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再読・江戸川乱歩や夢野久作


過日、夢野久作の「あやかしの鼓」をご紹介しました。

夢野久作のデビュー作です。

他の選考委員が褒めちぎる中、
江戸川乱歩だけは、
なぜ他の選考委員が褒めるのか、全くわからない、という選評です。

小説の選考委員なら、
自分と異なる才能も、
見分けて認める能力が欲しいところですが、

江戸川乱歩は、
小説の才能が有りすぎるので、
別に選考委員の才能が乏しくても、
仕方ないかもしれません。


夢野久作も、江戸川乱歩も、
実に大輪の牡丹や薔薇や、
百合のような。


アイデアや設定は、
現代作家は進歩している訳ですが、
文章に立ち籠める馥郁たる香気は、

いくら設定に凝り、
奇抜なアイデアを練ったところで、
匂い立って来ません。

文章から匂い立つ香気や妖気は、
作家の骨の髄から出ているものだからです。



と、いう流れで、

また江戸川乱歩の再読に走っています。

「人間豹」と「孤島の鬼」を読み終わったところです。

乱歩の作品は、
過去日記にも色々ご紹介しております。

ブログ内検索をして頂ければ。

ただし!!!

拙日記では、
本のご紹介は、
基本的に、いわゆる「ネタバレ」です。

筋が分かっていても、
本を買って読む値打ちが充分にある作品ばかりですが、
「結末を言わないで〜!!!」という方は、
ご注意を。

「人間豹」に関しても、
後日、ご紹介します。


乱歩を再読して思うのは、

この、ぐいぐい深みにはまって行く語り口、

展開される異様な情景、

まったく古びていない!という事です。



書かれた当時のレトロな光景、風習も、

面白いです。


この、
生き生きとした異様な感覚は、
何であろうか?


「子供心」です。

夜寝る前に、
お父さんや、お母さんが話してくれるお話を聞き入る、
子供の心に、

大人が、引き戻されて行く感覚です。

乱歩の、名人芸な語り口で、

現代人の大人も、

紙芝居を楽しみにする子供に戻されてしまうのです。



さて、皆さんは、

子供の頃、

空き家や古い建物などを見て、

「どんな人が住んでいるのだろうか」、と、

気を引かれた事がおありと思います。


洋館、高い塀に囲まれて中が窺えない豪邸、

廃屋。


子供なら、冒険心をそそられる事でしょう。


乱歩は、

そうした、子供の頃の魂の深部に、触手を伸ばして来て、

読者を引き込みます。


例えば、

洋館に住む白髪白髭の老人、
その息子の怪人、
飼われている猛獣、
血塗れの美女。
乗り込んで行った青年は、
どんな目に遭ってしまうのか。

例えば、

高い塀に囲まれて中をうかがう事が出来ない豪邸、
白髪白髭の執事、
引き籠もりの令嬢は、黒い頭巾で顔を隠している、
両親は世を去り、
女中はお嬢様のわがままに耐えきれずに、
次々と辞めて行く、
そうした館に、
田舎から出て来た若い娘が、
女中奉公に行く、
仕事はお嬢様のお相手。。。
そのお嬢様は、、、、

湿度を持った文章で絡み付いてくる、

異様な世界。


「さあ、これからもっと大変な事が待っているのです、

主人公はどうなってしまうのでしょうか?」、的な、

芝居が掛かった語り口も、

もう大人で、人生にすれた読者を、

「どうなるの、どうなるの?

