マニアの世界は、
「買うも地獄、
買わぬも地獄」。
先日の日記に、
書画骨董のオークションに参加していることを書いた。
オークションが終了していないため、
今は詳細が書けないが、
資金力のあるコレクターや、
業者がいるようである。。。。
この世に多くても150しか存在しないマニア向けのブツ、
作者はもうお亡くなりになっている、
もう作れない、
とあれば、
多少保存状態が悪くても、手に入れたい人は、
私だけではない。。。。
駄目亭主的に例えれば、
以下のような感じである。
妻「おとうちゃん、やめて! それ、最後の千円よ!
太郎のミルク代なのよ」
亭主「うん、うん、分かっている。
俺に任せろ! 夕方までに10倍にしてやるからな」
と、最後の千円を握りしめて、競馬場へ走る。。。。
江戸時代の浪人的に言えば、
掘り出し物の墨絵を買ってしまい、
代金が払えなくて娘が遊郭に売られてしまう。。。。
娘「父上。
どうぞご安心を。
わたくしにおまかせください。」
と、人買いに連れられて行ってしまうのを、
大泣きしながら見送る父。。。。
娘は吉原の高級遊郭に破格の値段で引き取られる。
幼い頃から養父に仕込まれた色香と剣の腕で、
男だとばれる前にお客を殺害。
夜があける前に浪人の元に戻ってくる。。。。
娘。。。こんな感じであろう。↓

↑
いやいや、竹田出雲の浄瑠璃みたいに、
「痩せ浪人の娘、お宮・実は身をやつした宮無后」なら、
人買いは、吉原の高級遊郭なんぞに売らずに、
「百年に一度の名品、
某国君主が手塩にかけて育てた、手中の珠」、と、
内密に将軍家に献上すれば、
使い切れなくて困るくらいの小判を賜わるであろう。。。
↑
が!!! それだと、
将軍家に寵愛されて、無后は浪人の元に戻れないであろう。
そんなの嫌だ嫌だ〜。
馬鹿話は置いておいて。
パワハラで寝込んでいる拙者には、
レア物のオークションなど、
身分不相応でござる。。。
ただし、オークションとは恐ろしい物で、
魔物が棲んでいるのでござる。
はじめのうちは興味半分で見ていたものが、
競り合ううちにヒートアップし、
どうしても手に入れなくてはならないものに見えてしまうのでござる。
拙者は、競りに勝った瞬間に、
血の気が引いた経験を積んでおり、
その恐ろしさを良く知っているのでござる。。。
と、いうことで、
今日は、賢人に相談してみることにしました。
その前に、
宮無后の夏の衣装を紹介しましょう。
絽の長襦袢を着せてみました。
紅の衣のスパンコールが透けて、
夜空の星のようにまたたくのでございます。
その、またたく様が、
うまく撮れずに残念でございます。
↓
宮無后に掛けてある埃よけの覆いを取ると、
どこからともなく、
甘い香が。。。
なんだろう。。。。。
部屋の整理中だから、
香水の瓶を落したのかしら????
と、匂いの元を探していたら。。。
過去日記に書いた、木偶用整髪料の香でした。
「幸いなことに、香の(サンダルウッド味)」という、
謎の日本語が書かれた、
あれです。。。
おそらく、
「幸せになれる、サンダルウッドの香」と、
言いたかったのではないかと、。。。
サンダルウッドの味、いやいや、香かと言うと、
微妙で、
昭和の時代の、場末の水商売の女の人がつけている香水のような???

宮無后「素還真様。
今日は折り入ってご相談がございます」
素還真「おや。
素某をお呼びになったのは、
公主だと思っていましたら、
無后さんでしたか。
何でもお話下さい」
宮無后「お呼びになったのは公主でございますが、
無后も、ご相談したいことがあったのでございます。
じつは。。公主が、近頃、
フィギュアに話しかけているのでございます。。。」
りーあ「無后や。
貴方の心配はよく分かりました。
後でじっくり話を聞きますよ。
今日は、まずは、
私が素還真に相談が有るのです」

