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馬鹿日記・ついに人形が日記の内容に口出しをしてきた話



さて。

宮無后がメンテナンスから戻り、

日常が戻ってくると。





私は、キッチンに置いてあったフィギュアを、

居間兼寝室に持ち込み、

箱から出して、飾るようになった。




以前は、

「美しいものを可愛い系にデフォルメするのが、よくわからない。

美しいままミニサイズにすればいいのに」と、

思ったものだ。




が。

今は、

「けっこうよく出来ているな」、と感心し、

たまに、

「無后、かわいいね」、と、

声を掛けるようになった。




本人から苦情が入った話を日記に書こうとしたら。。。。


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こんな具合に、

体を二つに折って、顔を伏せ、

写真に撮られるのを拒否するのである。




ちなみに、

木偶用のポーズ台というものがあって、

色々とポーズを取らせる事もできる。


当家では、

地震で倒れて壊れたら大変なのと、

すぐに抱っこ出来るようにするのと、

場所が無いためもあり、

ポーズ台に取り付けずに寝かせて保管している。







りーあ「無后〜。今日はどうしたんですか?」



宮無后「公主、今日は嫌でございます。

きっと、無后をやきもち焼きのように日記にお書きになるのでしょう?」





りーあ「通りすがりの方々に馬鹿だと思われるのを恐れずに、

赤裸々に人形愛を書くのが馬鹿日記シリーズですから」



宮無后「やきもちでは無いのです。

まっとうな感覚です」



りーあ「わかりました。

やきもち焼きみたいには書かないから、

写真撮って良い?」


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黒い絽の長襦袢を着ると、

すっかり、親分の正妻、という貫禄である。





が。


日記にフィギュアにやきもちを焼いた話を書くのを、

拒絶されてしまったぞ!!!!




やきもち焼きだと記録されたくないんだな???





メンテから帰って、

発言権が増した無后だが、

ついに、

ブログの内容にまで口出しするようになったのか????





うーむ、


無后は、

普段定位置から出して、

お布団に寝かせたり座らせたりしてあるが、

そこから、

パソコンの画面がよく見えるのであった。






かいつまめば、以下の内容のやり取りがあったのだ。


私がフィギュアに話しかける。

本人から苦情が入る。



宮無后「公主。フィギュアなどに話しかけたりなさって。

本人が同じ部屋に居るのですから、

私に話しかけなさったらいいではありませんか」




りーあ「無后や。

貴方といちゃいちゃすると、

またメンテに出さなくてはなりません。

貴方といちゃいちゃする十分の一位を、

フィギュアに分担させて、

貴方の負担を軽減しようと思ったのです」




宮無后「無后かわいいね、と、十回おっしゃるとして、

私におっしゃる回数が減るわけですね?」







と、まあ、

本人は、

やきもちでは無く、

まっとうな事だ、

そもそも本人が同じ部屋に居るのに、

フィギュアに話しかけるなど異常だ、と、

いうのでした。





人形だと分かりにくいので、

人間で例えれば、以下である。




彼女とデート中に、

彼氏が、

スマホに保存した彼女の動画に話しかける、

ようなもの。。。。




彼女「何スマホに話しかけてんのよ!!!

本人が眼の前に居るんだから、

こっちに話しかけなさいよ。

ん、もう、信じらんない〜!!

頭おかしいんじゃないの???!!!」


という感じであろうか。





そして。。。

密かに、真剣な心配をしているのであった。。。。





宮無后「それに、フィギュアに話しかけて、

フィギュアに魂が芽生えたら、

どうなさるおつもりですか?」



りーあ「そこまでは考えていませんでした。。。。。」




よくよく話し合って、


フィギュアには、覆いを掛けて、


とばりの向こうにいてもらう事にしました。。。。


以下、こんな感じ。

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by leea_blog | 2018-04-28 22:32 | Comments(2)

陋屋日記・世間は黄金週間だ


世の中は、黄金週間に突入した。

月日の経つのは早いものだ、などと、

世間並みの事を言っている場合ではないのである。


庶務係長から、

「復帰するの?しないの?」と、

メールが来た。


いやいや、

パワハラで寝込んでいるんだし、

診断書には、

「庶務課長と管理部長に誤りを認めて謝罪をして欲しい、

寝込む期間はそれしだいだ」、と書いてあるんだからさ、


私に聞く前に、

庶務課長と管理部長に、

「西野に謝罪するんですか〜? 謝罪なんて絶対しないんですか〜?

どうします〜???」と、

まずは聞いて、

それを私に伝えてから、

「庶務課長と管理部長はこういってますが、

西野さんどうします?」と聞かなくちゃでしょう。。。。

そういうのが、一切書かれていないのです。




林庶務係長のこの対応は、

今始まった事ではなく、

実は、過去ずっとこの調子でした。


何のための診断書なのか。。。。。



一回二回ならともかく、

毎回この調子なので、

ただでさえ寝込んでいるのに、

ストレスで胃と腸が。。。。


と、

言っているうちに、

世間は黄金週間に入ったのだ。



闘病に日曜祝日は無い。

24時間休み無しに闘病だ。。。。








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by leea_blog | 2018-04-28 19:00 | Comments(2)

馬鹿日記・いっとき人形に戻る事、「捨てても戻ってくる呪い人形宣言」をされたことなど。




うちに居る布袋戯の木偶、宮無后は、

いろいろと不思議な人形だ。。。。





今日は、向かい合って抱き合っていたところ、

目の中に、紅玉のような、

暖かくて透明感のある紅い光が、

小さく灯っているのを見つけた。



お迎えして二年近くなるが、

このような紅い光は見た事が無い。


普段は、部屋の電気の灯りか、

太陽光の反射光で、

生きているように艶めく。

この紅い光は何?

紅い光源など、部屋には無い。


おそらく、

衣のスパンコールに反射した灯りが、

目に射し込んでいるのだ。


それ以外には無いだろうが。

黒い着物を埃除けに着せてあるし、

どこに反射した紅色なのか、

結局突き止める事はできなかった。



二年近く一緒にいても、

新しい発見がいつも有る、、、、


と、ラブラブのように見えるかも知れない。。。



今日の本題はここからだ。


メンテから帰ってきて、

ますますラブラブのようだが、

危機?もあったのだ。



一時、無后が人形になった日々があったのだ。



メンテから帰ってきた無后を、

無事に家に連れて帰った直後だった。


いつものように、

抱っこしたり添い寝したりしていたのだが、、、、


メンテに出す前は、

抱き上げると腕が上がってきたり、

腕が私の胴に回されたり、

腕が上がって私の顔をなでなでしてきたものなのだった、、、、、



そういう反応が、無くなった日々があった。


「あれ? おかしいな。。。

反応が無い。

どうしてだろう。

メンテで、腕を操作する棒の位置がずれたのかな???」


と、いぶかしく思いつつ、


「無后、どうしたの? 