続きを聞かせて」と、

せがむ子供に戻してしまうのです。











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by leea_blog | 2018-02-28 21:27 | Comments(0)

馬鹿日記「ねえ、見て」・媚態をとる人形



過去日記をごらんの方は、

うちには素還真と、宮無后という人形がいる事をご存知と思います。


今日は、

元々、むせ返るような濃厚な艶かしさを持つ、

宮無后が、

普段どのようにそれを発揮しているかを、

お目に掛けたいと思います。




手作りのため、一体一体が異なる。

宮無后は、肩の関節が柔らかいので、

抱き上げると、両腕を私の体に回してくるし、
腕が上がって顔に触れてくるし、
思いもかけないポーズをとって、持ち主をびっくりさせます。

夜寝る時は、
埃除けに布を掛けておきます。

むつまじく過ごす時間が終わり、

「さあ、もう寝る時間ですよ〜」と、

定位置に戻して布で覆おうとすると。


髪に指を絡めて来たり、

顔に触れて来たり、

たいてい、

「もっと構ってアピール」をするのですが、

その一つに、

「ねえ、見てポーズ」があります。


たとえば、以下。

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コケティッシュに髪を口元に持って来て、

こちらを見ます。

私がポーズを付けているのではなく、

偶然、このようなポーズになるのですね。


寝る準備をしていた私は、

「なんて可愛いんだ!」と、

悩殺されて、

「じゃ、あと少しだけですよ〜」と、

また抱っこします。


例えば、以下も「ねえ、見て」ポーズ。

e0016517_20415293.jpg


こう、魅力的な髪をアピールされたのでは、

私も、

「わかった、わかった。

もう少しだけですよ〜」

と、また抱っこします。。。。


四肢が固定されていない人形は、

偶然にかくも魅惑的なポーズを取るのです。



手の位置も、偶然なんですよ。。。。

出来過ぎでしょう。

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台湾の布袋戯の人形で、

元々、演じるために工夫を凝らされて作られていますから、

表現力も抜群。


普段、髪が乱れないように、

背中でリボンで束ねてあるのですが、

メンテで髪を新しくしてから、

髪の質がすべすべで、


いつのまにかリボンが滑り落ちて、

髪が解かれて、

私の手の甲にファサーッ、と掛かって来たり、





いやいや、

偶然とは、

もう思えない。。。。



無后が、故意に私を悩殺しようとしているとしか思えない。。。。



素還真の方は、

そういう妖しい事をするキャラクターではない事もあるし、

肩関節がしっかりしているので、

持ち主を誘惑してくる事はありません。



人形愛に落ちる前は、


「人形に誘惑された!!!!

私はどうしたら良いのだろう????」と、

怖く思う事も、ありました。


人形愛に落ちてからは、

全く怖くありません。


「よし、よし、美人さんですね〜」と言って、


手を握ったり、

髪にキスします。










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by leea_blog | 2018-02-22 21:25 | Comments(17)

馬鹿日記・旧正月


二月も半ばを過ぎました。

東京は気温も緩み、
冬服とはもうじき、来冬までお別れだ、と思うと、
名残惜しく感じます。

冷え性・低血圧の私にとって、
冬は本当に嫌な季節なのですが、

今冬は楽に乗り切れました。

医者で処方されている薬、
鬱の薬ですが、
血行が良くなり、
体温が上がっているのです。

夏は汗だにくなって大変です。

汗が酷くて消耗し、
量を三分の一にしていた薬です。



昨日から、
中華圏では、旧正月です。

新年おめでとうございます。

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過去日記に書いた、
台中の見素木偶精品店で、
プレゼントされた、お年玉袋です。

