我は全ての希望の墓—


児童向けファンタジー本、スーザン・クーパーの闇の闘いシリーズを読み返した。以下、第四巻『樹上の銀』より引用。




水晶の剣に到るには壁が五つある。それらは剣の上に黄金の火文字で刻まれた五つの文に記されている。聞きたいか?
(中略)


我は全ての杜屋(もりや)の胎(たい)、

我は全ての丘の火、

我は全ての巣(す)の女王、

我は全ての頭(こうべ)の盾、

我は全ての希望の墓—

我はエイリアスなり!


グィズノー王は砂を洗う波のような長い長いためいきをついた。突然、大きな音と共に壁際の木彫りの衝立が二つに割れ、床に倒れた。縞模様の壁の上にくっきりと、ブァランが唱えた文句が黄金の文字で記され、輝いているのが見え、その下に、スレートの大石の上に、光る氷柱のように水晶の剣が横たわっていた。
 王はゆっくりと、硬張った体を動かしてなめらかな藺草の敷物を横切った。白い衣の上にまとった濃緑の長上着の背に、薔薇と跳ねる魚からなる王家の紋章が金で縫い取られているのが見えた。グィズノー王は剣を手に取り、ものうげな力無い体を三人の方に向けた。模様の刻まれた剣の平に、これほど美しいものを造れたのが不思議だというように指を走らせた。

(闇の闘い 『樹上の銀』より スーザン・クーパー 浅羽莢子訳)



著者注によれば、
“第四部に登場する剣エイリアスに付せられました五行詩は、かつてロバート・グレイヴスにより、古代アイルランドの「アマギンの歌」の結句として提案されたものです。”
とのこと。
この詩だけ文章の格が違うのはそのせいであったか。

ちなみにエイリアスとは、水晶の剣の名前で、ウェールズ語で大きな火、燃えさかる火、という意。

 
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# by leea_blog | 2004-01-05 03:58 | Comments(0)

謹賀新年

新年おめでとうございます。
静かで穏やかな元旦の空気。



薔薇闇回廊に、大晦日に作成した新年挨拶画像をアップしました。

元旦というのに昨夜の続きの大掃除と年賀状作製に追われ、2004年初めての食事を取ったのが15時30分過ぎでした。

と、いうのも。病弱詩人の事務をゲリラ的に手伝う『必殺・賀状作製お手伝い人』様が、黒潮の流れを眺める内に潮に混じったりり山の苦難を見いだして、元旦の食事を持ってはるばる舞い降りてくださるとのこと。

有り難いことだ。赤葡萄酒とマオタイ酒、頂き物の薔薇を漬け込んだ日本酒と、お飲みにはならないかも知れぬが蛇を漬け込んだ酒を心を込めて用意し、食べ頃の渡来のチーズを盛り合わせ、美味な乾し果物を厳選し、腰痛にむち打って掃除を続けながらお待ちしたのであった。

“先に軽く食べておいて”と言っては下さったが、13時半にはお着きになるらしいので時間を惜しんで散らかった辺りを片付けした。

しかし、待てどくらせどお着きにならない。なんと、『必殺・お手伝い人』様は馴れぬ陸旅、違う電車に乗って違う方面にいらしてしまった模様。電車から見える景色に不審を抱かれ、確認の電話を下さって間違いが分かった。
携帯電話で道順をナビしつつ、憔悴した私は手近なドトールコーヒーに入り熱い紅茶を飲み下した。生き返って見回せば、元旦というのにドトールコーヒー店内は人が一杯なのであった。人通りもけっこうあるなぁ。晴れ着を着た人は見あたらず、みんな、“新春ご近所何となくウオーキング”といった感じである。

ようやく到着なさった『お手伝い人』様と、餓えきったりり山は、古代米のご飯や馬鈴薯サラダ、焼きたての麺麭と葡萄酒で腹ごしらえにかかったのだが、それが15時30分を回っていたのであった。

日頃人生に悩んでおられた『お手伝い人』様は、酒の合間に新春の悩みをお話になるのだった。色々あったが2003年の苦悩を大きく糧になさったご様子。不肖、海域神殿地霊教精霊支社をあずかる私も、昨年ご助言申し上げた甲斐があるというもの。お話を聞きつつ私も酒が進み、実際に作業を始めたのは19時近くなってからでった。

当然終わらないが、一人でやるより身体的に楽であった。『お手伝い人』様は明日も困っている人の為、密かな手助けに飛び回るべく、お帰りになったのであった。
ありがとう、表現者の味方、『お手伝い人』様!
良い一年になりますように!

