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夕涼み という 言葉。 夏の夕暮れ。



梅雨が明けた。
実生活の感覚としては、とうに明けていた気がする。

昔は、夏に雨が降ると涼しくなった。大地に打ち水をしたように。昨今は、熱せられたアスファルトやコンクリートの上に雨が降っても、涼しくならない。むっとする湿気が加わるだけだ。

昨日、昼、すさまじいにわか雨があった。
低い雲の上をバリバリと雷が転げ回っており、雷雨が好きなワタクシは半ば嬉々として家の扉を開けた。にわか雨に冷やされた大気が顔を打つはずが。蒸し器のような熱気に打たれた。
「何、これ」と憮然としつつ、雨の中を駅に向かったのだった。

昔は【夕涼み】という言葉があった。
真夏でも、夕方になればすうっと過ごしやすくなったのだ。夏の夕暮れ、夏の夜は、ことのほか美しかった。家から出てきて、いつまでも薄明るい夏の夕暮れを、夕風を感じながら楽しんだのだ。

今は、夕方になっても涼しくない。息苦しい熱気が嫌な湿気をまじえて滞留し続ける。慢性熱帯夜。

【涼む】という表現も、使われなくなっている。
「ちょっと涼みましょう」という具合に使う。現在では涼しい気配を堪能したいなら、クーラーの効いた場所に行くしかない。

土と木が沢山ある場所なら、話は別だ。みっしりと繁った夏の木陰には、ひやりとする空気が溜まっている。そうした場所に行き着く為には、電車で二、三時間、さらにバスで五六十分かかる。

「そう言いなさるな。海ぎわがあるじゃないか」、と、東京湾に出れば。レインボーブリッジを渡った頃から、空気が一変する。空気が生きて流れているのだ。夜の海にたゆたう屋形船の灯も美しい。が。ホテルの部屋代が、近寄りがたい値段になっているのだった。。。。。
by leea_blog | 2008-07-19 13:48 | Comments(0)
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