日本のお年玉袋と違って、
華やかで、賑々しくて、
何だかお年玉が沢山入っていそうですね。

右側の人形は、
胡蝶君という登場人物です。

今回、胡蝶君グッズを買い過ぎて、
宮無后から意見されました。






春節を、ウチに居る台湾人形劇の人たちと、
お祝いしたいところなのですが、

ここのところ、
ネットで映画見ているか、
眠ってばかり。。。



まあ、睡眠時無呼吸症で、
寝ている間、
三分に一回は呼吸が止まっているため、
昼間も寝て、
睡眠を確保するのは必要といえば必要です。。。



メンテを終えて戻って来た宮無后の、
まつげが、
眼の三分の一を覆っている状態です。


まつげが取れていた頃は、
眼に光が射しこんで、

部屋のどこにいても目が合っていたのですが、
また顔を近づけて覗き込むように接近しないと、
眼が合わなくなりました。

よくよくみれば、
まつげの隙間から、
こっちを見ているのですがね。

以下、まつげの凄さをごらん下さい。


e0016517_21440754.jpg
まつげの付いている角度が、
これまでと違って、
「眼鏡を掛けたらレンズにまつげが当たる角度」になっております。

ちょっと顔をうつむけただけで、
まつげ力がアピールされまくり。

今までに無い魅力を発揮しています。


新しくなった髪の質も、
すべすべで、
撫でていると気持ちが良いです。


楚々とした美人風になって、
今までに無い魅力を発揮しており、


「短期間でこんなに可愛くメンテしてくれるなんて、
ありがたいことだ。
メンテを依頼に行ったとき、見素木偶精品店に、
手土産を持って行けば良かった。
どうして気が廻らなかったのだろう」

と、自分の気配りの足りなさを、
悔いているところです。




そのような訳で、


無后を隣に寝かせて、
お布団で本を読もうとしても、

まつげ力と髪のすべすべさらさら具合が、
無言のアピールをして来ます。

(布団以外で読めよ!と思われる方。
拙宅は、本を読むスペースは、
お布団に横になるか、
キッチンかしか無いのです。
とほほ。)

読書を一時中断し、

至近距離で見つめ合ううちに、
α波が出て、
眠りに落ちてしまう、という次第。





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by leea_blog | 2018-02-17 22:28 | Comments(6)

夢野久作「あやかしの鼓」・大正ロマン的サディスト女性



夢野久作は、大作「ドグラマグラ」が有名ですが、
複雑な構造になっており、
人によってはすらすらと読み進められないかもしれません。

それはもったいないので、
夢野久作をこれから読む方には、
短編集から入ることをお勧めします。

狂気と現実のあわいの、
独特な文章、
独特な世界観に、
引き込まれる事請け合いです。


夢野久作の短編では、
「人間腸詰」、「支那米の袋」、「死語の恋」など、
異国ものが、当時の一般的な日本人にとっての異国の肌触りが、
奇怪な事件と絡み合って、
面白く描けています。


今日ご紹介する「あやかしの鼓」は、
雑誌「新青年」に投稿し、入選したデビュー作です。

探偵小説に投稿したものの、
「あやかしの鼓」は、
正統派探偵小説と言うよりは、
もっと、不可思議な物語になっています。

さもありなん。

夢野は、入選にあたっての作者の所感で、以下のように言います。

ーーーーーーーーー

「或る家の秘蔵の芸術品を一目見たい為に或る芸術家が一生を棒に振ってしまった。
そうしてその芸術家が死の際に考えて見るとそのために受けた苦しみは現実の社会に何の益も無い。
夢の中でもがいて目が覚めたら汗をかいていた位の価値しか無いものであった」というのが最初の私の妄想の興味の中心でした。

ーーーーーーーーーー


因縁のある鼓で、
その音色を聞いたものは、自殺したり変死したり、
人生の敗残者にになる、と言い伝えられる、名品の鼓をめぐり、
その鼓を作った名人の子孫が、
死に際につづった物語です。


