2018年 03月 03日 ( 1 )

台湾の人形劇・布袋戯の、ピリ。木偶のサインにまつわるおはなし



3月3日だ。

お雛祭りである。

お雛祭りにふさわしく、
人形の話をしよう。


「りーあさんは雛祭りじゃなくたって、
人形の話ばかりじゃないか!!!」と、

冒頭から突っ込みが入りまくりそうである。


今日の人形の話は、
リアル「人でなしの恋」の「馬鹿日記」シリーズとは違う。

真面目に感嘆する話だ。



友人方の最近のコメントで、
明らかになった事が有る。

台湾の伝統的な人形劇に、
布袋戯というものがある。

それが現代型に発展したものに、
「霹靂(ピリ)」、というシリーズ物がある。

大変長く続いているシリーズだ。


日本人が想像する人形劇とは、
全く違う。


予想外の度合いが強い時に、

「想像の斜め上を行っている」という表現が使われるが、

ピリは、

「想像の斜め上を行っているかと思ったら、

斜め上の角度が凄過ぎて、

驚き呆れて、ノックアウトされてしまった」感じであろうか。


当家には、

苦労の末お迎えした布袋戯の木偶が二人いる。

その内の一人、薄幸の美青年、宮無后は、
官偶である。

官公庁が作っている木偶というわけではない。

日本語で言えば「公式」、

霹靂国際公司で生まれた木偶である。



宮無后の衣の裏側に、

社長と副社長の直筆サインがある。


今日はその話だ。

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「官偶は、みな社長副社長のサインがあるのかなあ?

トップは超多忙のはず。

それとも、

何かの場合にだけサインするのかなあ?」と、

初心者の私は、疑問に思っていた。



友人のSさんが、教えてくれた。


官偶には、

すべて社長副社長、あるいはどちらかのサインがある、

それで私偶と区別が出来る、

公式のイベントなどは、官偶しか参加出来ない、

とのことであった!


私は、驚いた!



一体一体手作りで、

完成まで何ヶ月も掛かるし、

お値段も張るので、

じゃんじゃん作られてじゃんじゃん売る、というものではない、


とはいえ!


「限定30体」等なら、

わかりますよ。

でも、

そういう限定的な話じゃないんですよ。



日本だったら、

シリアルナンバーを入れるだけ、とか、

ロゴ入れるだけです。



日本でも、手作りの人形だったら、

人形師がサインを入れるかも知れないけれど、

超多忙な社長・副社長が、

じきじきに売り物を長期にわたって

一々検分して直筆サインを入れる、という発想が無い。



もちろん、サインがあればファンは喜ぶ。

でも、日本では、

限定30体とか、

「サイン会」とか、

何かのイベントの時だけですよね。


日本では、

劇中に出てくる登場人物の人形が売っていたとして、

(そもそも日本では、人形劇の人形が、実際演じられるそのままの形で売っている、

という事は無いし。。。。)

ファンの方も、全部に直筆サインが入っていると全く考えていない、という前提です。



全部の官偶に入っているとは!

その手間と熱意に、圧倒されました。




人形師のサインと、企業のトップのサインは、

また別の意味になる。



人形師のサインは、

画家が絵にサインをするのと同様の意味だ。




伝統人形劇を発展させて長く台湾の人々を魅惑している企業のトップの直筆サインは、

もっと総合的な行為である。



私の脳裏には、

ダライ・ラマやローマ法王が、

信者に祝福を与える図がよぎるのであった。


自分が長期にわたって心血を注ぎ続けた結果、

この世に生を受けた人形たちを、

一体一体見分し、お迎えを待つ誰かの元に旅立たせるにあたっての、

サイン。


例えば、社長室では、以下のようなやり取りが?

秘書「社長、本日お店に出せる木偶が到着しております」

社長「おお、そうか。入りなさい」

まだ意識の目覚めていない宮無后がしずしずと入って行く。

社長「宮無后か。

  これはなかなか良く出来ているじゃないか。

  無后、お前は可哀そうだったな。

  今度は幸せになりなさい。

  祝福のサインをしてやろう」


副社長室でも。

副社長「宮無后、沢山愛されるように、念を込めてサインを入れるよ」
  
   ↓
出荷される。
  ↓
店に出る。
  ↓
海を越えた国の人が、速攻で迎えにくる
  ↓
日本に来る。
  ↓
段々意識が目覚めてくる。
 ↓
持ち主を悩殺する
日本で二度目の雛祭りを迎える。
   ↑
今ここ。


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by leea_blog | 2018-03-03 14:57 | Comments(12)