↑
ウチの素還真は、
眼が大きい系の作りですが、
これは、製作を注文した時に、
スマホに入れておいた眼が大きい系の素還真の画像を何枚か見せて、
「こういう感じの顔でお願いします」と、
依頼したからですね。
いつも、夢を見るような穏やかな眼差しで、
私を見てくれます。
性格が優れて良くて、賢くて、超俗な人です。
(かなりの苦労人なのに)
素還真「公主。
何でもお話下さい」
りーあ「詳しくは、過去日記を見てちょうだい。
そして、ブツはこれなんです。
(パソコンの画面を見せる)」
素還真「他にも沢山、ウオッチしておられますね」
りーあ「ほとんどは、入札する事はなく、
ウインドウショッピングのようなものです。
眺めて楽しんでいるだけなの。
そのブツが出品されたのを知ってしまったのが、
運の尽きで。。。」
素還真「過去日記も拝読しました。
これを競り落とせば、
おそらく、公主のお心は幸せに満たされるでしょう。
しかし、軍資金が豊富そうな方々が入札していますね」
りーあ「私が働いていれば、何とかなるかもしれません。
今は、臥薪嘗胆の時期だから、
少しの出費もこたえている状態なのです。
とりあえず、保険を解約すれば、
毎月の出費が抑えられるわ。
保険を見直そうと思っていたところだし。
あとは、今の家賃が高過ぎるから、
安いところに引っ越す。。。」
素還真「家計の見直しは、
ゆっくりおやりになる必要があります。
公主は、元々、生活関連は、
不得手分野でいらっしゃいます。」
りーあ「さすが賢人! 鋭い指摘です」
素還真「それに加えて、
ご心労が溜まって、判断能力も鈍っておられます。
不案内な土地で急襲をかけるようなもの。
急いてはことを為損じるかと」
りーあ「まったく、その通りですね。。。。」
素還真「この作品は、何年か後には、
もっと代金を払わないと手に入らなくなるでしょう。
しかし、今、公主が、
落札なさったとして。。。
将来売却なさろうとしても、
美術商に、しかも、
マニア系のものを扱っている商人の元に行かれると思いますが、」
りーあ「私のような素人さんが個人でネットオークションに出しても、
買う方は真贋不明のものに高い値は付けられないと思うからね」
素還真「美術商は、安く仕入れて高く売るのが商売です。
公主のように、金銭の計算に疎いお方が、
その道のプロに、適正価格で引き取ってもらうのは難しいと見えます」
りーあ「鋭い指摘!
まー、足元を見られて、
色々言われて、安値で買いたたかれるでしょうね」
素還真「それと比べてみますと、
金の相場は、値の上下はあっても、
世界同一。
売りたい時期の相場以下で買いたたかれることがございません。
過去日記にお書きになったように、
いざという時の財産とお考えなら、
ウオッチリストに入っている、
別のお気に入りの方が、今の公主には、
向いているかもしれませんね」
りーあ「ほお〜。確かに。
ブツだと、日本の一部のマニアにしか価値が無いけど、
金なら、世界中のどこでも売却できるわね〜」
素還真「おや。公主、こちらもご覧なさいませ。
自動的に表示される関連商品の、このような商品だと、
資産にはなりませんが、
公主の日常に潤いを与えてくれそうですよ」
りーあ「どれ、どれ??
あー、クリックした商品の、
関連商品が自動で表示されるんですね。
ネットオークションは本当に、
危険地帯ですね。
あー、これ、姿と表情が好き。」
と、
著作権がアレなので、
画像の一部を加工してちょこっと以下に載せます。

素還真「問題の商品のオークション終了日時は明日です。
お気楽なお気持ちで、
他にもウインドウショッピングをなされませ。
その上で、
どうしてもお入り用か、
お考えになると、ご自身でもご納得がいかれるでしょう」
りーあ「こういう天女?の画像を探して来る辺り、
さすが素還真。。。。
いやいや、というか、
貴方に見つけてもらうまで、
こういう商品の系統、
見た事無かったです。。。
無后もアレですが、
素還真、あなたも、
本当は生きているのでは????」
素還真「栄養の有るものをお取りになって、
ゆっくりお風呂にお入り下さいませ。
ストレスは万病の元でございます。
何より、お友だち方がおっしゃる通り、
公主は、ご自身でお描きになりませんと。」
りーあ「はあ〜。
こういう天女、ツボはツボなんですが、
それなら、
あなた方の方がもっとツボです。
ブツに高値を払うなら、
あなた方の住環境を整えてあげた方が、
私も幸せになれそうです」
素還真「値が釣り上がらなかったら、
競り落とせれば幸運、程度にいきさつを見守りなされば」
りーあ「言うは易し、行うは難し、
だったのですが、
貴方に天女の画像を見せられて、
憑き物が落ちた心地です」

↑
私が素還真に感心している間に、
素還真にさらに接近して相談する宮無后の図。

↑
無后の夏服、絽の長襦袢の下をごらん下さい。
もう十年以上も前、
上海で入手したシロモノです。
手触りからすると、
こなれているので、
新品ではなく、
誰かが売却したものでしょう。
着方がわからないし、
私にはサイズが小さいながら、
色彩と、
手触りの良い絹地に惹かれて購入しました。
将来、これが似合う、
小さいサイズの同居人ができるとは、
当時の私は夢にすら思い描かなかったのでした。