。
コールで縁取った目は、災いを遠ざけるという。眼病も防ぐ効果があると聞いた。化粧や装身具は、もともとは呪術的な意味を持っていたようである。

市場で物を売っているのは男性である。買い物は男性の仕事で、野菜や肉(鶏や鳩、兎が生きたまま売られている)、香料を買っていく。化粧品や下着類も、妻や娘から頼まれた物を、男性が買うのだ。そういうわけで、私がコールの付け方を最初に習ったのは、店の売り子の男性からだった。
目線を下にして、まぶたを半ば降ろす。コールを付けた棒を水平に持ち、まつげの際に、すっと横に引くようにして粉を置く。


昔、博物館で、化粧道具の細い棒を見た。目の隈取りに使ったというが、なにしろ、棒状である。筆文化の日本人の小娘には、どのようにして使うのか、さっぱりわからなかった。

筆のように先端を使うのではなく、水平にして棒の面の部分を使うのであった。棒の面ををまつげに沿って当てると、線状に粉が付く。しっかり粉を付けようとすれば、そのまま横にひけばいいのだった。


*奇跡のようなガスール

コールの店では、他の化粧品も扱っている。日本でも最近髪染めに使う、「ヘンナ」あるいは「ヘナ」。植物性染料である。髪だけではなく、肌にも、入れ墨のように繊細な模様を描ける。

そのほかに。茶色の薄い土片、岩片のようなものが篭に盛り上げてあり、それはコールやヘンナ同様に、何種類もある。知らない者には、発掘してきた煉瓦片(薄くはがれている)が篭に盛ってあるようにしか見えない。
「これは何ですか」と問うと、「ガスールだ」とのこと。何に使うのかと聞けば、売人の男性はやや考えた末「シャンプーだ」という。
 堅そうな岩片がどうしてシャンプーなのか、私は悩んだ。どうやって使うのかと聞いてみた。地元の人から見ると、間抜けな質問であろう。水で溶かして使うとのこと。濡らすと泡立つのかな?固形石鹸みたいな感じか?
コールを買いに来るからには少しはものがわかるはずだ、と思ったか、店の人は、天然物であるガスールのすばらしさ、質と種類についていろいろ話してくれた。試して見ろ、と言われたが、宿まで持って帰るのが重そうで、購入しなかった。


長らく、岩片シャンプー、ガスールは心に引っかかっていた。

「ハーレムの少女ファティマ」に、ガスールの素晴らしさと用法が詳述されていた。ご紹介したいが、移転直後で、本がすぐに見つからない。この本は、モロッコのフェズで生活する女性達の生活と考え方を、そこに生まれ成長してゆく少女の視点で語っている。


ガスールは、
シャンプーだけではなく、リンス効果、全身の石鹸、泥パック、ローションとしても使える優れものである。様々なものを適宜ブレンドし、自分の肌質に合った使い方ができるのだ。


最近、ガスールに再会。東急ハンズで。
アロマテラピー用の香炉を旧住所に置き忘れた私は再購入するかどうか煩悶しつつ、東急ハンズのエスカレーターに乗った。発見。ガスール。をを、売ってる! 原産国モロッコ。150グラム500円。


購入しました。
人から頂いた薔薇色の小鉢(底に薔薇の絵柄有り)に入れ、これまた人から頂いたローズウオーターを注ぎ、待つこと3分。

頚肩腕・腰痛症腰痛症を患う私は、前屈みの動作が苦痛である。近頃の洗顔の手抜きは、目に余るものがある。
ましてや、泥パック・トリートメントなんてしている時間と体力がなかった! ああ。

とろりととけたガスールを顔に載せ、洗顔とパックを一緒に済ませようと試みた。

天然の微粒子が吸い付くような感覚は、見た目と裏腹に使用感は一級でした!

死海の泥のような刺激感や突っ張り感は無し。

マニアじゃない方にもお薦めしたい。ネットでも購入できます。

溶かすのは、もちろん水で可です。
薔薇水やオレンジ、ラベンダー水で溶かすとか、お気に入りの水で溶かすとか、エッセンシャルオイルを混ぜる、蜂蜜や卵や果物を混ぜる、死海の塩を混ぜるなど、いろいろやってみると楽しいですね。


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以下、輸入元の(株)レナードさんのホームページより。

成分と働き、レシピについてhttp://www.naiad.co.jp/ghassoul/


同ホームページの、「ガスールの故郷モロッコ」の文章も優しい香りの文章がいいですね!