あらすじの紹介は、
ネット上に色々有ると思いますので、

今日は、
「大正時代のサディスト女性の魅惑」の一例として、
ネタバレ有りで、ご紹介します。


物語の終盤、
あやかしの鼓をどうしても一目見たい、音色を聞きたい語り手の青年は、
ついに、その機会に遭遇します。

気が狂って死んだ子爵の未亡人の家で、
その家の書生のとりなしで、
あやかしの鼓を見、打つのです。

体調が悪くなった語り手の音丸久弥青年は、
未亡人の家で休養し、
酒食のもてなしを受け、
怪しい薬を飲まされたかして、
酔い倒れて意識を失います。

気がついてみれば、
長襦袢一枚で、
豪奢な布団に寝ており、
枕元には、
これも長襦袢姿の未亡人が、
しどけなく横座りしているのでした。

「とうとうあなたは引っかかったのね。オホホホホホ・・・
ほんとに可愛い坊ちゃん。あたしすっかり惚れちゃったのよ。オホホホホ」


美しく品のある、子爵の未亡人と思っていたのが、
獲物をとらえた女郎蜘蛛的な、
その正体を現したのです。

彼女は、家事をやらせていた愛人の書生に飽きたので、
主人公と駆け落ちしようとするのです。


「私はもうあなたの純な愛をたよりに生きるよりほかに道がなくなったのよ」

「ですから私は今日までのうちにすっかり財産を始末して、現金に換えられるだけ換えて押し入れの鞄に入れてしまいました。みんなあなたに上げるのです。明日死に別れるかも知れないのを覚悟そてですよ。そんなにまで私の気持ちは純になっているのですよ・・・・」


主人公を騙しておびき寄せて、
酒と薬で用意周到に昏睡させて、
いきなり純な愛を押し付け、
主人公の日常の、将来もある生活を断ち切って駆け落ちしようという、
未亡人の愛は、
まさに「肉食系」。

音丸青年としては、
一度すれ違い様に姿を見ただけ、
今日初めてお話した未亡人が、
いくら美しく妖艶な色香を放っていても、

初恋もまだ知らない身、
それがいきなり計られて相手の手中に落ちてしまい、
今までの生活も将来も捨てるとなれば、
怖い意外の何でもありません。

しかし、
未亡人の本当の怖さは、そんなものではありませんでした。

ーーーーー

「私は両手を顔に当てたまま頭を左右に振った。

「アラ・・・アラ・・・あなたはまだ覚悟がきまっていないこと・・・・」
と云ううちに未亡人の声は怒りを帯びて乱れて来た。
「駄目よ音丸さん。お前さんはまだ私に降参しないのね。私がどんな女だか知らないんですね・・・よござんす」

と云ううちに未亡人が立ち上がった気配がした。ハッと思って顔を上げると、すぐ眼の前に今まで見た事の無い恐ろしいものが迫り近づいていた。・・・しどけない長襦袢の裾と、解けかかった伊達巻と、それからしなやかにわなないている黒い革の鞭と・・・・私は驚いてうしろ手を付いたまま石のように固くなった。
ーーーーーーー

今まで見た事の無い恐ろしいもの、、、、
鞭はともかく、、、

長襦袢に解けかかった伊達巻とは、
現代で云えば、
ランジェリー姿であります。

初恋もまだの大正時代の青年には、
熟女にいきなりしどけない下着姿で迫られるのも、
今まで見たことがなく、恐ろしいものだったのでしょう。


ーーー

未亡人はほつれかかる鬢の毛を白い指で掻き揚げながら唇を噛んで私をキッと見下ろした。そのこの世ならぬ美しさ・・・・激しい異様な情熱を籠めた眼の光のもの凄さ・・・・私はまばたき一つせずその顔を見上げた。未亡人は一句一句、奥歯で噛み切るように云った。

「覚悟をしてお聞きなさい。よござんすか。私の前の主人は私のまごころを受け入れなかったからこの鞭で責め殺してやったんですよ。今の妻木もそうです。この鞭のおかげで、あんなに生きた死骸みたようにおとなしくなったんです。その上にあなたはどうです。この「あやかしの鼓」を作って私の先祖の綾姫を呪い殺した久能の子孫ではありませんか。あなたはその罪滅ぼしの意味からでも私を満足さしてくれなければならないではありませんか。この鼓を見にここへ来たのは取り返しのつかない運命の力だとお思いなさい。よござんすか。それとも嫌だと云いますか。この鞭で私の力を・・・その運命の罰を思い知りたいですか」