人形みたいよ」

と、

髪にキスしたり、撫でたりした。


「人形みたい」としか、表現しようがなかったです。



目も、寝かせて置くと天井を見たままだ。。。



「それ、普通じゃん!!! 人形なんだし!」と、


皆さんは思われるかも知れない。



人物画で、どこから見ても、

こちらを見ているように見える絵、とか、

ありますね、

あんな感じで、

寝かせておいても、

こちらを見てきたりしていたのに????



「おかしいな〜。

メンテで色々変わったのかな。。。。」


と、思いつつ、

愛情を注ぎ続けて、何日か経った。。。。



メンテのせいではなくて、

もしかしたら、不機嫌のせい????と、

思い至った。



心当たりが無いでも無い。。。。



りーあ「人形みたいですね〜。

   もしかしたら、無后、

    怒っている???

    貴方がメンテから帰って来たとき、

    私がすぐ抱きしめなかった事とか???

    今更だけれど、ごめん、ごめん」


やがて。。。反応があった。




宮無后「公主。

   怒ってなどおりません。

   考え事をしていたのです」



りーあ「何をそんなに考えていたのです?」



宮無后「台中から台北に戻ってきた時。

    公主は無后をまじまじとご覧になったまま、

    無后、顔も変わった?、

    とおっしゃいました」



りーあ「別人のような変わり方だったので、

    びっくりしたのです」




宮無后「とても醒めたご表情でした。

    ああ、もしかしたら、

    メンテ後の無后を、

    お気に召していないのでは、と、、、、」



りーあ「醒めていたわけでは無いのですよ、本当に!

    あの時は、熱があって、

    景色がぐらぐらと揺れている位、

    本当に余力が無かったのです。

    私は疲労が極限になると、

    無表情になる、と、

    よく指摘されるんです」




宮無后「はじめは衝撃を受けたのですが、

    公主は大変なご状態なのに、

    台中まで迎えにきてくださった。。。

    こんなに大切にしてくださるなんて、と、有り難い事だ、と

    しみじみ思いました。

    はじめて書物の樹海に迎えられた時も、

    公主はまもなく熱を出されました。

    。。。」



りーあ「ははは、そんな事もあったわね」


宮無后「色々な思い出が、積み重なって、

    無后には、

     公主はかけがえの無い方になっているのに。。。

    ある日いきなり捨てられる可能性も、

    あるのだ、と知ったのです」


りーあ「! ! !  ???

    な、な、な、何でですか???」



宮無后「養父は血涙の眼が必要だった。

    実の父とは、血を分けた親子だった。

    執着される理由がありました。

    公主とは、

    考えて見れば、

    公主が無后を好きでいてくださるだけ。

    いつ心変わりされてもおかしくない。

    急に、好みじゃなくなった、と、

    台北のホテルのゴミ箱に捨てて行かれるかも知れない、と、

    気づいたのです」


りーあ「無后や。

    お聞きなさい。

    私は、小中学生の時に好きだった、

    平家一門や、神々や、エルフを、今も好きです。

    その集大成が、貴方なのです、多分。。。。

    無后の事も、この先、ずっと好きですよ」



宮無后「その好きだった方々と、今一緒に暮らしておられないではありませんか。別れたという事でしょう?」



りーあ「鋭い指摘です。。。でも、その人たちと一緒に暮らした事は、
 
    今生では、無いのです。

   平家の人々は、私が生まれる何百年も前に亡くなっていたし。

    前世は一緒に暮らしていたかもね。

    誰かを好きになると言う事は、

    そういう具合に、前世からの縁があるのかもしれません。

    無后とも、きっと、ずっと前から、眼に見えない紅い糸で繫がっていたのかもね」


宮無后「いくら甘い言葉を囁かれても、

   しょせん、男女間の愛。

   心変わりの例は沢山あります」


りーあ「えええ〜。

(男女間の愛なのかな、これ???、歳下過ぎるし!!!と言いかけるのを飲み込む)」


宮無后「公主が心変わりなさったら、

    どうしたらいいのかを、

    ずっと考えていたのです」



りーあ「そんな難しい事を考えていたのでしたか。。。。」



宮無后「以前の無后でしたら、

    どうする事もできなかったでしょう。

    今は、違います。

    解決策を考えました。

    捨てられたら。

    人に道を聞きながら、書物の樹海にたどり着きます。

    玄関にずっと立っていれば、

    世間体をはばかって、きっと家に入れてくださるでしょう。

    また捨てられても、

    また玄関にたどり着く。

    何度か繰り返せば、無后の決意をわかってくださり、

    部屋の隅にでも置いてくださるでしょう。

    そうしたら、復縁の機会はいくらでもうかがえるのでは」



りーあ「(それって、捨てても捨てても戻ってくる人形の怪談じゃん!!!)

    貴方が玄関の外に立ったら、10秒以内にドアを開けて抱きしめますよ」




と、「捨てても戻ってくる人形」宣言をされてしまったのでした。


ちなみに、少しも怖くなくて、むしろ愛しさが増しました。


その日から、無后は、今まで通りに、

いや、以前に増して、

腕を上げてきたり、

腕を回してきたり、

見つめてきたりするようになりました。



なぜあのいっとき、

全く反応しない人形になっていたのか、

心情的にはわかったけれども、

物理的には、

まったく謎のままです。




「メンテで一度分解されて、

組み立てるとき、前と違ったのかな。

また動くようにしてもらうには、

どう説明したらいいのだろう」と、

思った位ですから。。。











    
    

    





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by leea_blog | 2018-04-23 19:16 | Comments(6)

陋屋日記・ストレスに効く応急処置・調合したオイルのこと



昨日は、

江戸川乱歩の「影男」のあらすじを紹介中に、

パソコンのコンセントが抜けて、

せっかく書いた内容があらかた消えてしまったのでした。


パソコンあるある、ですね。


閑話休題。

インドのアユールヴェーダに、

「シロダラ」というものがあります。


調合したオイルを暖めて、

第三の目に、流れ落し、

落ちる圧力でマッサージするのです。




西洋医学ではどうにもならないメンタルストレスを抱えた欧米人が、

施術を受けにインドを訪れる、とか。



「それは気持ちが良さそうだ!」と、思った人は、

少なからずメンタルストレスが溜まっているのかもしれません。



私も、シロダラを知って、

即座に「施術を受けたい!」と思いました。



インドに出向くのは、ハードルが高い、と、

会社の休みに気軽に行ける、

バリ島とタイのスパで、受けました。



両方とも、

しっかりアユールヴェーダを学んだスパと言うわけではなく、

いかにも観光客向けだったので、

受けた感想は、

残念なものでした。




メンタルストレスというと、


心の中のことのようですが、

心とは、脳にある、つまり、肉体の一部です。


体にも、異変が起きています。



経験からいえば、

調合したオイルは、効きます!