今、作業ですっかり冷え切った指をオイルでマッサージしつつ考える。りり山の年賀状を切に待ち望み、郵便配達が来るのを今か今かと待っているお人がいるかというと、いないのである。
例えば“りり山さんの年賀状が来ないと早く見たくてとても落ち着かないんです〜。お願いです、一刻も早く投函して下さ〜い”という声でもあれば寝ずに書くだろうが。クリスマスプレゼントみたいに待ちこがれるものでもないのだから松の内に着けば十分ではないか?


 と、徹夜で書くのは止めにするが、少し心が痛むのは、もらって嬉しいものは自分も出そう、というシンプルな習慣からそっと後ずさる感じがするからなのだ。

皆様、よき新年をお過ごし下さい。
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# by leea_blog | 2004-01-01 03:56 | Comments(0)

降誕祭、冬至過ぎ、新年近し

 降誕祭おめでとうございます。

基督教徒でも何でもないので、特に目出度くはないのだが、冬至が過ぎて日増しに陽が長くなるのは素直に嬉しい。
おまけにもうじき冬休みだ。懶惰な日常が待っている!

これが祝わずにいられるか、とばかり、井筒ワイン(コンコードに限る)を片手に北欧渡りの蝋燭を沢山灯し、風呂には死海の塩と花の精油を入れ、植物の再生力を身につけようとヘナで髪を染め、、、。深夜過ぎたら邪悪な作品に手を染めよう。。。

聖夜だというのに(いや、あえて狙ったのか)スロウハンドさんから桃寿さんの作品添付のメールが来ていた。詩人の笠井嗣夫さんが以前スロウハンドさんに送ったものを、さらに私用に送ってくれたらしい。
美形の天使の画像なら是非送って欲しいところであるが、ううん、まぁ、何と言おうか。

桃寿さんって誰か?
大阪河内長野の家族殺傷大学生と交際していた女子高校生。TVニュースでは彼女がHPに発表していた詩が事件報道とセットで映された。

お茶の間(死語か?よーするに、リビングダイニングルーム)では普段見ない文字が並んではいるものの、作品自体はまともなものだった。好きか嫌いか、上手いか、とか、唸るか、とか、魅せられるか、は別として、犯罪と結びつけるのは短絡に過ぎる。

報道の度に詩が流れるので、不快は怒りに変わっていった。


書いている内に翌日となた。後日に続く。
あるいはスロウハンドさんの掲示板に続く。
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# by leea_blog | 2003-12-26 03:55 | Comments(0)

冬至、そしてスロウハンド氏の。。。

皆様は昨日、柚子を浮かべたお風呂に入っただろうか?


寒さはまだこれからとはいえ、日毎に陽が長くなるのはとても嬉しい。祝いの意味で柚子湯入ろう。小さな太陽みたいな丸い果実を沢山湯に浮かべよう。農薬やワックスが湯に溶けて広がるのは嫌なので無農薬の柚子を買って帰ろう。。。。

しかし、夕暮れ時、私は女性達に誘われて、地酒と料理にうつつを抜かすべく、店の戸を、かがまないと通れない小さな入り口だったが、嬉々として潜っていた。家に帰った頃は深夜を回っていた。柚子湯は来年に取っておくことにした。去年もこんな感じだった。。。。。。


ところで、大阪の16歳「桃寿」氏の作品をどう読んだかと話題を振られた。自身の問題として丁寧に読み込もうとするハンドルネーム、スロウハンド氏の掲示板。
↓↓
http://6811.teacup.com/stm2919stm/bbs

氏の文章と初めて会ったのは、天狗仮面こと宮崎二健さんから頂いた俳誌「もののふ」だった。連載で激論が交わされていたが二健さんの采配も含め大変面白かった。

他にも「もののふ」は、読み手を視野に入れた激論が多かった。つまり、相手を批判し、なじる場合も、文章や言い回しそのものにひねりがあって、読みがいが大いにあったのである。ワザがあり、芸があるのだ。自分の感情や相手の言い分、さまざまな野次を抱えて遠巻きにしている読者を、ちゃんと見ていないと出来ない作業だ。俳誌の面目躍如である。


詩人は、はたで読んでも面白い議論というのが得意ではない。もちろんそういう人ばかりではないが、中傷合戦に落ちる傾向が強くないか。いまだに、ちょっとちょっと考えるのである。
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# by leea_blog | 2003-12-24 03:54 | Comments(0)