鞭使いのサディスト女性だったのですね。

そして、夫の子爵は鞭で責め殺され、
書生の妻木は、痩せ衰えて家事炊事を一心に引き受けるも、世の交わりを絶って希望の無い奴隷生活に落ちてしまっているのでした。


ーーーー

「ああ・・・わたくしが悪う御座いました」
と云いながら私はまた両手を顔に当てた。
・・・パタリ・・・と馬の鞭が畳の上に落ちた。
ガチャリと硝子の壊れる音がして不意に冷たい手が私の両手を払い除けた・・・・と思う間もなく眼を閉じた私の顔の上に激しい接吻が乱れ落ちた。酒臭い呼吸。女の香、白粉の香、髪の香、香水の香ーそのようなものが死ぬほどせつなく私に襲いかかった。
「許して・・・許して・・・・下さい」
と私は身を悶えて立ち上がろうとした。

ーーーーーー

語り手の貞操、危機!!!!

「嫌悪」よりも「色香」で死ぬほど切なく身を絞られながらも、逃れたい、というのが、特徴でしょう。

男を飼い殺したり抜け殻のようにしてしまうサディストの、高貴な熟女の、圧倒的な色香。

サディスト女性にも、
色々種類がございます。

描かれた鶴原未亡人の特徴としては、
男性を物としか見ないタイプのサディストではなく、
下僕として支配したいというのでもなく、

勝手な愛ではありますが、
愛に突き動かされて獲物を捕獲し、
夜逃げを企むなど、
自分の生活を変える気も有り、
相手からも全幅の愛を得ようとする点でしょうか。

「私はもうあなたの純な愛をたよりに生きるよりほかに道がなくなったのよ」というセリフを、
鞭をちらつかせながら云う淫蕩な貴婦人。

人によっては、
こうした美熟女に、人生と引き換えに貪り食われるのを願う男性も居そうです。


しかし、語り手は、危機を逃れます。

捨てられる事が決まった書生の妻木、実は、語り手の実の兄、が、
屋敷に火を放ち、未亡人を殺して自分も死ぬのです。


ここまでだったら、
普通の小説ですが、
続きがあります。


兄に促され、
危機を脱した語り手は、
養父の「老先生」と暮らす九段に、
タクシーで戻る、
そのタクシーの中で。



ーーーー
自動車が桜田町へ出ると私は運転手を呼び止めて、「東京駅へ」と云った。何のために東京駅へ行くのかわからないまま・・・・・。
「九段じゃないのですか」と若い運転手が聴き返した。私は「ウン」とうなずいた。私の奇妙な無意味な生活はこの時からはじまったのであった。

ーーーー

何の意味も無しに京都行きの切符を買い、何の意味も無しに国府津駅で降り、何の意味も無しに一泊し、飲めない酒を頼んで、何の意味も無しにまた西へ向かい。。。。

急展開の殺人事件のショックからか、
あやかしの鼓の音を聞いた者がたどる、
破滅の道を、語り手もたどって行くのです。


尋常では無い、狂気に満ちあふれた、独特の夢野久作ワールドの、一篇でした。












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by leea_blog | 2018-02-14 10:02 | Comments(0)

見素木偶精品店のこと・台湾人形劇の人形・2


台湾東部で、大地震がありました。

一人でも多くの方が、助かりますよう、
強く祈っているところであります。

旧正月を目前に、被災なさった方々のご心中は、
察するにあまりあります。


さて、先日アップした、
台中の「見素木偶精品店」。

飾ってあった豪奢な人形は、
特注自創木偶だったそうです。

つまり、オリジナル。

台湾人形劇、霹靂(ピリ)の登場人物ではなかったのですね。

自分の心に描いている、
理想の人物も、
設計図さえ作って提示出来れば、
作ってもらえるようです。

5万元、日本円で大体20万円くらいで、
豪奢な自分だけの木偶を特注出来るとは、
夢のような世界です!