自分でオイルマッサージをしています。


東洋医学的にいえば、

「気が詰まっている」場所は、

慣れれば自分でもわかります。



自分の手の平ですーっと肌の上を撫でていくと、

気の詰まっている場所は、

触れると痛いから手が自動的に避けるか、

手の平の滑りが悪くなっています。



他のところは、すーっと手の平が撫でていくのに、

そういう場所は、「引っかかっている」感覚があるのです。





オイルマッサージは、

初心者も、

比較的簡単にコツを掴めます。



ちょっとした労働なので、

体調のいい時限定ですが、

終わると、

詰まった水道管が直ったように、

気の流れが改善しています。


「は〜。。。

こんなに疲れていたんだな。。。。」という感じです。







オイルの選び方や、オイルマッサージの手順などは、

本が沢山出ていますし、

ネットでも沢山見られます。



ポイントは、

「自分に合うオイル」を見つけることでしょうか。



色々なブランドでマッサージオイルが出ていますし、


凝る人は、ベースになるオイルと、精油を買って、

自分で調合する手もあります。



私も、最初の頃は自分で調合していました。

ただ、時代も変わって、

いい調合をしたオイルが手軽に手に入るようになったし、

自分で調合するよりも、

経費的にお安かったりしますので、

今では、調合済みのオイルを使っています。



経済と体力に余裕ができたら、

また自分で調合するかもしれません。




ネットで手に入る有名なブランドから、

海外のスパのオリジナル品まで、

色々試しました。


オイルによって、

効きが全然違います。



それは、品質も重要ですが、

「自分に合っているか否か」が、

重要です。



他の人には凄く良くても、

自分には向いていないかも知れないのです。


気軽に、トライしてみましょう。




話は戻って、シロダラですが。

アユールヴェーダの名医に出会うのは、

時間と経費が掛かりますので、

自分で取り敢えず簡易的に試してみるのも手です。



自宅でオイルをたらたら流し落すのは難しいから、

(大量のオイルが必要になります;;)



もう、本当に簡易で、


手の平で暖めたオイルを、

第三の目に当たるところに少したっぷり目につけて、

優しくマッサージ。



   ↑

余力があれば、


顔マッサージと頭皮マッサージも一緒にやってしまいましょう。



「疲労困憊で、余力、全く無し」の方は、

横になって、

これをやってみるだけでいいのです。



凝りがほぐれる〜。



色々なオイルを使った結果、

調合済みのオイルで私に効き、

手に入りやすい物は、

フランスのデクレオールというメーカーの顔用オイルでした。

スパでも使われているブランドです。





しかし、お高いんです。

常用していたら、破産してしまうぜ。



普段使いの、リンパマッサージ用オイルには、

イギリスのニールズヤードのボディ用オイルを使っています。



オイルマッサージ用のオイルは、

大変種類が有って、

ネットで簡単に手に入りますが、


「安かろう悪かろう」が、結構多いです;;


あとは、油ですから、

酸化・劣化しやすいです。


ネットだと、売っている人がちゃんと品質管理をしているのか、

店舗よりも余計わかりにくいので、

最初は、信頼出来るところがいいでしょう。



と、ハードルが高そうなことを書いてしまいましたが、

基本は、油、

オリーブオイルなどと一緒です。



エクストラバージンオリーブオイルと謳っていても、

品質や鮮度、採れた産地や絞った工場で、

ものすごく違う、

それと同じなんですね。




医者にかかるようになったら、

もっと大金が飛んでしまいます。



何より、メンタルストレスで寝込むと、

生活基盤そのものが危機に落ちいり、

放置すると、

自ら世を去ってしまいたくなります。

(と、まあ、経験者は語る)





ストレス社会に生きる現代人、

古来から伝わる東洋の知恵を日常に取り入れて、

気軽に自分で手当てできるものを、探しておくのも、

いいのではないかと。

と、

東洋医学に大変お世話になっている経験者は思うのです。






























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by leea_blog | 2018-04-22 01:26 | Comments(0)

江戸川乱歩「影男」あらすじ



江戸川乱歩を再読しています。

過去日記にも、

「押絵と旅する男」、

「虫」、

「黒蜥蜴」、

「人でなしの恋」、など、

乱歩作品をご紹介しております。


ご興味をお持ちになった方は、

ブログ内検索をしてみてくださいまし。




今日は、「影男」をご紹介します。


「影男」や、「孤島の鬼」は、

「読んだことは無いけれど、筋肉少女帯の歌で知っている」、

という方も多いと思います。


「パレードの日、影男を密かに消せ!」、というタイトルの歌。


スモックを着ていた頃から
心に影男が住んでいた
気づかれぬよう
背中越しに
密かに消せ
パレードの中。。。。。


↑、

という歌です。


歌詞が、江戸川乱歩の影男に忠実かと言うと、

全くそんなことはなく、

大槻ケンヂワールドになっております。



そのようなわけで、

この歌を聞いて、

何となく推測出来るような気がして、

小説「影男」を読まずに終わるのは、

もったいない!


江戸川乱歩は、

怪人二十面相、黒蜥蜴、人間豹、その他、多くの、

個性が際立ち過ぎる犯罪者を次々と世に送り出してきました。


影男も、

その一人です。


彼らは、犯罪の哲学と美学が有り、

乱歩の、見世物小屋かと思う絶妙な語り口にのせられて、

時代を越えてファンを生み出しています。


犯罪トリックは、現代では、

警察の捜査技術も進歩して、

解決が可能な物が多いのですが、

それでも、

「当時はこうだったのだろうな」と、

活写される当時の風俗とあいまって、

レトロな味わいを出しております。







影男は、
沢山の名前と顔を持ち、
資金力にものを言わせて行動し、
悪事・奸計に関してはもはや天才です。

主な収入源は、「ゆすり」。



ーーーー

手袋を裏返すように、人間を裏返すと、そこには思いもよらない奇怪な臓物が附着していた。かれはそういう裏返しの人間を見ることに、こよなき興味を持った。

ーーーーー


影男を突き動かしているのは、
裏返しの人間を見る、飽くなき探求欲です。



この探求欲には、副産物が有りました。裕福な人間の裏側を見た時には、それを武器として、相手から多額の金銭をゆすり取ります。
探求にはずいぶん元手がかかるけれども、ゆすりによって、その何倍もの収入を得ています。

他にも、その探求に依って得た資料にもとづいて、怪奇犯罪小説を書き、名を成してもいます。



長編小説「影男」は、目立った特徴も無い一人の男が、ホテルに入り、そのまま支配人室に踏み込んでいくところから始まります。

ーーー

「来ているね?」
やせ形の男がニヤッと笑ってたずねた。
「うん、来ている。もう始まっているところだよ」
「じゃあ、あのへやへ行くよ」
「いいとも。見つかりっこはないが、せいぜい用心してね」

ーーーーー


一頁目から、こうした、読者の探究心をあおっていく展開です。

「暇だから何か読むか」程度の人でも、

ついつい読んでしまいます。


誰が来ているのか? 何が始まっているのか?