消えた薔薇闇


ちまたで風邪が流行っている。。。。
わずかに残った木の葉も、日々少なくなって行く。。。
年末が来るのが早すぎる。つい先日、年末の多忙を嘆いたばかりと思ったらもう一年経ったのか。。。

ところで、薔薇闇回廊がごっそり消えてしまった。
ある日突然、何の警告もなく。
ただ今復旧工事中です。
闇の回廊ゆえに手探りで。
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# by leea_blog | 2003-12-14 03:53 | Comments(0)

ネット上の本屋、昔は嫌いだったが。日々工夫がされて、見直したりする。。。。

リンク『遊行の小径』に、古書関係二つ追加しました。

アマゾン書店内の古本売り場「マーケットプレイス」と、天市場内「古本屋街」です。

インターネットの古書店のお陰で、探していたレア物や絶版物が手に入る可能性が格段に増えました。


アマゾン書店の商売上手には、唸るばかり。
普通に新刊本を検索しても、マーケットプレイスに出品されている物があれば新品の値段と同じ頁にUSEDの値段も表示されます。絶対新品が欲しい!という人でなければ、マーケットプレイスの部分をクリックして比較検討できるのです。
アマゾンは、さすが洋書の古本にも強いのが有り難いかも。本のみではなく、CD等も同様。


そして、アマゾンで購入した事のある人がアクセスすると、下の方に
——○○さん、¥ ●●●●● で商品が売れます!
Amazon.co.jpで購入した商品を出品しませんか?——
と、自動的に表示が出てマーケットプレイスへの出品を促すのです!


その人の購入歴や検索歴で好みを割り出し、勝手に個人向けお薦め本をピックアップしてくれるわ、本を検索してると右端に関連CDが表示されるわ、「この本を買った人はこんな本も買っています」と関連有りそうな商品がずらりと表示されるわ、その下に「同じテーマの商品を探す」ボタンがあるわ、それをクリックすると関連商品の表示が関連度:高:中:低に別れて表示される仕組みになっているわ。。。。


入力した単語しかヒットしない検索機能を補って余りあるこの工夫!
本物の書店をふらついて手にとって探す生身の楽しみには比べるべくもないけれど、利用者の要望を汲み上げて売り上げアップを図る努力には、ホント頭が下がります。


一方、楽天市場の古本屋街は。
いやぁ、オープン記念に一冊の注文でも送料無料!という呼び文句に刺激されて早速駆けつけましたが。すべての本が送料無料とは違うのでした。
ネットの取引は、単価が安くても送料と代金振り込み料が別にかかるんですよね。合計金額が新品とあまり変わらない額になることも多くて。絶版本以外は、あまりネット古書店は使わないんですよ、結果として。
マーケットプレイスは登録してあるクレジットカード決済なので振り込み料はかからないんですが、楽天の古本屋街は、銀行振り込みの所が多かったです。ネット商売に参加するなら、イーバンクとかジャパンネットバンクとかに口座開けば、買う方は振り込み料が助かるのに。ひいては売り上げ増につながるのですが。。。


私はアマゾンに良く立ち寄るので、マーケットプレイスに、とある品を「これが出品されたらメールで知らせてください」という登録をしておいた。SAHARA BLUEというCD。ランボー没後100年記念に各国のミュージシャンが朗読と音楽を融合させて作られた代物。知り合いからダビングしてもらって聞いたが、テープは劣化する。保存版としてCDが欲しかったのだが、既に絶版で諦めていたのだ。
で、登録はしたものの、待てど暮らせど出品されなかった。まったく、それを買ったすべての人に価値があるわけじゃないだろうに。。。ミュージシャンの名に引かれて買ったけど中身は詩のろーどくかよ!と顧みない人も多いだろうに。。。すぐ飽きちゃった人もいるでしょう? 出品して欲しいなぁ。。。
登録の期限が来るたびに更新して、一年以上も立ったある日。ついに古CD屋が出品してようやく入手できた。


そういうわけで、皆様に告ぐ!
自宅で眠っている本やCD、要らない分は捨てずに出品して下され。自分には価値のない物でも、他の人には宝かも知れないのだ。


本やCDに限らず、あらゆる物に言えるだろう。オークションに出しましよう! 何処かに、待ってる人がいるかも知れない。。。。
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# by leea_blog | 2003-11-30 03:51 | Comments(0)