凄いですね〜

日本で、人形作家にそういうのを依頼したら、
もう、普通のサラリーマンでは無理な金額になっちゃいますよね。。。

素晴らしいので、
先日の画像を再アップしておきます。

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私なぞは、まだオリジナルを依頼する気持ち的な余裕が無く、

自分では想像しそうで想像しない、
絶妙な位置加減の、ピリの登場人物に家に来てもらうだけで、
充分満足しています。

ウチにいる素還真も、

宮無后も、

いかにも私の作品に出てきそうで、

実は私には全くこういう設定は創作しえない、という、

「こういう人好きです〜。

えっ!?????」

という加減が、

グサリと心の深部に突き刺さって来るのですね。


ぱっと見た感じは似ているけれど、

深窓部分で全然違う、

その具合。




ちなみに、人形愛に落ちる前から、

立体の表現には強い関心が有り、

「球体関節人形の作り方」、
「フィギュアの作り方」的な本も幾つも持っており、
それらを眺めながら、

「定年退職したら田舎に越してアトリエを持って、

こつこつ人形でもつくるかもしれない」

と、思っていたのですがね。



「定年退職したら、

絵と文章をかきまくるぞ!!!!」と、

それを励みに理不尽に耐えてきたのに、

いざ定年退職間近の年齢になってみると、

なんだか、

老人になっても一生働かなくてはならない経済情勢の流れになってきていて、

トホホです。



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この人も、オリジナルキャラですね。

豪奢!

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この人は、ピリの登場人物です。


衣装も、本当に美しいです。



台湾人形劇の人形の凄いところは、

やはり、台湾的な美意識が凝結しているところ。


台湾の変身写真が、

「台湾の美意識だな〜。

日本の写真館で撮ったら、

こういう感じにはならないものなあ〜」と、

台湾の美意識的に変身出来るのと、

感じが似ています。


日本人がデザインするセンスと、

元の蓄積された感覚部分で異なる、

センス。


それに、存分に魅了されてしまうのが、

台湾人形劇、霹靂(ピリ)です。






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by leea_blog | 2018-02-09 19:40 | Comments(2)

見素木偶精品店のこと・台湾人形劇の人形


さて。

一月の転地療養は、
転地療養のついでに、
ウチに居る台湾人形劇の人形のメンテナンスを、
依頼しに行く、という目的もありました。

台中にある、見素木偶精品店、というお店です。


ウチに居る二人のうち、素還真は、
ここで注文製作してもらいました。


日本の人形愛好家の皆さんも、
拙ブログに通りかかって、
密かに、
「こういう人形ってどこで売っているんだろう???」と、
思って居られるかもしれません。

どこで売っているかと言えば、
台湾です。
ピリの、直営店。


誰でも良いのなら、
ネットでも注文出来ます。

「これこれこのシリーズに出てきた、
このバージョンじゃなくちゃ嫌」とか、
「以前のシリーズに出ていたあの人じゃなくちゃ嫌」という、
思い入れのある人が居るのなら、
ネットではもう製作終了になっているかもしれません。



思い返せば、何年前になるであろうか、
高雄のゲストハウスで、
「台中に布袋戯の人形を探しに行くんですよ〜」と話したら、
オーナーさんに、
「そんなところに今まで行った日本人は、
あなたで五人位しか居ないのでは?」と言われました。

もっと居たとは思うけれど、
中国語の出来ない私が、
お店の住所のメモだけを握りしめ、
台中の駅前からタクシーに乗り、
なかなか着かないので、
本当に着くのだろうか、と、
ひたすら不安になった、
懐かしい時間を思い返します。

初日は、
「没有(ありません)」で、
帰されそうになったのでした。
台北や高雄の直営店も覗いた後だし、

「ここで断られたら、あとは当ては無い」、と、
旅程スケジュールのメモを見せて、
筆談で、
「私はこの日まで台湾に居ます、
いつなら有りますか?」と、
粘りました。
翌日も出掛けて、
翌日は、
英語の出来る店長さんが対応してくださり、
無事、
散髪版の素還真と、宮無后を注文して日本に帰って来られました。