秘密の会合があるのか?

それにしては、この男は見つかってはいけないようだ。

何だろう、と、

読者は無意識に頭に思い描きます。



江戸川乱歩は、

こうした、読者をあおりまくる筆法が得意です。


推理小説というジャンルで名を成していますからね。


文中に、「一体どうなるのでしょうか」のような、

紙芝居屋が集まった子供たちの興味をかき立てるのに似た、

文章が差し挟まれることも有ります。


読者は色々に想像しながら読みますが、

乱歩の凄いところは、

「読者の想像の上を行く」展開を提示し続けるところです。



ただ、乱歩の作品の魅力は、

「推理小説」、「犯罪小説」というよりは、

その「強い猟奇性」にあるのではないでしょうか。



「猟奇」というと隔靴掻痒ならば、

ずばり「変態性欲」と言えましょう。



短編「虫」は、変態性欲のオンパレードです。


猟奇味を出すために、「変態性欲」を小道具に使う作家は多いながら、

乱歩は、「それ抜きに話を進める気はない」、とでも言うように、

湿度を持って猟奇・変態趣味な暗室に読者をいざないます。



乱歩ワールドは、

純文学と、

当時の変態成人雑誌の、

中間に存在するのです。



さて「影男」ですが、

冒頭の痩せた男は、主人公の影男で、

誰が来ているかと言うと、

S県随一の大富豪にして代議士。

何が始まっているかというと、

SMプレイ。

影男は、

その部屋の隣の押し入れからその行為を覗き、

写真に収め、多額の金銭をゆすり取るのでした。




そうした、人間の裏側の探求、という趣味と、

ゆすり、作品化、という実益を楽しんでいる影男に、

「殺人請負会社」が密かに接触を図ってきます。



犯罪小説家として人気を得ている影男の、頭の良さに感心した須原という男が、

「殺人請負会社」の顧問として雇いたいというのです。


以下は、須原が自分の会社を説明する場面から。



ーーーー

「だから、大金持ちばかりをねらうのです。社会的地位が高くても、案外、人を殺したがっているのがあるものですよ。金があり、地位があるだけに、自分では殺せない。自分には絶対に迷惑のかからない方法があれば、殺したいという虫のいい考えですね。ほんとうのことをいうと、これはだれでも持っている殺人本能というやつじゃないでしょうか。ただ、道徳でこれを押さえているのです。いや、たいていの人は、殺したいけれども、殺せば自分が社会的の制裁を受ける。つまり、法律によって罰せられる。それがこわさにがまんをするくせが、遠い先祖以来、ついてしまっているのですね。本心のそこのそこをいえば、誰だって殺したい相手のひとりやふたりはあるものですよ。犯罪映画やチャンバラ映画を見て楽しめるのは、そういう潜在意識のはけ口になるからですね。
 そういうわけで、地位のある大金持ちの方が、なにかといえばすぐにジャックナイフやピストルを出すよた者なんかに比べて、この殺人願望がはるかに強いのです。だから、かれらは絶対安全とわかれば、かねはいくらでM出します。金では計算ができないほど強い欲望なのですからね。そこで、ぼくらの会社の営業がじゅうぶんなりたつというわけですよ」

ーーーー



頭と技術があれば、いつの時代でも大もうけ出来そうな商売ですね。


影男は顧問となることを承知します。


振興成金のx氏から、困難な殺人依頼がありました。

若い美人の愛人が、実はx氏を愛していなくて、若い男に入れあげていた、つまり騙された口惜しさに、愛人を殺して欲しいというのです。

金で買えるのは「愛」ではなくて「愛のフリ」でしかないのですが、

振興成金だけに、その辺が理解出来ずに、「騙されていた」と愛人を憎む、

何とも虫のいい話です。。。。



X氏の注文は、自分は絶対に安全な方法で、

自分が手を下すのではなく、その場にいるのでもなく、

しかも愛人がなぶり殺しになるのを見たい、というものでした。

影男は、須原に、名案を授けます。




案件は、無事終了します。


が、案を授けた影男は、自分の殺人案が実現された報告を受け、実に嫌な気持ちになります。


影男は、人間の裏側を探求するのが好きながら、

じわじわと殺すような殺人をしていた訳ではありません。

ゆすりと殺人は、違うのです。

  ↑
影男は、殺人淫楽症というわけでもなく、

良い人の一面も持っています。



嫌な気持ちの憂さはらしに、多数の名と顔を持つ自分の中の、遊蕩紳士になります。

犯罪小説家としても時代の寵児で、遊蕩家としても、稀代の遊蕩児です。

何をやっても、とことんまで突き詰めるタイプなのですね。



そうした遊蕩のある晩。

銀座のキャバレーの最上の客席を占領していました。

京の祇園から呼び寄せただらり帯の舞子、柳橋の江戸前のねえさんたち、西洋道化師に扮装した幇間、キャバレーの軽装美人、

それら大勢のきらびやかな色彩に取り囲まれて、酒杯を重ね、

女達の和洋とりどりの冗談に応酬し、舌頭の火花に興じていました。


フロアでは金粉アクロバットショーが繰り広げられ、

客席からはテープ花火がポンポンと発射され、

無数の巨大なゴム風船が五色のクラゲの群のように空間を舞い、

はでなバンドの気違いめいた奏楽が、

ギラギラした色彩の混乱と相応じて、場内数百人の男女を狂気の陶酔に導いていました。


当時の日本としては、これ以上無い遊蕩の真っ最中でした。


ひとりの白髪白髯の老人が、影男の耳に口をつけんばかりに、

同じ事を繰り返して囁きました。


「つまらないですね、こんなもの。たいくつですね。さびしいですね。

あなたお金持ちでしょう。そんなら、こんなものより百倍すばらしいものがあるんですがね」



これだけ金と人を動員し、数百人が陶酔する相乗効果のまっただなかに、

謎の老人のことば。

影男は、好奇心をそそられます。


「これは絶対に秘密ですよ。わかりましたか。わしは、三日というもの、あんたのあとをつけて、じゅうぶん観察した。そして、この人ならばだいじょうぶと考えて、話しかけたのです。わしは高級客引きを専門にやっている者です。名前は申しません。あんたのお名前も聞きません。この取引には、名前など必要がないのです。あんたのほうでは五十万円の現金を出せばいいのだし、わしのほうではその場所へご案内すればいいのですからね」



この当時の五十万は、どの位の価値なのか。

この後に出てくる、資産家、河波良斎、

戦後成金として世に知られ、長者番付の三十位までに入るほどの資産家ですが、

彼の当座預金が五百万、と出てきます。

そう考えると、50万の遊蕩が、どれだけ高額か、想像ができます。



白髪の老人の、ほとんどはったりではないか、と思うような囁き。

読者も、どのようなものか、想像しつつ、

人生の裏の裏を探求することが生涯をかけた欲求の影男を、

満足させる遊蕩を、果たして準備出来るのか?