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ついでに、ハマム、「浴場」を紹介したホームページも検索しました。風呂好きの日本人としては、すっごくこの極楽具合が理解しやすい。アラブに行ったらハマムに行け。日本に来たなら温泉に行け! トルコやシリアでは、ハマムは「公衆浴場」と言うより宮殿じゃないかと感じました。


ハマムhttp://www.mayoikata.com/M_BUNKA/life/hamam1.html
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# by leea_blog | 2002-03-28 01:03 | Comments(0)

ゆりうた事務連絡

     **移転に伴うご連絡**




 『ゆりうた事務局が移転したらしい。新連絡先はどこですか』とのお問い合わせを頂いております。



いやはや、もっともなお問い合わせですね。
メールは変更無しです。
郵便物は無事、転送されますので、旧住所にそのまま宜しくご送付下さりますようお願い申し上げます。
宅配便系は、旧居にしばし留まります。幸い、旧公開連絡先は実家であり、捨てられるおそれ無しに、実家から転送されます。
どぞ、どぞ、今後とも宜しくお願い申し上げます。


詩歌関係でご送付下さる方は、
『風の便りにりりあん・りなりーあは今はさきたま圏外らしい。さりとて転居事務連絡も無いし。いかがなされた?』とご心配をお掛けしている場合があるようです。
もーしわけない!

転居の通知は公共機関以外、お出ししてないのですよー。
事情は長くなるので割愛! 『一刻を争う、至急連絡取りたい! 』という場合は、お知らせ下さいね。善処いたします。
個人情報公開って、ビミョーですね。

いやー、連絡事は、年賀状をやりとりする方々でさえ、私がお出ししたのが戻って来ちゃったり(私のミスだが。。。)、私の留守電にメッセージ入れたのに何故か消えて伝言届かなかったり(後の再連絡で判明)、と、なかなか、するするとは運びませぬ。


便利な時代になっても、一番信頼できるのは地道な人力である、などなど、私自身省みているところです。

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余談。群馬県万座温泉での湯治時に初めて携帯電話を手にしました。緊急連絡用として。弟しか知らないはずだった携帯に、弟以外からの伝言が多かった事! みんな間違い電話です。ふぅー(汗)

 仕事の連絡らしいものも、一言「電話下さい!」と怒声で告げる女性声もありました。
得意先にこってり絞られる会社員や、愛人に愛想を尽かされる熟年男性の姿が目に浮かびました。
お悔やみ申し上げます。
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# by leea_blog | 2002-03-26 01:02 | お知らせ | Comments(0)

あざらし女房伝説

花粉症に苦しみつつ、図書館で雑誌をめくっていた。
「トドのカレー」の寸評が目に入った。驚愕した。
「熊のカレー」や「えぞ鹿のカレー」もあるのだが、それらは珍しいけど、ありそうだ。しかし、トドは。。。。。

極秘事項ながら、わたしはあざらしが好きである。あざらしととどとおっとせいは似ているが、ちがう。ちなみに北海道では、あざらしもとどもまとめて「とど」と呼んでいる、と聞いたことがある。

カレー缶の宣伝文を引いてみよう。以下。


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北海道に流氷とともにやってくるトドを
カレーにしました。
北海道ならではのカレーをお楽しみ下さい。

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何というか、江戸川乱歩を思い出す味わいの文章である。
トドの肉、というより、この文章に強烈な衝撃を受けた。


たまたま、昨年の暮れに出た「揺蘭」に、多少愚かだがきわめて心根の良い男が食肉業者にだまされ、売られたフィクションが載っている。男を召し使っていた女主人・芳香様は、届けられた肉をシチューにして食される。人肉は特にお好みではないのだが、善良さゆえにしたたかさに欠けていた男を、気の毒に思われて食されたのであろう。
「使えない男の肉など、捨てておしまいなさい」とおっしやる事も出来たのだ。不器用な使用人でも、お見捨てにならないあるじである。男は死後、春の光の一部となって芳香様のもとを訪れる。光となった男には俗界の情はもはやなく、芳香様のお心を安らがせるのである。
誰でも光の一部になれるわけではなく、男の心根が光に通じるものだったからではないだろうか。。。。


そのようなわけで、私も、あざらしやとどを食したいとは思わないながら、何とも言えぬ思いで、ネットで検索してみた。
ある、ある、トド肉関係の商品、コメント。話題の商品のようだ。

販売しているホームページを一部、以下に挙げてみた。
「それってどんなの?」と思われた方は、行ってみてください。




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トド生肉、トド味付け肉、トド缶詰、
http://www.d1.dion.ne.jp/~y_buki/koyomi.html