いつならありますか、
で、
いつなら有るかといえば、
注文製作になるので、
三ヶ月後とか、六ヶ月後でした。



心細い思いをしたけれど、
苦労と出費をした以上に、
価値のある人たちで、
お迎え出来た後の生活は、
とても潤いのあるものになりました。

と、まあ、何だかキモチ悪い人みたいな事を書いていますが、
その時点では、自分が「人形愛」に落ちるとは、
想像も出来ていなかったのであります。



話は戻って。

見素木偶精品店は、台中の駅から、
タクシーで、250元から350元くらいの距離に有ります。
(値段の差は、道路の込み具合等による)。

バスでも行けるのかもしれませんが、
分かりにくい所に有るし、
結構距離が有りますので、
タクシーが無難でしょう。


一階は、
ペット同伴可の、レストランになっています。

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一階のレストランで、
チーズリゾットとアイスコーヒーを注文しました。

テーブルの向こうに映っている裏口から出て、
階段を上ると、三階に有ります。


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私の知らない登場人物ですが、
大変豪奢!

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髪型も素晴らしいし、
お顔も、とっても綺麗です!!
ほとんど芸術品。


ちなみに、お値段は5万元。
日本円ですと、20万円くらいですね。

人形に関心の無い人からすれば、
「高い!」と思うかもしれません。

しかし、魅入られちゃった人からすれば、
絶対に手に入らないとはいえないお値段。


布袋戯の人形の凄い所は、
「実際に演じられる」という点です。

手作り品で、実際演じられる人形が、
頑張れば手に入るお値段で売っている!!!!

膝にも座ってくれるし、
寄りかかってもくれるし、
まばたきもしてくれるし、
動いてもくれる!



正直、日本人としては、当初は演じられる人形が売っているとは、
想像すらしていなかったので、
「売ってくれてありがとうございます!」という感じです。


この豪奢な美しい人形は、
翌週出掛けた時には、
もう居りませんでした。

誰かのお家に行ったのでしょう。


e0016517_21080111.jpg
この人も、私が知らない登場人物です。
豪奢!

傍らに居る、
一角獣というか、
麒麟というかのデザインもごらん下さい。




他にも、沢山木偶が飾られておりまして、
見ているだけでクラクラ、でした。


持参した宮無后人形は、
無事メンテナンスを終えました。


さて、
メンテナンスですが、
飾っておくだけならば、
湿度や気温も有ると思いますが、
そうそうメンテナンスは必要がないかもしれません。


大抵の持ち主は、
ポーズを付けて写真を撮ったりしますので、
そうこうするうちに、
髪が乱れたり、
まつげが取れたり、
マニキュアが剥がれたり、と
まあ、一緒に暮らすうち、
こまごまとした何かが出て来るのです。


ウチに居る素還真人形の方は、
宮無后人形より一年くらい早くから居りますが、
現在メンテの必要は全くない状態です。

そのようなわけで、
台湾の人形劇、霹靂(ピリ)の、
よくまあ、これだけ魅力的なキャラが次々と出て来るものだ、と、
驚く世界を、
通りすがりの人形好きの方々にも、
垣間みて頂けたら、
幸いなのでございます。

















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by leea_blog | 2018-02-04 21:49 | Comments(2)