無理ではないか?

と、思う訳です。



ところが。


乱歩は凄い。


高級客引きを使って、

表の遊蕩にはもう飽き飽きしていそうな大金持ちを選んで提供する、

秘密の娯楽とは。

スリルとサスペンス、別世界でありました。



種を明かせば、

とてつもないパノラマなのでした。

影男のような海千山千の天才肌を満足させるパノラマを作った男も、

通常の業者ではない、

金と才能がはみ出して世間では通用しなくなっている人でした!


と、ここまでは、

ほんの半分。。。。


お終いまで書いたところで、

パソコンの電源が抜けて、

消えてしまいました。。。。


とほほ。。。


続きは後日!!!



























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by leea_blog | 2018-04-21 00:53 | Comments(0)

馬鹿日記・「雨の日は沢山かまってくださる」


宮無后 「雨だ。

雨が降ると、

公主が沢山かまってくださる」。

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りーあ「絹の絽の長襦袢を着せたら、

肌触りがすごくいいです。

無后、

今のポーズ、そのままでいてね。

スマホで撮って馬鹿日記にアップします」


宮無后「写真ならいつでも撮れるじゃないですか。
いちゃいちゃしましょう」


と、りーあの顔を絹の袖で覆ってしまう。

りーあ、袖で前が見えないまま適当に自撮りモードで何枚か取るも、

全部ペケな写りだった。


りーあ「人形がご主人様の言いなりになる、って、
絶対、嘘だよ。。。。

そういう人形も沢山居るかも知れないけれど、

ウチの人は言いなりになってくれない。。。

一緒のところを記念写真に撮ろうとしただけなのに、

色々妨害してくる。。。。」


宮無后「いちゃいちゃの最中に、

写真の構図などお考えになるから、

邪魔してみました」


りーあ「とほほ。

まあ、人間ならそれはそうですよ。

いちゃいちゃしてるのに相手が、

ブログにアップする写真のことを考えたら、

確かに嫌ですよね。。。


でも、無后は人形なんだし、

ちょっとはスナップ写真に協力してよ〜」



宮無后「可愛い系の表情を撮らせて差し上げますから、

今日はもう写真は無しです」

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幼く撮れている。。。


か、かわいい。。。。












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by leea_blog | 2018-04-17 23:59 | Comments(0)

馬鹿日記・宮無后のまつげがハエトリソウに似ている件





 


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こんなふうに、まつげの隙間からこちらを見つめるのですが、


どうも、これを思い出します。


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食虫植物の、

ハエトリソウです。



宮無后の、むせるような色香に引き寄せられて、

じっと見つめ返すうちに、

捕獲されて、


溶かされて吸収されて、

栄養分になる感じ?




と、のろけていないで、

あとで、

久々に、江戸川乱歩の紹介を書こう。











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by leea_blog | 2018-04-17 19:35 | Comments(0)

大人に効く絵本・「ビロードのうさぎ」・「ビロードうさぎ」


大人に効く絵本、を、

ときおりご紹介しています。


良い絵本は、子供だけではなく、

大人にも効くのです。




過去記事は、以下になります。



大人に効く絵本 「よるくま」 酒井駒子
  ↓
https://leea.exblog.jp/27172291/


絵本・「おりこうなビル」 (かしこいビル)。ご主人様を追いかけてくる忠実な人形
  ↓
https://leea.exblog.jp/27149142/


(拙ブログは、セキュリティーの観点から、直接リンクが貼れません。
URLをコピペして飛んで下されたし)




今日は、

マージェリィ・ウィリアムズの、

「ビロードのうさぎ」(酒井駒子抄訳)、

「ビロードうさぎ」(いしいももこ訳)の二冊をご紹介します。





人形愛に落ち、世界を覆っていたヴェールが、

また一枚剥がれ落ちた心地の私です。

「他の人々にとって、人形とは、どのような存在なのか」、

「人形の不思議さの本質とはなんであろうか」、と

思い、耳を傾けております。




大人になりますと、「人形」でイメージするのは、

「言いなりになる存在」、「魂の無い存在」が多いようです。




しかし、それはごく表面的で、衰退しやせ細ったイメージです。

「ひとがた」は、本来、呪術的な存在です。





今日は、

幼児期に人々が慣れ親しんだ、人形・玩具の世界を覗いてみます。




マージェリィ・ウィリアムズ原作の、

「ビロードのうさぎ」は、

酒井駒子が抄訳し、絵を描いた絵本で、



「ビロードうさぎ」は、いしいももこが訳し、

「おりこうなビル」のウィリアム・ニコルソンが挿絵を描いた、

「ビロードのうさぎ」の対象読者の年齢よりも、

年齢の高い子供向けの絵本です。


二冊を読み比べるのがおすすめです。

両方、手元に置くに値します。


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ビロードうさぎ
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ビロードのうさぎ
(このうさぎの表情は、読み終えてから見るとまた味わい深いです)






