出かけてきました。三鷹まで。
はじめて聞く浪曲&講談、しかも原作はアニメ!。不可能を可能にする催し! 「声だけで、あなたの心と脳、揺さぶります。」とのキャッチコピーどおり、揺さぶられました。 浪曲&講談ファンだけれどアニメに関心無いお客、アニメファンだけれど浪曲や講談は聞いた事がないお客の、双方を満足させなければならないこの困難さ。更には、ワタクシのように、高畑勲アニメにはとんと疎く、浪曲&講談もはじめて聞く、けど胸を踊らせている、難しい客も混じっている訳です。 浪曲も講談も、伝統と型があり、型の中で新たな試みを展開してゆくので、それだけでも聞き所は沢山。 始めに、玉川奈々福さんの浪曲版「平成狸合戦ぽんぽこ」。 アニメよりも分かりやすかった! 二時間のアニメを四十分ほどの浪曲にするのだから、煮詰められているのですが、煮詰めた感が無い所も凄い。三味線との見事な掛け合いで進むお話は、逆に映画を見た時にはそれほど感じなかった「合戦」感が、ぐんぐん胸に迫ってきました。狸にとっては、まさに「合戦」だったのだ、と。また、「共存」の視点の重要性を、自然に胸に染み込ませます。ただただ、魅せられました。 次は、神田陽司さんの講談版「母を訪ねて三千里」。 氏の熱烈リスペクトするところのアニメ版を講談で提示しよう、という試み。全五十数話のアニメを、30分の講談にするって????。いやぁ、素晴らしかったです。アニメを講談にする不可能さを実演しつつ、8歳の少年が母を訪ねてイタリアからアルゼンチンに向かい踏破したその距離が、いかに通常ありえないかが観客の頭に大きなスケールで広がります。「イタリアの星」亭のエピソードに焦点を絞りつつ、語られなかったエピソード群を思い描かせる手腕。アルゼンチンで事業をやっているおじさんの元でおっかさんは働いているはずが、マルコが来て見ればおじさんは行方知れず。どうやっておっかさんを探すの? 無理じゃん、と、その苦難を様々に想像しつつ聞きます。こ、これは、アニメ版「母を訪ねて三千里」を見たい。そして、わずか50頁程と言う原作も再読したい。 何より、講談という型の、語りの魔力を堪能しました。 最後は、演者お二方と高畑勲氏の鼎談。世界名作劇場を、ほぼ日本中の子供たちが見ていたのだ、と、ワタクシは知った。神田陽二さんの押さえようとしてもこぼれ出る高畑信者振りも心が温まりました。客席からの質問も、回答も、冴えたものでした。 うーん、堪能しました。 創作講談や創作浪曲、もっと世間に広まるべきだ、と痛感。 磨きに磨いた芸は、現在進行形の現在に、見事に様々な物を提示する。 語られる言葉が、どんどん薄くなり、軽くなり、批判を逃れる為に無難になる現代。定型の伝統芸能の濃密な語りは、耳だけではなく五感に響きます。 どんな世界か、是非かいま見て下されたし。 コピー&ペーストして飛んでね、神田陽司さんのサイト。 http://www.t3.rim.or.jp/~yoogy/index.html
by leea_blog
| 2009-11-08 13:55
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