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みのりの秋 葡萄のたわわ 秋の貪欲


実る、果実、実、豊饒という言葉は、使い古されているにもかかわらず、心の深部にうるわしい揺さぶりをかける。古い古い時代から受け継がれた血が、反応する。

秋は、美しい果実が、木の実が、景色いっぱいに宝石を織り込んだようにきらめく季節だ。

無花果、あけび、梨、葡萄、胡桃、プルーン、栗。
一気に王侯貴族の食卓になる。

食べ切れない。だが食べないと傷む。そして、冬は食べ物が無くなる。獣達は秋の滋養を詰め込んで冬に備えようとする。リスは胡桃を貯蔵しようと地に埋め、小さな両手でぽんぽんと地を叩き、そして貯蔵した場所を忘れ、胡桃は発芽する。

食べる、収穫する、貯蔵するこの季節は、獣の血が目覚める。
自然がたわわにさし出す宝玉類をどん欲に食するのは、すぐに来る冬を生き延びようとする本能だ。

そしてまるまると太った兎や鹿や栗鼠や猪を、肉食の獣が食す。
冬を、生きて越える為に。

退化した獣である我々も、彼らの「生き延びる本能」が発する光を浴びよう。秋のみのりを食し、ジビエを食そうではないか。
by leea_blog | 2008-09-19 00:53 | Comments(0)
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