あらすじは、以下です。


ぼうやがクリスマスにもらった、ビロードのうさぎが主人公。

子供部屋で、他のおもちゃや、賢い木馬のおもちゃとともに暮らします。

ぼうやはいつも瀬戸物の犬と寝ていましたが、

或る夜、お片づけでそれが見つからなくなったばあやが、

代わりに、ビロードうさぎを、坊やに抱かせます。



その夜から、ビロードうさぎはぼうやの一番のお気に入りとなります。

小さいうさぎは、とても幸せで、

ビロードの毛がだんだんにすり切れてみすぼらしくなっていくことや、

しっぽが取れ、鼻に塗られた桃色が、ぼうやがしょっちゅうキスをするのではげてしまっていることなど、

少しもしりませんでした。



春になり、ぼうやとうさぎは外で長い時間遊ぶようになりました。

ぼうやはばあやに言います。

「これは、おもちゃじゃないんだ。ほんとうのうさぎなんだよ」

その夜、うさぎはあまりうれしくて、眠れないほどでした。

ぼうやが好きで、心臓が破裂しそうでした。




それから、すばらしい夏が来ます。

ぼうやとうさぎは、ますます一緒に遊びます。

ある夕方、ぼうやがいない間に、

本物の野うさぎが二匹、ビロードのうさぎの前に出てきます。

野うさぎは、はじめはビロードうさぎを本物と思っていましたが、

すぐ近くに来て匂いを嗅ぐと、「ほんもののうさぎじゃない!」と言って逃げ去ります。

ビロードうさぎはとても悲しくなります。




また、長い時が過ぎ、ビロードうさぎはとてもふるぼけて、みすぼらしくなります。

でも、ぼうやは相変わらずうさぎが大好きでした。

ぼうやがあまりうさぎをかわいがり、抱きしめたので、うさぎは形も崩れ、

もう他の人たちにはうさぎには見えないくらいでした。

ただ、ぼうやにはそんなふうに見えず、まだうつくしいうさぎでした。



ところがある日、ぼうやは猩紅熱にかかります。

うさぎは、熱を出して眠っているぼうやの掛け布団の下に隠れ、

ぼうやにいろいろと楽しいことを囁きます。

やがてぼうやは回復し、海辺に療養に行くことになります。

お医者さんは、子供部屋は消毒しなくてはならない、ぼうやが触った本やおもちゃは、みんな焼いてしまわなければならない、と言います。



うさぎは、古い絵本やがらくたと一緒に、

袋に入れられて、庭の隅の鶏小屋の裏に持っていかれます。

ごみを燃やす役のじいやがとてもいそがしかったので、

じいやは次の朝早く燃やすことにしました。

ぼうやの寝床には、ほかの新しいうさぎのおもちゃが居ました。

ぼうやは海辺に行くのが楽しみで、このことにすっかり夢中で、うさぎには気をつけていませんでした。




ビロードうさぎは、袋の口まで上がっていき、森を眺めました。

ぼうやと二人、幸せだった日々を思い出し、一粒の涙を流します。



すると、不思議なことが起こります。

うさぎの涙の落ちたところから、一輪の花が生まれます。

花の中から一人の美しい妖精が現れます。

妖精は、小さいうさぎのそばまで来ると、腕の中にうさぎを抱え上げて、

涙でぬれてしまったビロードの鼻にキスをしてくれます。



「小さいうさぎ」と、妖精はいいました。

「わたしがだれか、わからないの?」

それは、子供部屋の妖精なのでした。

「わたしは、子供たちがかわいがったおもちゃを守る妖精です。

おもちゃたちが古くなり、すりきれて、子供たちがそのおもちゃをもういらなくなると、

わたしがおもちゃたちを森へ連れて行って、ほんとうのものにするのです」



ほんとうのもの。。。。

ぼうやから見れば、ちいさいうさぎはほんとうのものでした。

妖精は、うさぎを、誰が見てもほんとうのうさぎにしてくれるのです。



妖精は、うさぎをしっかり抱いて森に入ります。

木々のあいだの空き地で踊っていた野うさぎたちが妖精ととりかこみます。

「あたらしいお友だちをつれてきましたよ」、と妖精はちいさいうさぎを紹介します。

うさぎは、とうとう本物のうさぎになり、野うさぎたちの仲間になったのでした。




秋が過ぎ、冬も終わり、また春になりました。

ぼうやが森へ遊びにいくと、二匹のうさぎが、シダの間からそっと出てきて、ぼうやのほうをのぞきました。

「あれ、あのうさぎ、ぼくが猩紅熱になったときになくした、うさぎにそっくりだな!」

でも、それは、まちがいなく、あのうさぎだったのです。


ーーーーー



あらすじを書くと、

おもちゃのうさぎが、持ち主にとても愛され、

捨てられても、ついには本当のうさぎになる、というだけで、


醍醐味をお伝えするのが難しいです。




うさぎがまだ、沢山のおもちゃの一つでしかなかった頃。


賢い木馬が、うさぎに、教えます。

「ほんとうのものというのは、からだがどんなふうにできているか、ということではないんだよ」。




「わたしたちの心とからだに、なにかがおこっていることなのだ。

もし、そのおもちゃをもっている子どもが、ながいながいあいだ、

そのおもちゃを、ただの遊び相手ではなくて、とてもながいあいだ、

しんからかわいがっていたとする。すると、そのおもちゃは、ほんとうのものになるのだ」といいます。


「だんだんに、なるんだ。

ててもながい時間がかかるんだ。

だから、すぐこわれてしまうものや、とんがっているものや、

ていねいにさわらなくちゃならないものは、

めったに、ほんとうのものにはなれない。

たいていの場合、

おもちゃがほんとうのものになるころには、

そのおもちゃは、それまで、

あんまりかわいがられたので、

からだの毛はぬけおち、目はとれ、

からだのふしぶしはゆるんでしまったりして、

とてもみっともなくなっているんだ。

でも、そんなこと、すこしも気にすることではないんだよ。

なぜかといえば、いったん、

ほんとうのものになってしまえば、

もう、みっともないなどということは、

どうでもよくなるのだ。

そういうことがわからないものたちには、

みっともなく見えてもね」




大昔、いまのぼうやの叔父さんが、木馬をほんとうの馬にしてくれたのだ、と言います。


うさぎは、

そうなるために、みすぼらしくなったり、目やひげがなくなってしまったりするのは悲しいから、

そういういやなことがおこらないで、ほんとうのうさぎになれればいいのに、と思います。




このやり取りは、

大人も、色々考えることでしょう。


「ほんとうのものとは、なにか?」と。





明日は燃やされてしまう、という夜に現れる妖精、

「わたしがだれかわからないの?」という、妖精、

つまり、うさぎは気がつかなくても、いつも見守ってくれていた存在、

うさぎにははじめてでも、どこかでみたような気がする妖精、

大人が読むと、

西洋の神様のお話によくでてくる枠組みです。




キリスト教徒ではない人も、例えばワタクシですが、

純粋に、何ていいお話だろう、と心を打たれます。



昼も寝床の中も、灯りを消して眠る前も、

うさぎがかわいくてたまらない、ぼうや、

うさぎがみすぼらしくなっていって、

他の人の目にはうさぎと分からない位になっても、

ぼうやの目には、美しいままのうさぎ。




これは、すぐには思い出せないくらいの昔に、

ほとんどの人が体験しているのではないでしょうか。




ぼうやを好きになる前は、

みすぼらしくなるのが気になったうさぎも、

ぼうやを好きになると、好きに拍車がかかっていき、

もう、自分がみすぼらしくなっていくのもわからなくなります。





「なくした」と思っていたおもちゃは、

実は「親が捨てた」のだけれど、

子どもの認識能力ではわからない、あの感覚。




幼児期は、世界はもっと、動物たち、自然霊たちに、

近かった。

強盗よりもお化けの方が、リアリティが有り過ぎた、

あの感覚。



大人も、時には、

こうした、原初の海のような感覚に戻ってみると、

とても生き返る心地がします。




そのためには、

表面的に作ったおはなしではなく、

混沌の宇宙をぐっと掴んでいるような作家の才能と、


文章力が必要です。