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北海道の珍味いろいろ
http://www.infomarine.co.jp/sakanaya/shop/goods/29.html
鹿肉・熊肉・トド肉・あざらし肉・かにみそ北海道ならではの珍味を揃えました。 
○えぞ鹿肉大和煮
北海道の雄大な森林と草原の境目に棲息し、その肉はルイベ(凍らせた肉を薄切りにした刺身)やすき焼きなどとして人気があります。その美味しさを損なわないように大和煮にいたしました。
○熊肉大和煮 
珍しい熊の肉を筍と一緒にみそ味に味付けし、舌ざわりの良い独自の大和煮に仕上げました。熊肉と筍の絶妙な味わいをお楽しみください。
○トド大和煮 
トドは「海のギャング」と呼ばれ、魚網を破り、魚を大量に食べる漁師の大敵です。独特の臭みがある肉を、ショウガやみそ等の香辛料をうまく使って大和煮にいたしました。
○アザラシ大和煮
水の中でくらす食肉類のアザラシの肉と筍を独自の加工法により、缶詰にしました。やわらかいアザラシの肉と筍の大和煮をぜひ一度ご賞味ください。

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あざらし肉もあるようだ。
どうせなら、鮮度の良いのを、生で食べたい。。。。


食べるよりも、一緒に暮らすほうがいいな。海外に「あざらし女房」の伝説があったな。日本の、天女の羽衣を隠して妻にする話と同じ。やはり、女房は帰ってしまうのである。
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# by leea_blog | 2002-03-23 01:00 | Comments(0)

三月 都市 繊月

三月都市繊月
さんがつ とし せんげつ
下弦・上弦 血の色の


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夜の住宅街で道に迷った。
昼ならともかく、夜。迷路状。ランドマークは無い。
地図も磁石も無く、道を問う人通りもない。


行きがけ、赤い繊月を見た。
いま、月は、どっち? 月の位置で大体の方角を確認しようとした。


ぶじ、帰宅した。天体に詳しくない自分でも、とっさにそんな行動をするのだ。

ちなみに北極星で位置確認するのは基本だが、この辺りでは期待できない。星が見える夜が少ないのです。空全体が、曇ってぼーっと発光している感じ。下界の灯りが雲に反射して、夜空が明るいのだ。


昔の人なら、天体のみならず、空気の流れや、植物のわずかな伸び具合で、「こちらが北、こちらが東。都心に向かってあれがこうだから、すると、赤塚の駅はここからうんたらのなんたらの方角」とわかるのだろう。


便利に慣れると、そういう感覚が日常から遠ざかる。道に迷うことを、おおいに歓迎したい。
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# by leea_blog | 2002-03-16 00:59 | Comments(0)

Holly Warburton


リンクのコーナーにホーリー・ワーバートンさんのHPを追加しました。


映像表現ホームページは、語学力を必要としないだけにインターネットの恩恵を痛感します。
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# by leea_blog | 2002-03-16 00:59 | Comments(0)

家々に 花が。

罌粟を買ってきた。


花瓶がないのに気づいた。ペットボトルの首の部分を切り、即席の花瓶にした。安定感が悪いので、花を壁にもたれるようにして、置いてみた。なかなかいける。ペットボトルの、厚みのない透明感と水の光の加減、不安定さ、植物のしなだれかかる曲線。


散歩していると、家々に花が溢れているのが嬉しい。
「ガーデニングが流行だからって、何処もかしこも陳腐に取り入れやがって」
などなど、文句も聞こえてきそうだが、こればかりは、流行に飛びつく国民性を嬉しく思う。
家々の花は、通りすがりの目の保養。無関係の通行人にもお裾分けする心意気、いいじゃないですか。


ところで、昨年。物件を内覧中に、大阪出身の不動産屋さんいわく、「東京は駅の近くでも木があって驚きましたよ」
街路樹や“災害時の避難場所”といった体の公園のことなのだが、大阪って、そんなに木が無かっただろうか?
吉野熊野に詣でるさいに、しばしば大阪に立ち寄ったが、緑の気配は濃厚だった。少し目を上げれば山があるしね。私、答えて曰く、
「大阪は駅を少し離れれば山も海もあるから、駅前に木を植える必要が無いのでは?」
関東平野は、晴れた日の朝方と夕方に、遙か彼方に山が見えれば良い方。駅前に無理にでも木を植えなければならない事情が有りそうだ。

大阪人のご意見はいかに。


都内の公園には、苦情を言いたい。土が不自然で、木があっても、「一応植えました」といわんばかりの風情。やる気を無くすことおびただしい。
土が平に踏み固められている、あるいは、小砂利が敷かれている、あるいは空いているところにむりやり芝が植えてある。人工環境のオフィスを離れても、植物の有るところに来た気がしないのだ。管理されすぎ。空気が悪くて植物も元気というわけにいかないだろうが、入園料を払うような公園なら、もう少し気を配って欲しい。


景気がよろしくないと、人心も荒れてくる。こういう時期こそ、植物動物に触れ直して、鋭気を養う余裕が欲しいものだ。
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# by leea_blog | 2002-03-09 00:58 | Comments(0)