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幕張のホテルとマンハッタン自殺未遂常習犯

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↑(ホテルの浴室からの夜景と滞在中の自画像)

 所用でマクハリに出かけた。マタ・ハリではなく、マクハリ。
 そう、幕張メッセのある、千葉県の、幕張。

 ほとんど思いつきで、マクハリにあるホテル  ザ マンハッタンを予約した。
 ホテルのホームページを見ると、レディースプランが幾つか有り、その内のシンプルなスイートレディースプランを予約しようとした。が。販売限定室数は売り切れだった。

 土曜日のホテル宿泊は代金が跳ね上がる。しかも、ワタクシは一人だ。一人宿泊は思いつきで行動ができて便利だが、出費がかさむ。海外に行った方が安上がりだ。
 いやはや。それ以前にワタクシには重大な問題がある。体が弱いのだ。隣の県である千葉県に出かけるのさえ、ホテルで一泊しなければならない。フツーの人なら軽く日帰りの距離である。

 ホテル ザ マンハッタンは、なぜマンハッタンなのかは不明だ。
 千葉県だし、マンハッタンという名前は唐突だ。
 
 余談だが、アーティストの草間やよい姐さんの著書に『マンハッタン自殺未遂常習犯』がある。名著だ。草間姐さんの著書は、ワタクシがうら若い頃『クリストファー男娼窟』等の名著も出ていて、アーティストがぶっ飛んだフリをした本を知名度に任せて話題狙いで出したのか、と勘ぐりたくなる出版社(あああ、ごめんなさい、中高生だったワタクシにはエンターテイメント系で儲けていた所はそういう印象があった。他意は無い)から出ていて、手にするのが遅れた。
 ドラッグ中毒の男娼の破滅の話を現代美術家が書いた、というだけで、損な設定だ。つまり、期待が出来なさそうな印象が先行するのだ。

 実際は、文学理論が虚しくなるような凄い才覚で、現代美術家の手すさびや話題性を狙った作品では全くなかった。
 最初の1ページを読んだだけで、代金以上の価値がある、と判った。
 そして、手垢の付いた理屈をこねくり回しているたぐいの当時の文学議論相手を論破するのには草間を薦めるだけで事足りた。
 いえいえ、論破は目的じゃないんです。地動説を夜を徹して突き詰めようと議論する人たちに、「え〜、時間の無駄でしょ? だって、現実は違うんだもん。天動説が前提の話に移行しませんか?」と、流れを変えたいだけなのだ。
「何言ってるの、地球中心は常識だろ」というのが大抵の反応だから、お話の取っ掛かりを作るために、薦める本が幾つか有るのだ。

 幻想文学は、実はリアリズムよりも現実的なんです。表面を遠くから見て議論したり思いこみで決定したりが、ちょっと我慢ならないんです。神話伝説は煮詰められた真実だ、という、あの理論です。


 で、ホテルザマンハッタンの名がどういう由来かは不明だが、少なくとも草間の『マンハッタン自殺未遂常習犯』にあやかったということは無さそうだ。
 アットホームで快適さと開放感、ホスピタリティーに満ちていたからである。

 宿泊はマクハリでなくとも良かったが、ここを選んだ。
 海際に餓えていた。そして、ここは部屋の設計に工夫があった。
 決め手は、ビューバスと女性心を刺激するロクシタンの限定アメニティ(五千円相当)。

 話は戻る。
 インターネットで該当レディースプランは売り切れ、と表示されていたが、土曜というのに部屋には空きがあるようだった。諦めずに当日の朝、電話をした。をを! 電話の向こうの若い女性が物慣れない口調で告げるには、これこれの部屋ならご用意できるとの事だ。思いつきの宿泊だから、私にも高価な部屋の予算はない。ビューバスとロクシタンの限定アメニティが有ればいいのだ! 運はわらわに味方した。

 感じの良いホテルだった。
 部屋の設計と内装に圧迫感が無く、海を見ながら風呂に入れるのは、極楽である。値段も、ロクシタンのアメニティが付くなら、安いと言える。

 安いか高いかは、実際の価格に比べての満足度で決まる。一泊朝食付き一万九千円は場所柄を考えれば特に安くない。が、部屋は心地よく落ち着くし、ビューバスだし、ロクシタンのアメニティ限定バージョン付きで、部屋の設計に工夫があって、従業員も感じが良いとなれば、値段以上の満足度がある。

部屋の広さは私の泊まったスタンダードタイプで30平米ほど。
都内ホテルは、30平米位の部屋だとスタンダードではなく「広め」の内に入る。広さが必要な方は、すこし離れた地域で泊まることをお薦めしたい。

ザ・マンハッタンの近辺には幕張メッセやアウトレットモールのガーデンウォーク幕張もある。駅を降りてホテルに向かうまで、行き交う人々はほとんどが歩きやすい靴を履いていた。しまった、この近辺は歩きを楽しむ場所が沢山有るらしい、と気づいた。
 アウトレットモールは充実しており、思いつきで宿泊に来ても買い物が出来て便利だ。ワタクシは歩きやすいサンダルと、雨が降ってきたので傘と上着、入浴のための塩とアロマキャンドルを入手した。

 ホテルでゆっくり読もうと思って、本はフランシス・ジャムの本を中心に沢山持参した。旅行用ミニカーとの中身は本とノート、、、、、。しかし今回は、死海の塩の半身浴とロクシタンのボディクリームマッサージで終わってしまった。時間が足りない。。。。。


このホテルは満足度が高い! 女性の、一人でふらり、に向いている!
ビジネスプランとして、17時以降チェックインのお手頃プランもあります!
ホテルHPは、以下

http://www.the-manhattan.co.jp/
 


 海を恋する。
 膨大な水に浸食され形を変える海岸線、淡水地域と決定的に異なる動物相植物相、空気に混じる苦甘い潮の気配、そして、陸地部分と決定的に異なる視界。
 体力が落ち、弱った心身を引きずり回復を求めてたどり着くのは、地の底から湧き出る温泉か、膨大な塩水である海のほとりだ。

 マクハリに出来る予定のマンションの見学も予定していた。
 これは敢え無く却下だった。職場から遠すぎて、電車の本数も少ない。地下鉄有楽町線で新木場まで行き、京葉線快速に乗り換えるのだが、快速なのに、マクハリまで延々とたどり着かなかったのだ。これじゃ通勤は難しいでしょう。

 豊洲のマンションはどうしたかって? 検討中だが却下の方向である。海に近すぎると、洗濯物が潮臭くなるそうだ。家電品も潮気でやられるという。何より、場所柄、冬は寒かった。寒さと海風で外に出られそうにない。マンションから駅までの7分程度の距離でも、飛ばされそうな程風が強かった。地下鉄で豊島区辺りまで帰ってきたときは、別の国に来たかと思うほど春の近い、風もない、雨がけぶるように降る程度の温暖な気候だった(空気はよくないけどね)
by leea_blog | 2006-05-01 00:31 | Comments(0)
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