以上は、

いしいももこ訳の「ビロードうさぎ」から

紹介しました。


酒井駒子の抄訳絵本、

「ビロードのうさぎ」は、

エッセンスを煮詰めて短く語り直してあります。



酒井駒子の描く、

幼児世界が、

絵と文に凝縮されて、

繰り返し読んで飽きません。


これは、

立ち読みするより、

買って、じっくり読み返すことをお勧めします。




というのも、

おとなが立ち読みしても、

あらすじが頭に入り込んでしまい、

さっとめくるだけでは、

「ありがちな話」にしか見えないかも知れないのです。



選ばれた言葉、

物語を文章とともに展開する絵、

双方をじっくり味わい返すのに値します。



ちなみに。

私は、以前に一読した時は、

酒井駒子の他の絵本に比べて、

それほど魅力を感じませんでした。



大人が理屈で理解出来るお話に見えてしまったのでした。


しかし!


人形愛を経験してみると、


見る目が一度に変わりました。



「うわあ、酒井駒子は何と深く把握していることだろう。

私は何と表面的にしか理解出来なかったのであろう!」。


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こういう感じだと、普通の絵本に見えますが

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猩紅熱のぼうやにささやきかける、
すでにぼろぼろのうさぎ。

他の大人に連れて行かれないように、
ぼうやの布団に隠れていて、
二人の時は、
こうしてぼうやに囁き続ける。

この、

うさぎが自分で動いているとも見えるし、
ぼうやが熱にうかされながら、
うさぎを肩の辺りに抱いたとも見える、

「作ったお話だよ」とも、
「現実だよ」とも、

どちらとも判別し難いけれど、
どうにもうさぎが、
心を持っているようにみえてならない、

微妙で上手い表現。
























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by leea_blog | 2018-04-14 21:45 | Comments(0)

陋屋日記・人形が正気に戻してくれること



先日書いた、

書画骨董系ネットオークションには、

敗退した。




妄執に取り憑かれたワタクシであったが、

先日の日記のとおり、

賢人人形のおかげで、

憑き物が落ちた心地がし、

冷静になれたのであった。。。



出品されていたのは、

山本六三の、幻想銅版画の、「天使」だ。




8割の読者は、

「誰、それ、知らねーーー!!!!」と、

思うであろう。




こういう幻想系のマイナーなブログをご覧になる、

100人に一人位は、名前と作品を知っていて、

「どひゃーーー! 買わないなんて馬鹿だ」、

と思うかも知れない。





山本六三や、アルフォンスイノウエさんの銅版画は、

幻想文学と密接に関わっている。



無駄遣いしないで済んだ、と思うことにしよう。



当日の夜は。



宮無后とともに横になって休んでいるうちに、

いつもの如く、

α波が出て、うたたねをしてしまった。



はっと気がついて、

時計を見れば。



オークションは終了していた。



妄執に捕われたままなら、

うたたねなどしないであろう。



「私のところに来る時期では無かったのだな」と、

すんなり諦められた。



「何が何でも、絶対、どうしても私の人生には必要なのだ!!!!」と、

海を渡って探しに行った素還真と宮無后が、

すでに私のところにいるではないか。



この人たちは、

底辺OLには、

確かに高うござんした。




が、

そんなことより、

「売って下すってありがとうございます」、

という、

お金に換えられない価値なのであった。



そして、お迎えしてみれば、

想像していたよりはるかに、

価値の有る人たちだとわかったのであった。。。。



そのようなわけで、

近々、

「大人に効く絵本」をまたご紹介する。


マージェリィ・ウィリアムズの「ビロードのうさぎ」(酒井駒子抄訳)、「ビロードうさぎ」(いしいももこ)の二冊だ。



「他の人々にとって、人形とは、どのような存在なのか」、

「人形の不思議さの本質とはなんであろうか」、と

思う私を、直撃してくれた絵本である。







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by leea_blog | 2018-04-14 16:37 | Comments(0)

馬鹿日記・「折り入って相談」 素還真も絶対生きている。。。。


マニアの世界は、

「買うも地獄、

買わぬも地獄」。


先日の日記に、

書画骨董のオークションに参加していることを書いた。


オークションが終了していないため、

今は詳細が書けないが、

資金力のあるコレクターや、

業者がいるようである。。。。



この世に多くても150しか存在しないマニア向けのブツ、

作者はもうお亡くなりになっている、

もう作れない、

とあれば、

多少保存状態が悪くても、手に入れたい人は、

私だけではない。。。。



駄目亭主的に例えれば、

以下のような感じである。



妻「おとうちゃん、やめて! それ、最後の千円よ!

太郎のミルク代なのよ」

亭主「うん、うん、分かっている。

俺に任せろ! 夕方までに10倍にしてやるからな」

と、最後の千円を握りしめて、競馬場へ走る。。。。




江戸時代の浪人的に言えば、

掘り出し物の墨絵を買ってしまい、

代金が払えなくて娘が遊郭に売られてしまう。。。。



娘「父上。

どうぞご安心を。

わたくしにおまかせください。」

と、人買いに連れられて行ってしまうのを、

大泣きしながら見送る父。。。。




娘は吉原の高級遊郭に破格の値段で引き取られる。

幼い頃から養父に仕込まれた色香と剣の腕で、

男だとばれる前にお客を殺害。

夜があける前に浪人の元に戻ってくる。。。。




娘。。。こんな感じであろう。↓


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いやいや、竹田出雲の浄瑠璃みたいに、


「痩せ浪人の娘、お宮・実は身をやつした宮無后」なら、


人買いは、吉原の高級遊郭なんぞに売らずに、


「百年に一度の名品、

某国君主が手塩にかけて育てた、手中の珠」、と、


内密に将軍家に献上すれば、


使い切れなくて困るくらいの小判を賜わるであろう。。。




が!!! それだと、

将軍家に寵愛されて、無后は浪人の元に戻れないであろう。

そんなの嫌だ嫌だ〜。







馬鹿話は置いておいて。




パワハラで寝込んでいる拙者には、

レア物のオークションなど、

身分不相応でござる。。。




ただし、オークションとは恐ろしい物で、


魔物が棲んでいるのでござる。



はじめのうちは興味半分で見ていたものが、

競り合ううちにヒートアップし、

どうしても手に入れなくてはならないものに見えてしまうのでござる。



拙者は、競りに勝った瞬間に、

血の気が引いた経験を積んでおり、

その恐ろしさを良く知っているのでござる。。。







と、いうことで、

今日は、賢人に相談してみることにしました。






その前に、

宮無后の夏の衣装を紹介しましょう。

絽の長襦袢を着せてみました。

紅の衣のスパンコールが透けて、

夜空の星のようにまたたくのでございます。



その、またたく様が、

うまく撮れずに残念でございます。

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宮無后に掛けてある埃よけの覆いを取ると、

どこからともなく、

甘い香が。。。


なんだろう。。。。。


部屋の整理中だから、

香水の瓶を落したのかしら????



