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文学フリマ 

先週の事。

疲労で熱っぽいというのに、揺蘭執筆者・夜の会主宰の横山克衛さんと、秋葉原まででかけた。

何しに???
文学フリマの見学に。

【揺蘭】の宣伝に参加を希望したのだが抽選で外れたのだ。
ちょっと感心した。アナログ文学冊子イベントで、抽選するほど参加希望者がいるというのが凄いではないか。
文芸フリマではなくて、「文学」フリマという命名も気に入った。
文芸と文学の、この微妙なようでかなりの違い。
自ら名乗る場合も、「文芸やってます」と「文学やってます」では、姿勢が全く違う。


眠いよ〜、疲れたよ〜、おなか空いたよ〜、やる事が一杯有るんだよ〜状態で秋葉原に着き、会場がワシントンホテルのとなり、という事だけは頭に入れてあったので、あとはカンで歩いていった。
あっけないほどすぐ見つかった。立地が良い!

会場はごった返していた。会場内案内図も品切れで、参加冊子のサンプルが置いて有るスペースは人が多くて近寄れず。狭いから人が多く見える、というのもあるが、それを差し引いても人が沢山居て驚いた。

良い事ではないか。
活字離れがうんぬんされて久しいのに、アナログ冊子系の人がこんなに。
マンガ・アニメ・二次創作系なら別として、「ブンガク」ですぜ?

よくよく見て見ると、人は凄く多いのに交流や販売が活発というわけでもない。人が滞留しているだけだ。私も端から端まで眺めて歩いたが、ちょっと売り子さんと話していると、人の流れがせき止められてしまう。

ブンガク作品だから、ぱらぱらめくっただけで善し悪しは分かりにくい。少なくとも、そのサークルの趣旨や傾向、方向性を聞くなどやりとりしないと、手に取っただけではわからないのだ。

歩いていると、チラシやフリー冊子が差し出されるので、参考にもらいまくった。時々足を止めてどんな傾向の冊子か聞いてみる。返ってくるアピール文句に、「執筆者のだれだれが何々賞の何々選考まで残って云々」、が多い!!!!  

「一般書店に並んでいる物ほど質は良くないですが是非いかがですか」と言っているようなものではないか。そういうものにお金を出して、これだけ本が溢れている時代に、自分の時間を裂いて読みたいと思うだろうか?
さすがにスルーできなくて、「そういうものが読みたければ普通の書店に行きますよ」とやんわりきっぱり言うしかなかった。

こっちは自費出版物を見に来ているんだから、そんなアピールは見当が違うでしょう。
「へっへっへっ、マダム、これなんかいかがですかい?  普通の本屋やインターネットじゃ、絶対お目にかかれませんぜ? 一口で言うと、鬼才ってところでしょうかね」
これくらいのアピールしてくれないと。

「絶対面白いですよ!」というアピールも多かった。何を面白いと思うかは人それぞれなのだ。どういう作風でどういう風に面白いのか聞いて見ても、的を得た答えが返ってこない。

難しい話をしたいわけじゃないのだ。こういう所に来る客は、一般書店に並ぶ本と同じ物を期待しているわけではないし、客自身かなりの読み手だったり自分も書いている可能性が高い。本を読まない人も作品を書く時代だしね。つまり、何らかの形でブンガクに関心が有る、しかもフリマまで足を運ぶ位に、何らかの形で文字表現の「通」だったりする。赤川次郎のファンがアンドレ・ブルトンを面白いと思わないとか、泉鏡花のファンが携帯小説に関心がないとか、それくらいはお互い大前提にしたい。

「手に取ってご覧下さい」と、売り子さん達から呼び止めたのだから、客に自負ポイントを聞かれたら、普通に作者の信念を言えば良いだけの事と思うが。フリマ系は客と作者の生のやり取りが面白いのだし、それが要らないならネットで自費出版物買えばいいような?

と、まぁ、ウチの冊子とはだいぶ傾向が違うサークルがほとんどのようでした。作品傾向が違うというより、自分でお金を出して作品に向かう事の意義が違いすぎる気がする。。。。
(人口密度が高くて求める物に出会えていなかった、という点は、間違いない。)


それでも。手渡されるままにもらいまくったチラシやフリーマガジンは、帰りの電車の中で見るに、工夫が凝らしてあってかなり面白い物も多数!
一枚の紙に何かを込める姿勢は、ブンガクというより文芸的に、芸をこらしてあった。【揺蘭】の宣伝用チラシでこんなインパクトが有る物を作れるか、というと、チラシへの熱意が足りない点で、揺蘭執筆者では勝負にならないだろう。

後でアクセスしたくなるチラシも結構有り、出かけた甲斐はあった。
ただ、会場の通路が狭すぎだ。ブンガクはヴィジュアルでセンスがわかる物では無いだけに、客がもっとゆっくり見て回れて、作者と会話を交わしつつ冊子を手に取りたくなる会場レイアウトを期待したい。 
by leea_blog | 2007-11-17 01:26 | Comments(0)
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