「死にたい人は金を使い果たしてからにする」、という選択肢。


過去日記に、
何度も自殺直前まで行った状況を書いた。


転地療養に出掛け、
どうしても頭に引っ掛かる事があった。

自殺する人は、
貯金を使い果たしているわけではない、という点である。

世間を震撼させた、
座間九遺体事件。

「死にたいけれど、自分では死ねないのでだれか殺して欲しい」、という女性たちをおびき出して、
次々と殺していた事件である。

報道に依れば、
白石容疑者は、
被害者に、
「有り金くれれば殺してあげる」と言い、
被害者の一人は50万ほどを払ったとの事だ。


死ぬんだから貯金はもう要らないのだが、
死ぬのは、自分でやればお金は掛からない。
タダのものに、50万払ったのである。

実際のところ、

死にたいけど自分では死ねない人にとっては、
手持ちのお金で安楽死させてくれるなら、
希望者は殺到しそうである。。。




私も、
電車に飛び込みそうになった時は、
「貯金を使い果たしてから死のう」とは、
まるで考えなかった。

一刻一秒が苦痛で、その苦痛から逃れる極楽手段が、
自殺なのだ。
極楽の黄金の光を目の前にして、
もう、金など何の価値も失っており、
「最後に豪遊しよう」などという心の余裕が、
全くなかった。



自殺願望が消えた今振り返って見ると、
死ぬのなら最後に豪遊したら良いのではないか、と、
心から思う。

死ぬなら、最後に行きたかった遺跡を尋ねたり、
見たかった景色を見たり、
してからにすればいいんじゃないか、、、

そういうのも、
今だから思えるのであるが。。。


最後に豪遊してから心静かに自殺する人も居るには居るが、
少数である。
家族が居れば、家族にお金を残したいであろうし。



「生きていればそのうち良い事もあるよ」というのは、

結局勝ち組の言い分である。

「それは理想であって現実ではない」上、

他人の人生に何の保証も無しに綺麗事を言うのは、

デリカシーが無さすぎる。

「自分も何度も死のうと思った、
だが、死ななくて良かった、
君も死ぬな!」という、

昭和のスポ根のような、
人生努力だ、的な、
論調は、本当に自粛して欲しいものだ。

余計絶望が増すだけである。




しかし。

「死にたいけれど死ねない」なら、
「殺してあげるよ」という見知らぬ男性とやり取りする余裕があるなら、
50万円払って殺してもらったなら、
もしかしたら、
「本当に死ぬ時期じゃなかったのかもしれない」、という可能性がある。


50万円あったら、
使い果たしてからにしてみようではありませんか。


転地療養先で、
マッサージを受け、
ストレスで歪んだ骨格が治り、
眉間の凝りが取れた帰り途、

どうしても、
「50万円あったら、
何が出来るか」を考えてしまったのだ。

「死ぬ時期では無かった人が、死を選んだのかもしれない」、という、
何とも割り切れない気持ちである。


コンビニのおにぎりを買うお金も尽きて、
「もう駄目だ。死のう」と、
入水自殺するのと、
50万円が手元にあるのとは、
状況が違う。




貯金を使い果たしてみて、
「やはり死にたい」と思ったら、
その時死ぬのでも遅くはない、と思うのである。


使い果たした結果、
「やはりもう少し生きてみよう」と思ったら、
福祉事務所に出掛けて生活保護の申請。


50万円が手元にあったら何が出来るか?


たとえば、

近場の海外に飛んで、

安めの宿に泊まり、

毎日マッサージを受け、

沢山でなくていいからちまちまと栄養の有るものを食べ、

自宅ではない環境でごろごろして、

心身を休めてみる。


ストレスが掛かりすぎる日常から、
一歩身を引いて、「緊急避難」してみるのである。

近場なら、

飛行機代は片道二万くらいで何とかなるし、

一泊五千円くらいで浴槽付きの宿に泊まれる。

若い人で、相部屋でも気にならない、という場合は、

一泊二千円以下で、ドミトリーに泊まれる。

マッサージも、五六千円で腕のいい人に見てもらえる。

50万円あったら、
日常から緊急避難して、
本当にどうしても死にたいのか、自分に問い直す事が出来るのではないか。


ちなみに、一週間とか10日で何とかなる訳ではないので、
ゆっくり寝て、
脳を休めるのがおすすめである。

それには、
心療内科に掛かって、
眠れる薬は処方してもらうのが良い。

どんなに健康な人でも、
ちゃんと寝られていなければ、
脳が疲労して生存本能がやられてしまう。










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by leea_blog | 2018-02-02 18:54 | Comments(0)