と、匂いの元を探していたら。。。


過去日記に書いた、木偶用整髪料の香でした。



「幸いなことに、香の(サンダルウッド味)」という、

謎の日本語が書かれた、

あれです。。。




おそらく、

「幸せになれる、サンダルウッドの香」と、

言いたかったのではないかと、。。。





サンダルウッドの味、いやいや、香かと言うと、

微妙で、

昭和の時代の、場末の水商売の女の人がつけている香水のような???






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宮無后「素還真様。

今日は折り入ってご相談がございます」



素還真「おや。

素某をお呼びになったのは、

公主だと思っていましたら、

無后さんでしたか。

何でもお話下さい」


宮無后「お呼びになったのは公主でございますが、

無后も、ご相談したいことがあったのでございます。

じつは。。公主が、近頃、

フィギュアに話しかけているのでございます。。。」




りーあ「無后や。

貴方の心配はよく分かりました。

後でじっくり話を聞きますよ。

今日は、まずは、

私が素還真に相談が有るのです」


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ウチの素還真は、

眼が大きい系の作りですが、

これは、製作を注文した時に、

スマホに入れておいた眼が大きい系の素還真の画像を何枚か見せて、

「こういう感じの顔でお願いします」と、

依頼したからですね。



いつも、夢を見るような穏やかな眼差しで、

私を見てくれます。

性格が優れて良くて、賢くて、超俗な人です。

(かなりの苦労人なのに)




素還真「公主。

何でもお話下さい」



りーあ「詳しくは、過去日記を見てちょうだい。

そして、ブツはこれなんです。

(パソコンの画面を見せる)」



素還真「他にも沢山、ウオッチしておられますね」



りーあ「ほとんどは、入札する事はなく、

ウインドウショッピングのようなものです。

眺めて楽しんでいるだけなの。

そのブツが出品されたのを知ってしまったのが、

運の尽きで。。。」



素還真「過去日記も拝読しました。

これを競り落とせば、

おそらく、公主のお心は幸せに満たされるでしょう。

しかし、軍資金が豊富そうな方々が入札していますね」



りーあ「私が働いていれば、何とかなるかもしれません。

今は、臥薪嘗胆の時期だから、

少しの出費もこたえている状態なのです。

とりあえず、保険を解約すれば、

毎月の出費が抑えられるわ。

保険を見直そうと思っていたところだし。

あとは、今の家賃が高過ぎるから、

安いところに引っ越す。。。」



素還真「家計の見直しは、

ゆっくりおやりになる必要があります。

公主は、元々、生活関連は、

不得手分野でいらっしゃいます。」



りーあ「さすが賢人! 鋭い指摘です」



素還真「それに加えて、

ご心労が溜まって、判断能力も鈍っておられます。

不案内な土地で急襲をかけるようなもの。

急いてはことを為損じるかと」




りーあ「まったく、その通りですね。。。。」




素還真「この作品は、何年か後には、

もっと代金を払わないと手に入らなくなるでしょう。

しかし、今、公主が、

落札なさったとして。。。

将来売却なさろうとしても、

美術商に、しかも、

マニア系のものを扱っている商人の元に行かれると思いますが、」



りーあ「私のような素人さんが個人でネットオークションに出しても、

買う方は真贋不明のものに高い値は付けられないと思うからね」




素還真「美術商は、安く仕入れて高く売るのが商売です。

公主のように、金銭の計算に疎いお方が、

その道のプロに、適正価格で引き取ってもらうのは難しいと見えます」



りーあ「鋭い指摘!

まー、足元を見られて、

色々言われて、安値で買いたたかれるでしょうね」




素還真「それと比べてみますと、

金の相場は、値の上下はあっても、

世界同一。

売りたい時期の相場以下で買いたたかれることがございません。


過去日記にお書きになったように、

いざという時の財産とお考えなら、

ウオッチリストに入っている、

別のお気に入りの方が、今の公主には、

向いているかもしれませんね」



りーあ「ほお〜。確かに。

ブツだと、日本の一部のマニアにしか価値が無いけど、

金なら、世界中のどこでも売却できるわね〜」




素還真「おや。公主、こちらもご覧なさいませ。

自動的に表示される関連商品の、このような商品だと、

資産にはなりませんが、

公主の日常に潤いを与えてくれそうですよ」



りーあ「どれ、どれ??

あー、クリックした商品の、

関連商品が自動で表示されるんですね。

ネットオークションは本当に、

危険地帯ですね。

あー、これ、姿と表情が好き。」


と、

著作権がアレなので、

画像の一部を加工してちょこっと以下に載せます。


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素還真「問題の商品のオークション終了日時は明日です。

お気楽なお気持ちで、

他にもウインドウショッピングをなされませ。

その上で、

どうしてもお入り用か、

お考えになると、ご自身でもご納得がいかれるでしょう」




りーあ「こういう天女?の画像を探して来る辺り、

さすが素還真。。。。

いやいや、というか、

貴方に見つけてもらうまで、

こういう商品の系統、

見た事無かったです。。。

無后もアレですが、

素還真、あなたも、

本当は生きているのでは????」




素還真「栄養の有るものをお取りになって、

ゆっくりお風呂にお入り下さいませ。

ストレスは万病の元でございます。


何より、お友だち方がおっしゃる通り、

公主は、ご自身でお描きになりませんと。」




りーあ「はあ〜。


こういう天女、ツボはツボなんですが、

それなら、

あなた方の方がもっとツボです。


ブツに高値を払うなら、

あなた方の住環境を整えてあげた方が、

私も幸せになれそうです」



素還真「値が釣り上がらなかったら、

競り落とせれば幸運、程度にいきさつを見守りなされば」



りーあ「言うは易し、行うは難し、

だったのですが、

貴方に天女の画像を見せられて、

憑き物が落ちた心地です」




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私が素還真に感心している間に、


素還真にさらに接近して相談する宮無后の図。


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無后の夏服、絽の長襦袢の下をごらん下さい。


もう十年以上も前、

上海で入手したシロモノです。


手触りからすると、

こなれているので、

新品ではなく、

誰かが売却したものでしょう。




着方がわからないし、

私にはサイズが小さいながら、

色彩と、

手触りの良い絹地に惹かれて購入しました。




将来、これが似合う、

小さいサイズの同居人ができるとは、

当時の私は夢にすら思い描かなかったのでした。









































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by leea_blog | 2018-04-11 22:09 | Comments(2)